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闘う合同一般労組 解雇無効の勝利命令! 中西工業

月刊『労働運動』34頁(0304号10/01)(2015/07/01)


闘う合同一般労組
府労委で解雇無効の勝利命令! 中西工業「労災解雇」撤回闘争

(写真 【3・2春闘統一行動】)


国鉄闘争と一体でゼネスト情勢開く闘い
関西合同労組大阪東部支部・中西工業分会

 闘う仲間のみなさん。労災認定を無視して解雇! 中西工業によるこの前代未聞の不当労働行為に対し大阪府労働委員会闘争を闘い1年半、5月13日に解雇無効の勝利命令をかちとりました。府労委の命令は、「中西工業はS組合員への解雇(退職扱い)を取り消すこと、労働組合との団体交渉に応じること」となっています。当該S組合員を先頭に関西合同労組の団結の力でかちとった決定的な勝利です。中西工業は速やかに府労委命令を履行し、S組合員の解雇を撤回して団体交渉に応じよ。S組合員への裁判提訴(地位不存在)をただちに取り下げよ。
 今や社会全体がブラック企業化する中で、膨大な青年が長時間労働とパワハラで病気になり職を失っています。関西合同労組・中西工業分会の闘いは、こうした現実をうち破る決定的な地平を切り開き、ついに解雇撤回の勝利命令をかちとったのです。韓国・民主労総のゼネスト、沖縄の全島ゼネスト情勢と一体で、そして橋下打倒と一体でかちとった決定的な勝利です。08年森精機闘争以来の路線的闘いが切り開いてきた地平がここにあります。国鉄闘争を軸とする絶対反対の闘いこそが、資本に破綻を強制し、労働者に勝利の展望を与えるのです。資本と非和解の闘いを15年間貫くかねひろ解雇撤回闘争、雇い止め絶対反対を掲げストライキに決起した郵政新大阪局の闘い、倒産解雇と闘うサンボー分会の闘い、また高槻植木団地、京都崇仁の闘いなど、関合労各支部、大阪北部ユニオン、ユニオン自立など(関西のすべての地域交流センターでもある)の闘いが、絶対反対を貫くことによってのみ団結を拡大し、さらに地域ソビエトの展望を示していることは重要です。中西闘争は八尾北・西郡闘争と一体で闘いぬいています。
 合同労組(合同・一般全国協)の闘いは、労組交流センターが路線を貫き動労総連合と両輪でゼネスト情勢を切り拓く闘いそのものです。すべての地域交流センターは合同一般全国協1000人建設でゼネスト情勢を切り拓こう。

絶対反対の闘いが資本に破綻を強制、労働者の団結を拡大

 中西工業は、労災認定が出るまでは「業務上かどうかについては、労基署の判断を仰ぐ」と言って、病気休職に追い込んだ責任を認めず、S組合員への謝罪も拒否してきました。それが実際に労災が認定されると、今度は逆に、これを無視して解雇(退職)という前代未聞の暴挙に出たのです。
 パワハラの当事者である専務は当初、自らの責任を認め、S組合員の家族に謝罪しています。何よりも専務自身が「ストレスを掛けていかないとS組合員が伸びないと思った」と言い、「S組合員に対する叱責の回数が多すぎた」(労災認定の調査復命書より)とパワハラを認めていることは重大です。「ストレスを掛ける」とは、相手をまるでモノ(道具、機械、材料)かモルモットのように見ているということであり、一個の対等な人格として見ていないということです。
 労災認定を無視して解雇することなど絶対にできません。誰が考えても当然のことです。裁判闘争においてもS組合員と組合は絶対に勝利します。6月2日の法廷では、S組合員は証人尋問を堂々とやりきり、会社側の反対尋問を完全に粉砕しました。
 会社側証人である専務は、当初「S組合員の仕事量は少なかった、パワハラはなかった」などでこじつけてくることは分かっていましたが、裁判当日あろうことか、2013年の1月30日にS組合員が会社を早退して家族と病院(心療内科)に行った日、専務がS組合員の家族と電話で話したのを「話した相手は医者と思っていた」と、これまでの事実とまったく違うことをこの日初めて言ってきたのです。
 電話のやりとりで、家族の「精神的に追い詰めたとか、何か心当たりはないか」との問いに専務は「それは僕です」と即答しています。この事実を会社はなんとかして消したいのです。しかし、この日の経過は、団交でも何度も出てきたことであり、専務の証言が完全にウソであることはすぐに分かることです。団交議事録にも随所に出てきます。こちらの追及に専務は団交で話したことをその場で認めました。なんと! 「偽証」を証人尋問の場で認めたのです。中西工業と代理人・経営法曹会議弁護士の「理屈」はここまで破綻しているのです。
 また、会社が唯一「書証」として出してきた「注文管理票」(S組合員の仕事量は少なかったと言うためのデタラメな証拠)でさえ、こちらがその説明を求めると、専務は「分かりません」、見たことは「ありません」と完全にボロボロです。さらに、専務は「パワハラではない。S組合員のことを大事に思っていた」と言うが、こちらの「それならなぜ退職にしたのか」の質問には、言葉に詰まって何も言えない破産ぶりです。
 裁判長の訴訟指揮は実に許しがたいものでした。これだけ破産している会社側に助け船を出し、S組合員に「(陳述書の人定欄に)会社員とあるが、どこかで働いているのか」と実にふざけた質問をしてきたのです。S組合員は中西工業の労働者で、現在労災休職中なのです。労災休職中に解雇された労働者が、不当な解雇・裁判提訴と闘っているのです。こんな解雇は無効以外のいかなる判決もありえません。中西府労委の勝利命令に続き、橋下を打倒した。これに続いて中西裁判でも勝利判決を出すことに、心底から震え上がっている資本家階級と司法権力の悪あがきそのものではありませんか。S組合員はこれを断固粉砕しきり、「自分は中西工業の労働者であり現在労災休職中である」と堂々と答えました。傍聴には関合労各支部をはじめ闘う仲間たちが20人かけつけ裁判所と会社を圧倒しました。
 いよいよわれわれ労働者の時代です。「動労総連合を全国に」の闘いと両輪で、合同労組(合同・一般労組全国協)はゼネスト情勢を切り開き、革命へと前進していこう。