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世界中で新自由主義が崩壊しはじめた。われわれが全労働者階級を獲得する時代が来た!

月刊『労働運動』34頁(0299号04/01)(2015/02/01)

世界中で新自由主義が崩壊しはじめた。

われわれが全労働者階級を獲得する時代が来た!


田中 康宏(動労千葉委員長、全国労組交流センター代表)
 世界恐慌が中東で、ウクライナで、そして東アジアで一触即発の戦争の危機を生み出している。どの国の政府も明日への確信をもっていない。世界全体が噴火山の上に乗っているような情勢だ。資本主義体制は生命力を失って危機にあえいでいる。
 安倍政権は「戦後レジームからの脱却」を掲げ、改憲と戦争に突き進んでいる。だが、30年余りにわたる新自由主義がもたらしたのは、人が人として生きることすらできない社会の全面崩壊であった。2000万非正規、896自治体消滅、国保崩壊、学校崩壊、あげくの果てに安倍政権は「今」をしのぐために年金資金まで株に突っ込んでしまった。
 結局、安倍政権が行き着いたのは、「戦争をする国」をつくるためには、労働運動を解体するしかないということであった。「連合を分裂させよ」と叫びはじめたのだ。総評解散以来、再びナショナルセンター再編が問題となる情勢がやってきたのである。
 全国労組交流センターは、総評解散―連合結成を時代の重大な転換点と見すえて、連合、全労連を現場からくい破る階級的労働運動を自らの手でつくろうと結成された。その固い決意、その真価がいよいよ発揮されなければいけないときがきた。この情勢はわれわれがつくりだしたものでもある。30年に及ぶ国鉄闘争が連合の完成を今日まで阻んできた結果、安倍は今再び「連合を分裂させよ」と言わざるを得なくなったのだ。
 労組交流センターが切り開いてきた地平は決して小さなものではない。そのことに確信をもとう。
 第1に、われわれは国鉄分割・民営化攻撃に真正面から立ち向かって、日本の労働運動がトラウマのように繰り返してきた「闘えば分裂する」という歴史をのりこえられることを示した。資本と労働者は非和解的関係にある。だがそれは、資本や国家権力が全力で襲いかかってきても打ち砕かれない団結をつくることは可能だと示せなければ簡単には言えないことだ。動労千葉と労組交流センターの30年余の闘いはそれを示した。
 第2に、資本の攻撃に対し、労働組合は常に受動的な対応しかできないという「常識」をひっくり返した。それは特に合理化反対闘争において顕著で、日本の労働運動には反合闘争を攻勢的に展開できた例がほとんどない。だから、労働者こそ社会の主人公であり、変革の主体だと実感できる階級的団結が生まれようがなかった。われわれはそれをのりこえた。その基礎をつくったのが反合・運転保安闘争路線である。
 第3に、15年に及ぶ外注化との闘いの中で、非正規職に突き落とされた結果に対してだけでなく、非正規化されていく過程に非妥協的に闘いを挑み続ける、新自由主義攻撃下での新たな闘いの在り方を生み出した。
 第4に、個別の要求だけでなく、「労働組合はいかにあるべきか」「時代認識と路線」をつねに労働者の団結形成の中心にすえて大衆的に議論し実践する運動の在り方を確立したことだ。それは、動労千葉の分離・独立から労組交流センターの結成、動労水戸の仲間たちが最先頭に立って闘いぬいている反原発・被曝労働拒否の闘いまで貫かれている。
 第5に、画期的な労働者国際連帯闘争をつくりだしたことだ。これも、国鉄分割・民営化攻撃と対決して団結を守りぬいたことへの信頼が土台となって形成されたものだ。
 世界中で新自由主義攻撃が崩壊し始めている。われわれが生み出してきたものが、全階級を獲得する説得力をもつ時代だ。
 集団的自衛権行使容認の閣議決定、「2000万非正規」という現実、「896自治体消滅」のなかにこそ革命の現実性があり、労働運動再生の可能性がある。求められているのは、例外なくそれに相応しい闘いに踏み出すことだ。為すべきことはたった一つ。職場に根をはり、地域にその根を広げ、労組交流センターの本格的拡大をかちとることだ。
 (2月総会にむけたアピール)