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戦争と民営化の時代に今こそ階級的労働運動を甦らせよう2・15~16国鉄集会へ結集しよう!

月刊『労働運動』34頁(0299号02/01)(2015/02/01)

戦争と民営化の時代に今こそ階級的労働運動を甦らせよう

2・15~16国鉄集会へ結集しよう!

(写真 【2014年12月2日最高裁へ署名提出行動】)

国鉄闘争全国運動事務局
 国鉄分割・民営化で7628人の国鉄労働者がJRへ不採用となった1987年2月16日から28年を迎えます。
 1047名の解雇撤回を闘う動労千葉・鉄建公団訴訟において最高裁判所は昨年末、反動判決を出すことができませんでした。闘いは決定的な情勢を切り開きつつ2015年に突入しました。
 四半世紀を超えて継続した1047名闘争は、ついに国鉄分割・民営化とそこで行われた卑劣な国家的不当労働行為の真実を全面的に暴きだしつつあります。

暴かれた真実―解雇撤回・JR復帰しかない

 2009年12月、東京地裁で動労千葉が申請した証人調べにおいて伊藤嘉道・国鉄職員課補佐(当時)は衝撃的な証言を行いました。JRへの採用を拒否された動労千葉の組合員12人は当初、採用候補者名簿に記載されており、葛西敬之・国鉄職員局次長の指示によって名簿から排除されたという決定的事実が明らかになったのです。不採用が確定した上記日付の約2週間前まで採用候補者名簿に記載されていたのです。
 さらに高裁において重大な事実が明らかになりました。
 井手正敬、葛西敬之がJR設立委員長の斎藤英四郎に直談判し、斎藤の指示のもと葛西の手によって不採用基準を定めることになった経過を井手本人が語っている資料の存在(『国鉄改革前後の労務政策の内幕』)が明らかになったのです。
 国鉄改革法23条は、採用をめぐるJRと国鉄の権限を書き分けることで選別採用の仕組みをつくり、不当解雇・不当労働行為の責任がJRに及ばない形式にしています。ところが『国鉄改革前後の労務政策の内幕』によれば、国鉄幹部だった井手、葛西とJR設立委員長斎藤が謀議して不採用基準を定めていたのです。その場には運輸省の幹部までいました。
 国鉄改革法23条4項には「設立委員会が行った行為は新会社が行った行為とする」という条文があります。つまり、国鉄改革法を〝法律どおり〟に適用したとしても、JR設立委員長が不当労働行為に関与している以上、新会社JRが不当労働行為を行ったことになるのです。
 国鉄1047名解雇撤回闘争は、2010年の4・9政治和解を打ち破って継続し、ついに国家的不当労働行為の全貌を明らかにしたのです。東京地裁・高裁で明らかになった2つの歴史の真相は、JRによる不当労働行為を全面的に明らかにするものです。まさしく暴かれた真実が裁判所を追い詰めているのです。
 東京地裁・東京高裁は、採用候補者名簿不記載が動労千葉の組合員であることを理由とした不当差別であり、名簿不記載基準の策定と適用が不当労働行為であることを認定せざるをえませんでした。最高裁は、原則として下級審で認定された事実に拘束されます。この決定的真実が不当労働行為であることを裁判所が事実認定した以上、本来ならばもはや解雇撤回判決しかないのです。これが最高裁を追い詰めているのです。

8万4千筆の署名は職場に闘いの炎がある証

 昨年、解雇撤回の最高裁判決を求める署名は8万4千筆を超えました。自治体労組や教組などを中心に全国各地で草の根的に署名運動が展開され、それが昨秋、全国34か所の国鉄集会へと発展しました。8万4千筆の署名は、まだ労働運動は死んでいないこと、職場生産点において労働者の闘いの炎は燃え続け、国鉄闘争に強い連帯感を持っていることを示しました。全国34か所の国鉄集会は、それ自体が労働運動として大きな地平を切り開いています。
 「国鉄闘争の火を消すな!」の訴えと、暴き出した国鉄改革の真実が、全国の職場で苦闘する労働者と結びつき、一つの労働運動再生の可能性を生み出しているのです。

今こそ国鉄を軸に労働運動を再生させよう!

 〈資本主義の大原則は経済成長であり、人口減少や少子高齢化ではマイナス経済成長となり資本主義システムが成り立たない〉という「資本主義の限界」論を主張する著書が話題になっています。それとしてはその通りだと思います。人口の急速な減少や地域社会の崩壊は、日本帝国主義が自ら生み出し、新自由主義が加速させたものです。1%のブルジョアジーは、安倍政権のもとで「選択と集中」などと称して、99%を犠牲にして生き残ろうとしています。
 『共産党宣言』でマルクスとエンゲルスが指摘するとおり、ブルジョアジーは、もはや社会の支配階級として自分たちの生存条件を支配的法則として社会に押しつけるには不適格であることは明白です。社会を維持できず、奴隷の生存を保証することもできない支配者たちは歴史の舞台から即刻退場すべきなのです。新自由主義とは、資本主義終焉の歴史の流れを逆転させる反革命なのです。もちろん資本主義は自動崩壊しません。墓掘り人であるプロレタリアートが登場するときです。
 日本労働者階級にとって一番の問題は労働運動の再生です。安倍政権の戦争と民営化の政治と対決する労働運動の登場が何より必要です。四半世紀を超えて国家的不当労働行為と労働運動破壊攻撃に抗してきた国鉄闘争を結集軸に、世の中に満ちあふれた労働者の怒りを労働組合に組織するときです。
 いまこそ国鉄闘争の継続・発展をかけ、解雇撤回・JR復帰の最高裁判決をかちとる10万筆署名の達成と、全国の職場生産点からの民営化・外注化阻止、非正規職撤廃の闘いをつくり出すことを訴え、2・15~16国鉄集会への結集を呼びかけます。