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特集 国鉄1047名解雇撤回!安倍政権を倒そう!6・7集会で10万筆署名を達成!

月刊『労働運動』34頁(0304号02/01)(2015/07/01)


特集 国鉄1047名解雇撤回! 動労総連合を全国に! 戦争・改憲・民営化の安倍政権を倒そう!
6・7国鉄闘争全国運動集会に1650人が結集!
解雇撤回10万筆署名を達成!

 6月7日、東京・日比谷公会堂に全国から1650人を結集し、国鉄闘争全国運動の全国集会がかちとられました。集会には一昨年の23日間の歴史的 なストライキを闘った韓国鉄道労組ソウル地方本部のパクソンス首席副本部長ら3人の代表団が参加し、闘いの報告を行いました。

 動労千葉と韓国鉄道労組ソウル地方本部の連名で打ち出された「民営化と闘う日韓鉄道労働者共同声明」(別掲)は、全世界の労働者に向けて新自由主義粉砕を訴える歴史的呼びかけです。解雇撤回・JR復帰を求める署名は10万筆を超えました。また全国の国鉄労働者が動労総連合建設の決意を表明しました。国鉄闘争を軸に安倍政権打倒の階級的労働運動の新たなうねりが始まりました。

国鉄闘争全国運動の本格的発展を

★全国運動呼びかけ人、3労組からの訴え

関西地区生コン支部 平山正行執行委員

 安倍政権は、憲法改悪を進め、戦後70年談話を発表すると表明し、集団的自衛権行使容認にともなう関連法の改正手続きに入っています。
 労働者派遣法改正案の提案、ホワイトカラーエグゼンプションの導入。私たちはこの労働法制改悪を阻止するため共同の闘いを組織します。
 関生支部は15春闘で1万円の賃上げを3年連続で獲得しました。産業政策運動の前進、労働者の生活と労働条件向上、組織拡大、新会館建設をはじめ、生コン支部50周年事業の成功に向けてがんばっています。
 解雇撤回・JR復帰に完全勝利する新たな闘いを構築しましょう。

全国金属機械労組港合同 中村 吉政委員長

 橋下大阪市長による労働組合破壊攻撃に対し、多大なご支援をいただいて参りました。
 全国運動は1047名解雇撤回の闘いとともに、反戦平和を基軸に、働く者、あるいは人間の尊厳を問う闘いです。そして住民の命を軽視するJR資本に、公共交通機関の社会的責任をとらせる使命があります。
 5月17日の住民投票で大阪都構想は否決され、市長退陣と政界引退をかちとりました。本来、区・市議会で否決されたもので、住民投票されるはずはなかった。しかし橋下・松井が安倍・菅と密約を結び、公明党が方針転換して急遽行われました。
 最終日まで運動して、私たちの地域では1万6千票の差で反対をかちとりました。大阪の闘いが少しでも安倍政権にブレーキをかけたのではないかと思います。

国鉄闘争全国運動呼びかけ人 伊藤 晃さん

 全国運動は6年目に入り、その意義はますますはっきりしている。
労働運動にとって最大の危険は、絶望感、無力感に支配されてしまうこと。支配集団は労働運動を完全に破壊し、無力感を強めようとしている。官製春闘の意味はアベノミクスの救出とともに、労働運動への軽蔑感、無視を社会的につくること。
 10万人署名の成功は、労働運動がこういう現実に対して何かができると社会に示した。署名に応じてくれた人は、みな1047名闘争が今の社会で現実的な意味を持っていると共感してくれた。労働運動全体を発展させる可能性を開いた。
 署名を集める努力は職場闘争と結びついた。これを発展させなければいけない。館山や銚子の運動、水戸の被曝労働阻止の運動はこれからの署名運動の発展の姿を示している。
 社会の崩壊の中で労働運動の力で問題解決の出口を示すという役割が全国運動にはある。社会の再建は労働運動によるほかはない。
 弱点がある安倍と違い、私たちには明るい未来がある。それは国際連帯だ。広く議論し、共同の行動をつくりたい。

 動労千葉 田中康宏委員長

 最高裁署名が10万筆を突破しました。本当の闘いが今日からスタートします。1047名解雇撤回闘争のもとに、連合結成に強い危機感を持った100万人の労働者が結集した。それを10万人まで再結集させた。労働運動はこれでいいのか、労働者はもっと誇り高く歴史をつくる存在だと。これは本当に大きい。
 署名をしてくれた職場に仲間をつくり、全国運動の運動体をつくり、労働運動の再生の芽を全国無数につくり、つなげる。そうした時に国鉄分割・民営化以降の現実を自分たちの力でひっくり返すことができる、
 国鉄闘争が連合の戦争全面支持・産業報国会化を止めてきた。戦争情勢は新たな労働運動の解体・再編を生み出そうとしている。これと対決し、闘う労働運動を呼び起こすことができたときに戦争は止められる。
 7月に千葉鉄道サービス(CTS)の仲間に選択肢のない形で転籍通知がされている。JR下請け会社をさらに再編して突き落とす。その次はJR本体の労働者。外注化と15年闘い続け8人のCTSの仲間が新たに結集してくれた。国鉄分割・民営化、外注化を粉砕して闘う労働組合をつくり直す。そのために絶対に組織拡大を実現する決意で進みたい。

動労水戸 辻川慎一副委員長

※原発労働者と団結し闘う

 2011年3・11の原発事故、その過酷な現実との闘いを労働組合の団結で闘いぬいてきました。被曝労働絶対反対、外注化絶対反対、この闘いは国鉄労働者のみならずすべての労働者、全国の人びとの心をわしづかみにする闘いです。
 5月24日、福島県いわき市で原発労働者との交流会が開かれました。この原発労働者はあの3・11から9日間、日本の国民を守るために命をかけて原発事故の収束作業にたずさわってきた人です。動労水戸の被曝労働拒否、特に竜田延伸反対闘争を、「君たちの言っていることは百パーセント正しい」と言って支援してくれた。その人が彼の3・11以降の闘い、福島の原発事故がいかにかつてない大事故であるかを話してくれました。いま全力でそのパンフレットをつくっています。
 その彼が、「原発に必要なのは労働組合なんだ。原発労働者を被曝させない、それはもちろんだけれども、技術者も自分たちがつくるしかない」、そう言っている。
 この原発事故を引き起こし、戦争にまでいこうとしている安倍政権、ブルジョア国家権力を打倒するために、日本全国で原発労働者と団結して闘う労働組合を建設する。ストライキのできる労働組合が必要です。全力で全国もれなく動労総連合の旗を打ち立ててストライキで闘いましょう。

(写真 韓国鉄道労組ソウル地方本部代表団 イムジェチョル清涼里機関車支部長【左】、パクソンス主席副本部長【中】、キムスンシク連帯事業局長【右】)
鉄道労組ソウル地方本部

 パクソンス首席副本部長、同キムスンシク連帯事業局長、同イムジェチョル清涼里機関車支部長の3人が登壇し、パクチョンソン本部長のメッセージが読み上げられました。

★10万筆達成! 解雇撤回判決を!

動労千葉顧問弁護団長葉山岳夫さん

 国鉄分割・民営化は今や破綻しています。動労千葉・動労水戸を先頭とした国鉄闘争全国運動は、第2の分割・民営化と言うべき外注化の破綻を暴き出しています。
 国労本部は4・9政治和解で屈服し、「二度と解雇や不当労働行為を争いません」という証文を入れました。この4・9政治和解攻撃を国鉄闘争全国運動は階級的労働運動ではね返して決起しました。その闘いが、東京地裁・東京高裁に、動労千葉組合員のJR不採用は組合差別であり、JRに法的責任があることを認めさせました。解雇撤回まであと一歩です。
 この裁判で、JR不採用基準を策定したのは葛西敬之と井手正敬であり、それに(当時の)JR設立委員会委員長で経団連会長の斎藤英四郎が加担したことを暴きました。
 解雇撤回・JR復帰を認めないのは明らかに不当判決です。動労千葉は上告し、国鉄闘争全国運動は9万6千筆の署名を6次にわたり提出しました。最高裁はこの闘いに直面して反動判決を出せず、長考の段階に入りました。解雇撤回・JR復帰の正義は明らかです。絶対に勝利しましょう。
 戦争法案と現代の治安維持法案を粉砕し、安倍戦争・改憲政権を打倒するゼネストへ、動労総連合を全国に結成することがポイントです。
 弁護団は皆さんと団結をますます固くし、徹底的に闘いぬく決意です。

動労千葉争議団 中村 仁さん

 動労千葉は28年前にストライキを闘い、28人の解雇者を出しました。組合員は解雇者を守りながら現場で闘い、組織拡大をかちとりました。本当に真剣になって闘ったからこそ、青年や非正規の人たちが結集していると思います。組織拡大をみなさんの力でかちとりましょう。
 闘う労働組合として、労働者として団結して、大きな大きな闘いにしたい。解雇撤回をかちとるべく闘います。動労千葉の組合員一人ひとりが、全国の労働者ががんばっている。その先にわれわれの未来があるんだと思います。これからも団結し闘いましょう。

国労闘争団 羽廣 憲さん

 私たちは解雇撤回の闘いを営々と続けています。絶対に屈しないという決意です。ここで負ければ青年労働者の未来をも放り投げてしまう。そういう責任があるから28年経った今も国鉄分割・民営化絶対反対の闘いを継続しています。
 安倍政権を打倒する闘いの一つの柱として、動労総連合を全国につくっていきたい。私たちは国鉄労働組合です。その私たちが動労をつくる、闘う労働組合をつくる。それは大きな転換点でしたし、はっきり言って単純ではありません。しかし、それをやりきらなければただの組合に成り下がってしまいます。私たち国労原告団もさらに団結を固めて、動労総連合を全国につくり上げる闘いの先頭に立って、みなさんと共に闘いぬきたいと思います。

国鉄闘争全国運動東京東部の会 米山良江さん

 全国の力で10万筆を達成しました。1047名解雇撤回闘争はこれからが本番です。国鉄闘争全国運動・東京東部の会は、月1回の学習会を力に署名を精力的に取り組んできました。私が特に力を入れたのは労組回りです。動労総連合と共に国鉄闘争全国運動を労働組合の闘う結集軸に飛躍させ、安倍の戦争・改憲を打ち破りましょう。

★外注化阻止! 動労総連合を全国に

動労千葉幕張支部

 今年10月に外注化強行から3年目を迎えます。安全と労働者の生活、雇用を破壊する外注化でした。幕張の車輪転削業務では、担当者が指を落とす重大事故が発生しました。CTSでは安全にまともな仕事ができないのに、逆にベテランが出向を解除されてJRに戻されました。5月から、CTSのプロパー社員だけで転削業務を行っています。アントという牽引車で9両を連結して作業していますが、前後の安全確認もせず無線操縦で動かしています。考えられません。必ず大事故が起こります。その時、責任を負わされるのはプロパー社員です。労働者を犠牲にする外注化は絶対に認められません。強制出向者やCTSプロパーの仲間たちを、仕事と一緒にJRに取り戻すために全力で闘います。CTSの清掃の仲間が幕張で3人加入してくれました。その人たちの労働条件を良くするために頑張ります。

動労水戸 照沼靖功さん

 JRグループ全体で度重なる事故が発生しています。すべての原因は会社の安全に対する意識の低さ、安全管理に金をかけず営利優先という体制です。絶対に許してはいけない。JR東日本の社長は「お客様の死傷事故がなかったのは神様が助けてくれた」という声明を出しました。鉄道の安全は、労働者一人ひとりが誇りをもって働いているから守られている。だから闘う労働組合が絶対に必要です。動労総連合を全国に建設し、それを青年が牽引していく力をつけたいと思います。

動労神奈川 中村幸夫さん

 若い組合員が3月26日、ストライキで決起し、全国の支援で解雇を粉砕することができました。東日本環境アクセスは再び事件をデッチあげて組合員を解雇する策動をしています。それを絶対に阻止するため、ストで闘いたいと思います。

郡山総合車両センター 橋本光一さん

 福島の全員の力で動労総連合・動労福島を打ち立てる決意です。体制内労働運動の呪縛から解放され本当に良い気分です。韓国鉄道労組、民主労総がやったゼネストを日本で実現しようではありませんか。その力で全原発廃炉、星野文昭さんの奪還を。

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★連帯のあいさつ

沖縄・北中城村議 宮城盛光さん

 沖縄は今、安倍政権が戦争する国へ踏み出したこと、また今の国会での戦争法案、辺野古新基地建設、さらには基地の島、貧困の島、非正規の島という沖縄の現実への怒りが巻き起こっています。沖縄の現実を根本からひっくり返していく闘いが求められています。それが全島ゼネストです。
 動労総連合を先頭とする、闘う労働組合の登場が一切の情勢を決する時代に入っています。ともに闘いましょう。

福島診療所建設委呼びかけ人 佐藤幸子さん

 福島では127人の子どもたちが甲状腺がんの疑いと発表されました。県民健康調査検討委員会は「放射能との因果関係は認めにくい」と言い続けています。ありえません。安倍政権、日本をこのままにしておくわけにはいかない。これからも一緒に団結して子どもたちを守るためにがんばっていきましょう。

許すな改憲!大行動代表呼びかけ人 高山俊吉さん

 戦後史の大転換点が来ている。安倍戦争内閣の改憲政策を絶対許さないという立場に立ちきることが必要です。7月5日の安倍倒せ大集会にぜひ結集していただきたい。
 もう一つ申し上げたいことは戦争に絶対反対、改憲を許さない1千万署名運動を始めたいということです。櫻井よしこは自民党の改憲方針に従って、国民運動、署名運動を始めると言っている。それに対して本当の署名運動を起こしたい。

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★今後の方針とまとめ

ス労自主 入江史郎委員長

 10万筆署名を達成しました。
われわれは大したもんです。しかし1047名解雇撤回闘争は判決で決まるわけではありません。職場、地域、全国の闘いが決します。自信をもって職場、地域に戻り闘いぬこう。
 11月労働者集会に向け昨年を2倍、3倍する国鉄集会を全国各地・全産別で取り組んでほしいと思います。

世田谷地区労顧問 花輪不二男さん

 これからが新たな運動の展開です。
 第一に、国鉄闘争1047名解雇撤回、民営化・外注化を阻止し、働く仲間の手に労働現場を取り戻そう。第二は、すべての職場から無権利・使い捨ての非正規労働者をなくし、闘う労組を組織しよう。第三は、沖縄や反原発闘争の仲間とともに国鉄闘争全国運動を広げ、韓国・民主労総をはじめ新自由主義と闘う全世界の労働者と団結しよう。
 最後に、解釈改憲と戦争政策を進める安倍反動内閣を打倒しよう。今日の熱気を各職場、地域、学園に持ち帰り、ここに結集できなかった仲間にも呼びかけて、団結の輪、闘いの輪を広げましょう。



(集会の主な発言を抜粋し、要約して掲載しました)