月刊労働運動-Home> 特集 >

福島に動労総連合の旗が立った!

月刊『労働運動』34頁(0307号02/07)(2015/10/01)


福島に動労総連合の旗が立った!

(写真 結成集会で委員長に選出された橋本光一さん)

―9・10動労福島の結成集会報告 ―

橋本光一(国鉄福島動力車労働組合委員長)

結成集会に120人結集

 動労福島(国鉄福島動力車労働組合)の結成は、9月10日、台風の影響による荒天の中、嵐の中の船出となりました。
 平日にもかかわらず全国から120人もの仲間が結集してくれました。
 結成大会で組合結成の発起人として私は、「動労福島の結成を決断したのは、獄中にとらわれながらすべてを奪還しようと積極的・主体的に生きる星野文昭さんの闘いを学んだからだ。新自由主義と戦争の攻撃と対決し、職場と社会の主人公となるために動労福島を結成する」と宣言しました。
 動労総連合書記長で動労千葉執行委員の川崎昌浩さん、動労千葉青年部の木科雄作さん、動労水戸の国分勝之副委員長、動労総連合・新潟の星野文男委員長、動労連帯高崎の木村洋一さんが、連帯のあいさつをして下さいました。結成に至る過程を自らの闘いとして貫いてきたふくしま合同労組の藤井千賀子書記長は、「動労福島とふくしま合同労組は福島、東北の階級的労働運動の結集軸になる」と鮮烈な決意を示しました。
 組合規約と運動方針を採択し、「福島の地に階級的な労働組合の旗を打ち立てる意義は計り知れない。階級拠点の強化の闘いに直ちに入る」という結成宣言を拍手で確認しました。私が委員長に選出されました。
 大雨を突いて、郡山総合車両センターを一周するデモに出ました。工場門前では、管理者の抑圧に屈することなく青年労働者がデモを注視していました。闘う労組に結集しようという呼びかけは、労働者の心に確実に届いたと思います。
 工場門前と郡山駅前での宣伝行動を終え、夕方から動労福島結成集会が開かれました。

(写真 デモの郡山工場前でアピール)

動労福島結成の意義

 動労福島結成の意義を二つ述べたいと思います。
 一つは安保反対、安倍政権打倒のストライキをやるための労働組合の旗揚げだということです。9月19日、安保関連法が成立しました。決まっちゃったら終わり、どうしようもないのかということです。そうはさせない。それをこれから打ち破るためにあるのが動労総連合だし、動労福島なのです。
 SEALDs指導部や日本共産党の人たちは、次の参議院選挙に勝って安保関連法を廃止すると言っています。そして共産党の方から民主党、はては維新にまで選挙協力を呼びかけているのです。このように権力や資本家階級の側と手を組む、階級協調の思想で労働者階級を分断する一方で、許しがたいことに、国会前で闘う全学連を暴力的に排除しようとしたのです。真に階級的なものを攻撃し、「国家権力・資本家階級には闘っても勝てっこない」という敗北主義で労働者人民に絶望を組織するのが彼らの本質です。だからこそ彼らは資本・権力側にも許容され、9月15日の国会での中央公聴会に「公述人」として呼ばれたりしています。あの意見表明全体が許しがたいものでしたが、とりわけ私が許しがたいと思ったのは以下のくだりです。
「政治家の先生たちも、個人でいてください。政治家である前に、派閥に属する前に、グループに属する前に、たった一人の個であってください。自分の信じる正しさに向かい、勇気を出して孤独に思考し、判断し、行動してください」
 「ダサい労働組合の旗なんか持ってくんじゃねえよ」と動労千葉に悪罵を投げた同じ口で、こういうことを言っている。本当に許せません。
 国鉄分割・民営化以来、新自由主義によって労働者人民は徹底的に分断され団結を破壊されてきました。その究極の姿が3・11であらわになった被曝の強制であり原発再稼働であり、そして戦争です。
 労働者は政治をやるときこそ団結しなくちゃなりません。どこで団結するのか、選挙じゃなくて職場です。労働者が会社組織の中で、賃上げとか労働条件改善を勝ち取るには、労働組合に団結するしかありません。職場は団結をつくる最高の場所です。ただ、今、多くの労働組合は経済闘争しかやりません。だから政治闘争をやる労働組合、安保反対でストライキをやる労働組合が必要であり、それが動労総連合と動労福島なのです。
 二つは、産別労組である動労福島と、地域労組であるふくしま合同労組が一つにつながって運動を展開すれば、すごいことが出来るということです。
 動労福島は福島地域に限ってみれば、組織的には小さな組合です。しかしながら、そのバックにはふくしま合同労組がついています。合同労組には、老若男女、70年安保闘争や三里塚闘争世代から大学を出たばかりの青年がいて、それぞれの地域と職場で資本や権力と闘いぬいてきた闘士が揃っています。
 私は郡山総合車両センターに33年前に就職しましたが、ふくしま合同労組の書記長は、もっと以前から「国鉄郡山工場」と呼ばれていた時代から、その門前に立ってビラまきをやっていたのです。そういう歴史と組織を持ったふくしま合同労組がバックに動労福島があるのです。このような合同労組と、分割・民営化絶対反対で国家と資本と真っ向勝負してきた動労総連合が互いに補い合う。例えば職場ビラ配布や団体交渉など、互いに入り乱れ、体を張った闘いをやっていけばすごいことができると思います。
 動労福島は、動労総連合と共に、ふくしま合同労組はじめ合同・一般労組全国協と共に、政治と職場、地域と職場の分断をブッ飛ばし、安保法廃止・戦争阻止、被曝労働拒否・原発再稼働阻止のゼネストを実現し、社会を変えていく決意です。

(写真 夜の結成集会で高らかに決意表明)