月刊労働運動-Home> 各地の活動 >

杉並選挙闘争で獲得した地平

月刊『労働運動』34頁(0303号04/01)(2015/06/01)


杉並選挙闘争で獲得した地平

杉並に階級的労働運動の拠点をつくりだす

(写真 選挙中に支持者と握手)


北島 邦彦(元杉並区議)

 1998票(次点)という結果は、ほんとうに悔しいものでした。しかし、杉並区議会議員選挙闘争から得たものは、悔しさをはるかに凌駕する地平です。次なる闘いへ大きな跳躍台にしていきたいと思います。
 まず第一に、今回の選挙戦を闘うなかで、東京西部ユニオン・都政を革新する会をはじめ、ともに闘う仲間・区民の団結がいっそう強くなりました。選挙は党派の全体性が問われる激しい闘いです。しかも票という、一見すれば「のっぺらぼう」なものを積み上げていく闘いですから、それを得んがために選挙戦略・戦術がぶれることもよくあります。しかし、今回の私たちの選挙戦は、階級的労働運動の前進によって革命の扉を開く闘いとして、時代認識とその路線を徹底的に貫いたものでした。だからぶれることなく闘いを推進し、その下での団結の強化を実現することができたのです。
 そして第二に、「民営化・外注化絶対阻止、労働者の非正規化許すな!」と真正面から掲げ、児童館全廃攻撃との全面対決として圧倒的な運動的広がりをつくりだしました。非和解的な徹底した党派闘争としてつかんだ闘いになりました。そして民営化・外注化攻撃と戦争攻撃の一体性を暴き、戦争絶対反対の闘いとしてもやりぬくことができました。したがって今回の選挙戦は、本質的に国鉄決戦として貫徹されたということでもあります。1998票の人々は、6・7国鉄闘争全国運動大集会に参加してもらえる人たちだと思うのです。とりわけ重要な経験は、民営化=悪であるという感覚が、広範な大衆的合意として存在していることを発見できたことです。「公務員バッシング」「自治体の財政危機」などのプロパガンダによって、民営化攻撃はその本質を覆い隠されてきました。従来の都政を革新する会支持者においても同様の傾向は多くありましたが、それが完全に逆転しているのが現実です。新自由主義の破綻が、こうしたところにも矛盾として噴き出していると言えるのではないでしょうか。
 さらに第三に、杉並区議会というブルジョア議会としても最悪な腐敗・堕落を、白日の下に引きずり出して暴露・弾劾する闘いをやりきろうということです。児童館・科学館・あんさんぶる荻窪廃止をめぐる攻防は、全党派・全議員の翼賛化を暴きました。選挙が終わったからといって、その居直りを許すわけにはいきません。児童館闘争のさらなる拡大で、田中区政・区議会を追い詰めて、次回選挙を待たずに根底からひっくり返してやらなければなりません。
 16年参院選、17年都議選を闘って勝利していくためには、杉並の地に階級的労働運動の確かな拠点を建設することです。東京西部ユニオンを中心にして、地域の労働者人民の闘う拠点をつくりだします。区議選闘争のなかで主張した地域の闘う拠点づくりの実践です。その過程で、杉並の自治体労働運動の主流派として登場する決意です。ともに闘いましょう!