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■ひめじょおん――女性部から いわき市の仮設住宅へビラを

月刊『労働運動』48頁(0300号12/01)(2015/03/01)


■ひめじょおん――女性部から いわき市の仮設住宅へビラを

いわき市の仮設住宅へビラ入れ

茨城地域連帯労組組合員
 昨年6月と10月、今年1月に、いわき市の仮設住宅にビラ入れを行いました。
 6月21日、いわき市中央台ニュータウンに隣接した高久第九、十仮設住宅を訪ねました。高台に楢葉町から避難して来た人たちが住んでいます。「竜田延伸反対・JRの労働者と福島の住民を被曝させるな」と第3波ストを行う動労水戸のビラといわき集会ビラを配りました。
 暑い日だったためか、ドアが開け放たれた家もあり、声を掛けてビラを入れていきました。大概の方は快く受け取り、「頑張って下さい」と声を掛けて下さる方もいました。
 外にいた女性にお話を伺いました。楢葉町を5月末に訪れた際に、除染廃棄物が田んぼに積まれていたことをお話しすると、「私たちは帰りませんよ。私の家の近くにも黒いビニール袋(フレコンパック)が置かれている。それがあるうちは絶対帰りません」と。別の女性は「帰れないんじゃなくて、帰りたくないんだ。楢葉の家は外から見たらなんともないけれど、中はボロボロでもう住めない。そんな家が随分ある。年寄りは帰りたいだろうが、子どものいる若い人は帰らないね」。長引く仮設住宅暮らし、先の見えない不安、怒りの矛先をどこに向ければいいのか。そんな憤りが伝わってきました。
 10月5日は、10・31ふくしま共同診療所報告会のビラを持って高久と、いわき公園の溜池を埋めて作った仮設住宅を訪ねました。高久では集会所で芋煮会が行われていて、区長さんが他の集会所にもビラやリーフを置いて下さるということでした。
 限界はとっくに越えているのです。故郷は除染しても放射能の数値は下がらず、戻っても今までの暮らしを取り戻すことはできない。仮設住宅の期限は来年3月までで、出て行かなくてはならない。行き場がない人が出てくるのは間違いない。しかし、政府と東電は責任をとるどころか、復興・安全キャンペーンを行い、帰還事業を推し進めています。
 今年1月31日に、10月と同じ場所へのビラ入れをしました。2・8いわき、3・11郡山の集会・デモのお知らせです。強風の中での行動だったため住民の方とはお話ができませんでした。しかし、高久の児童公園で昨年10月にはなかった除染廃棄物のフレコンパックを目撃しました。剥ぎ取られた跡もはっきり残っていました。子どもが遊ぶ遊具から数メートルしか離れていない場所に沢山のフレコンパックが放置されているのです。
 安倍政権は、楢葉町の除染は終わったとばかりに、常磐線を延伸し、役場機能を回復、楢葉中学の改築工事を行い、楢葉の人たちを帰らざるを得ない状況に追い込んでいます。その狙いは、原発再稼動と原発輸出であり、そして補助金の打ち切りです。金儲けのためなら、人の命を犠牲にしても構わない、そんな安倍政権と東電を絶対に許してはなりません。仮設住宅へのビラ入れは、福島切り捨てを許さず、原発再稼動を阻止する闘いにつながるものです。動労水戸、NAZEN、ふくしま共同診療所と連帯して、今後も仮設住宅への取り組みを継続していきたいと思います。