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戦争反対・安倍倒せ! ナガサキの怒り爆発

月刊『労働運動』34頁(0306号07/01)(2015/09/01)


戦争反対・安倍倒せ! ナガサキの怒り爆発


橋里 耕悟(NAZENナガサキ事務局長)

鉄橋での街宣と市内デモ

 8・9長崎闘争は、NAZENナガサキ主催で、8月8日午後1時、長崎市の繁華街にある鉄橋での街頭宣伝から開始されました。参加者は、安倍政権打倒、安保法制阻止、川内原発再稼働反対を訴え、改憲反対1000万人署名と反原発署名に長崎市民は次々と応じてくれました。
 午後3時、中華街横の湊公園で集会を行い、中華街とアーケード街を貫通する長崎市内デモに決起しました。NAZEN福岡の女性が先頭に立ち、「戦争反対」「安倍を倒そう」「長崎から声を上げよう」「原発なくそう」とコールを響かせました。デモ隊は大注目を浴び、沿道からは拍手が送られ 、デモ隊と同じリズムでこぶしを突き上げる女性も現れました。眼鏡橋までのデモをやりきりました。
 8月9日午前9時、城栄公園に集合し、デモ前段集会を行いました。NAZENナガサキの事務局長である私が「安倍をたたき出すデモをやろう!」と呼びかけ、50人でデモに出発しました。
 平和公園の横を通り、爆心地公園までデモ。沿道の反応は、昨日のデモにも増して、デモ隊のコールに沿道で呼応する通行人や、手をたたき、平和公園の入り口ではデモ隊に何人もが飛び入りで参加したのです。安倍への怒りはこれまでになく高まっています。
 11時2分に爆心地公園で黙祷をして、昼からの8・9長崎集会のチラシをまきました。

フクシマとナガサキの怒り表明

 午後1時30分、長崎県勤労福祉会館で8・9長崎集会が101人で開催されました。
 集会では、 ふくしま共同診療所・建設委員会の佐藤幸子さんが「今年5月で127人の子どもに甲状腺がんが見つかっていて、うち2人は肺に転移していた」という驚くべき現状を明らかにしました。また、「昨年の集団的自衛権の閣議決定、今年の安保法制。いまなら止めることができる。広島、長崎、沖縄、福島がひとつにつながろう」と訴えました。
 長崎の被爆者の城臺美彌子さんは「長崎市は原爆投下で、その年のうちに3分の1が殺された。残りの3分の1は、後遺症で苦しみました。戦争の時は、反対のことは何も言えなかった。それで広島、長崎に原爆が落とされた。戦後70年の節目と言うが、私たちに節目はありません。私たちは黙っているわけにはいきません」と決意を語りました。次に被曝二世の壹貫田康博さんが、8・6広島大行動の成功を報告しました。
 許すな改憲!大運動の鈴木達夫さんが「すべての戦争は自衛の名において行われる。労働運動を中心にして、戦争絶対反対のゼネストを打つ。国鉄労働運動を軸に、労働組合の闘いで戦争を阻止しよう。改憲反対1000万人署名を集めよう」と呼びかけました。
 長崎保養のスタッフをした青年の女性労働者が、安倍の原発再稼動と戦争政治への抑えきれない怒りを表明し、保養はよかったと感想を語りました。続いて保養の様子を撮影したビデオを上映しました。
 NAZEN福岡の田宮星さんが、翌日の川内原発再稼働阻止の現地行動への決起を呼びかけました。

全国の国鉄労働者が決起

 全国の国鉄労働者からのアピールで、動労千葉争議団の中村仁さん、動労水戸の西納岳史書記、動労西日本の山田和広 書記長、国労秋田闘争団の小玉忠憲さん、小倉闘争団の羽廣憲さん、鳥栖闘争団の石﨑義徳さんが登壇しました。
 西納さんは、被曝労働拒否の闘いと、9月5日に狙われている楢葉町の避難指示解除との闘いを訴えました。
 中村仁さんは、6月30日の動労千葉鉄建公団訴訟の最高裁上告棄却決定に対して、「不当労働行為を確定させたことは大勝利だ。同時に、不当労働行為を認めたけれど解雇を撤回しない。金さえ払えば労働者を使い捨てにできるということだ。こんなことは認めるわけにはいかない。これからも解雇撤回に向けて闘う」と決意表明しました。
 続いて、レイバーユニオン福岡の吉田理委員長は「労働者が歴史の主人公として登場する時代です。福岡のレイバーユニオンは、九州の闘う労働組合の拠点 として、さらに九州における労働運動の中心勢力として闘っていくつもりでいます」と決意を述べました。
 さらに、関西の保育労働者は「私たちの職場での絶対反対の闘いが大阪橋下を倒しました。戦争絶対反対、生きさせろの絶対反対の闘いが、次には安倍を打倒します。自治労大会ではゼネストを訴えます」と訴えました。
 そして、全学連の森幸一郎書記次長が「9月の戦争法案の成立を絶対に止める。学生はその闘いの先頭に立つ」と決意表明しました。
 NAZENの織田陽介事務局長がまとめを提起し「労働者一人ひとりに社会を変える力がある。労働者の誇りと団結で、戦争を止め、原発もなくせる」と訴えました。

式典では被爆者の怒りが安倍に叩きつけられた

 長崎市主催の長崎平和祈念式典では、被爆者代表の谷口稜曄さんが「今、集団的自衛権の行使容認を押しつけ、憲法改正を推し進め、戦時中の時代に逆戻りしようとしています。戦争につながる安保法案は許すことができません」と毅然と発言すると、万雷の拍手がわき起こりました。一方、安倍のあいさつの時には「帰れ!帰れ!」「戦争反対」の怒りの声があがったのです。昨年の城臺美彌子さんの決起が全人民のものとなり、安倍を痛撃しました。

 8・9長崎闘争は、昨年までと街頭での反応が激変していることを肌で感じ、長崎で完全に主流派の一角に入ったことを全参加者が確信する闘争として打ち抜かれました。