月刊労働運動-Home> 特集 >

2・6~7労組交流センター第23回定期全国総会報告

月刊『労働運動』34頁(0312号02/01)(2016/03/01)


2・6~7全国労組交流センター第23回定期全国総会報告

ゼネストを組織する全国労組交流センターへ!

 2月6~7日に東京都内で開かれた全国労組交流センター第23回定期全国総会の討論とその総括を紹介します。
【1日目の討論】
○飯田英貴事務局長 総会の獲得課題は、ゼネストを組織する交流センターへの飛躍をかけることだ。1万労働者の組織化のため「労働の奪還」を軸に階級的労働運動路線は何か議案で提起されている。実践的には、①「動労総連合を全国に」と「合同・一般労組全国協1千人建設」を柱に闘いたい。各地で拠点労組建設が進んでいる教訓や課題を論議したい。②7月参院選(ダブル選)へ鈴木たつおさん(斎藤いくまさん)を推して闘いたい。③国鉄決戦と労働法制改悪粉砕の16春闘を成功させたい。④組織拡大にむけ、『月刊労働運動』の拡大、マルクス主義の労働学校を各地区につくっていく。以上4つの課題を真剣に論議したい。
○辻川慎一代表 議案提起
○医療福祉・岡山 医療事故が多発している。広島で7日連続1人夜勤の時、階段から落ちた高齢者が亡くなり、仲間が懲役3年の実刑になった。彼と団結して闘う。
 動労西日本の組織拡大へ取り組んでいる。
○愛知 軽井沢バス事故は新自由主義がもたらした事故だ。議案書の情勢認識論から学んでいく。ゼネストをやれる交流センター作っていく。
 昨年7月国会闘争に参加した青年が、10月愛知集会で動労水戸の池田さんの発言に感動し、日本共産党に離党届を出して一緒に闘うと決起した。動労総連合建設、国際連帯闘争、合同・一般労組全国協千人建設が方針だ。東海合同労組も昨年、組織拡大した。
 反軍闘争で、池田裁判闘争も闘っている。支援する会の会員にも入ってほしい。
○群馬 群馬中央タクシー分会は11・8ストライキに決起した。委員長は以前、パワハラで自殺をはかったが、その時動労千葉が脳裏に浮かんで連絡をとり、群馬合同労組とつながった。元は教育労働者で、「日の丸・君が代」に不起立で闘ってきた労働者だ。離婚し組合も辞め、共産党も辞め、教員も辞めて群馬中央タクシーで生きてきた。しかし、これからは国鉄闘争で生きていこうとしている。
 軽井沢バス事故で声明を出しマスコミの取材もあった。
○動労水戸 ライフサイクル粉砕のストライキをやった。會澤君の「運転士の仕事をなめている。子や孫の未来のために闘う」というアピールは青年を獲得する内容で、職場を変え、動労水戸も変え始めている。1月動労水戸大会は明るくて、みんなが笑っている大会になった。
 動労水戸への昇進試験をめぐる不当労働行為と闘っている。外注化の矛盾も拡大している。闘いの拠点があれば青年は必ず決起してくる。
 茨城では常南交通や合同労組の闘いが前進している。
○新潟A 動労総連合・新潟が結成され、自分も加入した。11月に雇い止め攻撃があり、組合通告したところ雇い止めを一旦は押し返した。しかし今年1月14日の団交で会社は1月15日付で解雇すると通告してきた。明らかに組合通告に対する解雇攻撃だ。
 NTS(新潟鉄道サービス)は4割が非正規労働者だ。非正規だから闘えないではなく非正規職を撤廃させていく。
○新潟B NTSの闘いで解雇撤回をかちとっていきたい。さらにJRTM(JR東日本テクノロジー株式会社)でのパワハラや一時帰休との闘いに取り組んでいる。JR貨物に対しては、組合掲示板を要求してB4版だが勝ち取った。2・14国鉄集会へ仲間を組織する。
○神奈川 動労神奈川の青年の解雇攻撃との闘いに決起している。青年を追い詰めたのは環境アクセスであり、JR資本だ。パートと契約社員にも分断している。非正規職撤廃で闘う。
 三浦半島教組、合同労組も組織拡大にむけ闘っている。
○北陸A 動労北陸の旗を立てると決起が始まった。「青年を獲得して結成しよう」と論議し、北陸組織が一丸となって闘う。2・28国鉄集会を開催する。
 合同労組では、富山運輸の解雇との闘いが中央委で始まる。
○沖縄 第一に、2・14沖縄国鉄集会は、IJBS労組の仲宗根書記長が基調報告する。解雇撤回、派遣法粉砕で共に闘っていく。3・11福島との連帯行動、婦民全国協沖縄支部結成集会も成功させる。
 第二に、「労働の奪還」について。バヤリース労組は15年間物販で解雇撤回闘争を闘ってきた。リネン分会は闘争3年目、8時間労働を要求し「労働の奪還」をかけ闘っている。NTT労組の闘いは潰されたが、動労千葉物販で新しい仲間ができた。星野うまんちゅの会で新会員ができた。
 第三に、組織拡大で、『月刊労働運動』冒頭の読み合わせをしている。内容も変わったので機関誌を通して組織拡大する。
○南大阪 水平同盟の闘いについて提起したい。労働者の分断との闘いだ。関西生コン支部は、植木団地の闘いを一体で取り組むとなった。国鉄闘争を軸に新たな解放運動を展開していることが関西生コン支部をとらえたのだと思う。水平同盟の闘いと共に階級的労働運動をつくっていきたい。
 同時に、非正規職撤廃闘争が重要で、部落解放闘争における中心的な闘いだ。共に闘おう。
○福島 3・11福島原発事故から5年、放射能数値が20μSV(マイクロシーベルト)もある地域へ帰還が強制されようとしている。JRが先頭で常磐線全線開通をやろうとしている。動労水戸の被曝労働拒否と福島共同診療所の闘いは重要だ。
 福島では昨年、スパイ化攻撃との闘いに勝利した。過激派キャンペーンと闘っている。
 「A2―B―C」の上映会は福島の現実を伝える重要な取り組みだ。福島の現実は戦時下にあり、必ず人民の反乱が起きる。避難者は5万人以上いるが、住宅提供打ち切り攻撃が始まっている。福島医師会の会長や日本共産党の医師などが「大丈夫」だと主張。党派闘争だ。
 3・11福島闘争へ結集を!
○秋田 第一に、体制内との闘いについて。動労千葉が分割・民営化ストに決起し、初めて階級的労働運動が登場した。自分も今まで体制内的あり方だった。青年と付き合いマルクス主義や人間労働を取り戻すことが問われた。非正規問題のとらえ返しはマルクス主義にある。
 第二に、新しいJRに対する署名運動について。2・14各地の国鉄集会は重要だ。国労が4つ、全動労が1つ、そして動労千葉の解雇撤回を求める訴訟が行われきた。動労千葉が井手文書で切り開いた地平は画期的だ。不採用基準が24年経って初めて明らかになった。本州は1万人定員割れになったのに、不採用基準で100人がクビになった。福島の労働組合を20か所以上回ったが、JRへ解雇撤回署名やるという提起は本当に反応がよくいけそうだと思った。10万以上署名を集めたい。
 第三に、動労水戸支援共闘に加入者を増やしてほしい。福島では来年3月で住宅保障を打ち切ると言っている。帰還攻撃だ。常磐線沿線の原ノ町は誰も住んでいないが、JRは全線開通しようとしている。今年から来年が決戦だ。運転士も車掌も戻される。福島の決戦であり労働運動の決戦だ。3・21動労水戸支援共闘結成1周年集会に結集を。
○星野(常任運営委員) 郵政の元旦ビラに対して反応があった。郵政職場では6割が非正規職になっている。職場では班長、副班長、さらにJP労組が労働者をいじめている。この過程で郵政非正規ユニオンに結集してきた青年もいる。今、JP労組はJP資本そのものだ。「労働の奪還」が提起されたが、本当にその通りだ。労働者がストライキをやれる労働組合をつくりたいと思っている。

【2日目の討論】
○鈴木達夫弁護士 まずうれしい報告です。弁護士会の会長選挙で、高山俊吉弁護士が5000票を獲得した。かつてドイツでは弁護士がナチスの側に立った。小ブルがファシストになる。「3・11」、戦争法強行採決などを経て労働者の意識は一変した。階級移行する弁護士が生まれている。
 対立した候補者は、安倍政権の政務調査会長の稲田朋美に献金していた人物だが、共産党系もこの候補を支持した。
 7月参議院決戦を改憲阻止決戦として闘う。日弁連を反戦の拠点にするためにも取り組んでいく。9条2項問題にこだわったり、「立憲主義」にこだわる人たちもいるがインチキだ。安倍政権は、緊急事態条項を改憲の突破口にしようとしているが、これこそ改憲の本丸決戦だ。7月参議院選決戦をきちんと闘えばいくと思う。「改革」という言葉に騙されてはいけない。参議院選で労働組合を軸に新しい労働者の党をつくろう。
○教労 神奈川 安倍の教育再生攻撃、戦争、子どもの貧困は教育労働者の意識を揺り動かしている。子どもの貧困は親の貧困だ。生徒100人の学校に勤務しているが、就学援助を受けている生徒が4分の1いる。1人親家庭が2割いる。親の貧困は非正規問題だ。体制内はこの問題を労働組合の問題にしない。そこをひっくり返さなくてはいけない。組織化する。
 昨年、教労部会は、国際連帯の大きな地平を切り開いた。
 米UTLAは公立学校の民営化と闘い1000名以上組織している。韓国民主労総はパククネの国定教科書と闘っている。
 16年役員選挙にむけて委員長と書記長で立候補する。青年の決起も起きている。動労神奈川の青年と団結して闘っていく。
○九州 2・14動労総連合・九州結成大会を行う。結成に当って「家族をとるのか、青年をとるのか」を論議した。私は「青年をとる」と話して、相手も決断してくれた。人生をかけて国鉄決戦を闘ってきた。時代が変わり、世の中を変えていく方針が持てた。自分たちの組合をつくり新たな出発点にしたい。
 1週間、連続街宣を行った。青年の獲得で次の世代をつくっていきたい。
○関西・自治体 田中委員長から、闘いは今までの延長線上にはないと提起された。関西のあらゆる勢力が我々に向かっている。八尾北でも攻防になっている。我々の路線を1ミリも曲げたら前に進めないと掴んだ。
 どう闘うのか。地域と産別で、路線と戦術を真剣に論議する。
 奈良市従では、職場に交流センター派は1人だったが、民営化絶対反対で闘っていた。「なぜそんなに頑張れるのか」と次々獲得した。下水道民営化反対で激しい党派闘争をやって組織拡大した。課題は総非正規職化との闘いだ。民間委託を認めたら首になる。資本の攻撃の核心は総非正規職化だ。学習会で、非正規の労働者が団結の中に生き闘うと決断した。
 舞鶴市職労の闘いは、日本共産党との闘いだった。高浜原発再稼動に対して、彼らは「反原発闘争は労働組合ではできない」と再稼動をのんだ。被曝労働を強制されるのは自治体労働者だ。青年が共産党と決別して決起した。動労水戸の石井委員長を招いた学習会に執行委員数人が参加した。激しい党派闘争の中に組織拡大の展望がある。
 自治労本部と対決する時が来た。具体的闘いで労働者を組織し、非正規職労働者を組織して、本当に闘う労働組合を作る。必ず闘う労働組合の拠点を作る。
○泉州 昨日、今日の提起で決意が固まった。時代認識が重要だと思った。民主労総のゼネストと連帯し我々のゼネストをやることが待ったなしだ。合同・一般労組全国協は、全国で国鉄闘争を軸に闘い、スト権を立ててストを打ち闘っている。安倍政権の総非正規職化攻撃は、労働者を団結させない、戦争攻撃としてある。「労働の奪還」で自らの体制内を打ち破り、非正規職の団結をつくる。
 泉州ではサンボー分会で、昨年3月の事業閉鎖・全員解雇、組合つぶし攻撃と闘っている。ある組合で建交労から合流が始まった。労働者が主人公の社会にむけ16春闘をストで闘う。
○福岡 街宣で5千円カンパした人もいて国鉄闘争は終わっていないと確信している。レイバーユニオン10周年大会を開いた。運輸労働者と韓国に行き15万決起に感動した。合同労組では、うどん店でパワハラがあり、団交し4月復職をめざしている。国保では2018年県に移管しようとしている。国保の赤字は非正規職化の結果であり、社会保険制度が崩壊している。後2年間で20人が辞めるが退職不補充だ。残業代も出せないから残業するなと言う。職場を組織化していきたい。
○千葉 動労総連合と合同労組を両輪で闘っていく。柏市役所で霊柩車の運転手をしているが、葬式もできない人が多くなった。火葬場も民間委託になり、低賃金で働いている。団結の力を取り戻し、ゼネストのできる交流センターを組織する。
 第一は、動労千葉と一体で、介護職場に労働組合を結成した。自治体では、ユニオン習志野を結成した。医療の闘いも前進している。第二は、労組交流センターの拠点をつくる取り組みで、職場交流会や動労千葉労働学校への参加を積極的にやっている。『月刊労働運動』も活用している。組織拡大していきたい。第三は、職場実態をつかむ取り組みだ。ユニオン習志野は結成から半年間で、毎月何回も組合員が集まり、全組合員が頑張っている。動労千葉と共に仲間を作り拠点建設する。
○北陸B 郵政職場では、マイナンバーの誤配で騒れたが、100通の書留を配達させられた。JP労組が資本と一体になって、労働者を分断している。2・28国鉄集会をやり、動労総連合・北陸を結成する。動労総連合は、青年の生きる道、労働者が社会の主人公になる組合づくりだ。そのために成功させたい。職場で正社員になったら給料が減額になる。資本と一体の組合の現実を変えていきたい。
○兵庫 保育職場で働いている。民営化との闘いが重要だ。自分が職場で闘い、仲間と議論して、また職場で闘い団結をつくっていきたい。
○徳島 JR四国は経営が破綻していて、ワンマン化されている。大晦日に徳島と香川間で、脱線事故が起きた。列車も駅もワンマン化した結果、復旧も遅れた。2・14国鉄・春闘集会、7月参議院選にむけて闘う。動労総連合・四国の結成にむけ青年の組織化に取り組む。
 星野文昭さんを奪還する闘いで2・19集団面会など取り組む。「労働の奪還」が重要で、マルクス主義の力で労働者の団結を取り戻していきたい。
○宮城 国鉄闘争を軸に、組織拡大に取り組んでいる。動労総連合建設は、正規・非正規の分断を打ち破る闘いであり、青年を獲得する闘いだ。2・14東北の国鉄集会を成功させたい。
 全金本山が青年の獲得にむけて1月ストライキに決起した。
 仙台市職には、1000人の労働者がいるが、正規・非正規に分断されている。非正規職撤廃にむけ16春闘を闘いたい。
○茨城 動労水戸、合同労組、常南交通など闘いが前進している。『月刊労働運動』も茨城は50部定期購読している。例えば鈴コン共闘会議の花輪さんの人生をインタビューする企画などしてほしい。組織拡大していく。
○北摂 高槻医療福祉労組の闘いを、「労働の奪還」「職場闘争の復権」という階級的団結論の深化として掴んだことを提起したい。経営危機を口実に配転や非正規職化攻撃がかけられた。
 介護職場で入浴回数が増え格闘している青年と、「労働の奪還」で労働者の誇りを奪還する職場闘争だと論議、階級的団結をつくる職場闘争が始まった。
 全逓では、昼休みに仕事をしていることをめぐって職場でやりあいになり、うつ病になった仲間がいた。新一般職では労働者が殺されていく。階級的労働運動の中でこそ正規・非正規の分断を打ち破っていける。
○愛媛 愛媛県職労が伊方原発再稼動反対で決起した。11月労働者集会には8人で参加してビラを配布し、突き抜けた。原子力総合訓練は再稼動のための訓練だと反対行動を行い、マスコミも取材に来た。
 全逓では、金融、営業ノルマなどで分断されている。非正規の青年が「雇用形態が違うから低賃金でも仕方ない」と言う。
○女性部 ある職場で女性労働者の決起が始まった。看護師の決起も始まった。女性は、資本との団交や闘いで労働者としての自覚や決起が始まっている。3・8国際婦人デーを婦民と一緒に闘う。合同労組も強化する。
○八尾北 八尾北労組は能力主義との闘いに取り組んでいる。新たな常勤医師の獲得にむけた攻防を行っている。青年が執行部に入って闘おうとしている。
更地化との攻防も激しい。地域丸ごと組織化して闘う。
○全国協 鈴コンは佐藤組合員の解雇攻撃との闘いに入った。
 部落解放闘争では4大産別に狭山闘争を持ち込んで闘う。
 動労総連合・東京結成にむけ駅にビラ入れもやっているが、合同・一般労組全国協も共に闘う。参院選と一体で合同労組の拠点建設に取り組む。
○大阪 11月市長選をめぐって「維新を落とすために自民党をなぜ応援しないのか」という意見と激突した。「労働者の党をつくろう」と提起することが必要だ。2・26に地区で国鉄集会をやる。動労西日本の青年も格闘しているが、職場にもう一人の仲間をつくることが展望を生み出す。「労働の奪還」はあらゆる問題で議論し、団結で返すことだ。いかに非正規を守るかではなく、非正規職撤廃で闘うかだ。団結を拡大して闘う。
=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*
★辻川慎一代表のまとめ
 「労働の奪還」とは、マルクス主義を奪還することだ。これは、自分が勉強して出したことではなく、動労水戸の青年やいわきユニオンの労働者の決起から学んだ内容だ。「労働者を守る」ではなく、労働者は、資本との闘いを通して自らの労働者としての存在と闘いに誇りを持ち、主体的に決起する存在だ。組合員一人ひとりが主体だ。仲間と共に労働を奪還するのだ。
 いわきでは原発労働者の本格的決起が始まった。3・11福島原発事故以来、被曝労働拒否を闘い、原発労働者と共に闘い、どんな反動があっても打倒されないものを作り出してきた。人生をかけた決断をしていることに対して、血を流しても共に闘う。本気のオルグが本気の決起を生み出す。2016年を全国労組交流センターがゼネストをやれる組織へと飛躍するために共に闘おう!
=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*
田中康宏代表の提起
▼組織拡大に全力をあげよう
 第一に、この総会で、組織拡大を実現しようと訴えたい。
 動労千葉の指導部は組織拡大へ全力あげると決断している。 それが可能だといえるのは、何より昨年までにCTS(千葉鉄道サービス)から14人の仲間が動労千葉に結集したからだ。
 そして民主労総の闘いから学んだからだ。民主労総は、昨年の春過程では、右も左も「ゼネストは無理だ」と批判的だった。しかし、ハンサンギュン委員長を先頭に指導部は、「ゼネストをやってパククネ政権と闘うと公約を掲げて選挙で当選した以上、退くことはできない」とゼネスト方針を貫き、労働者の未来と命のかかった課題だと提起して全体を獲得していった。
 春の段階では、「公務員の年金改悪、賃金ピーク制反対」の闘いから開始した。当時は、何が焦点かは不明だった。しかしゼネスト方針を貫き、ハンサンギュン委員長に逮捕令状が出される中で、労働法全面改悪が焦点であることが明らかになった。パククネ政権は、行政通達で解雇自由を強行したり、賃金ピーク制導入で深夜手当を廃止し、雇用延長の代わりに総非正規職化をやろうとしていた。
 4月のゼネストにむけた集会で、現代自動車労組が戦列から離脱する中で、農民や棄民、学生が合流してきた。しかし、12月には現代自動車労組は先頭でゼネストに決起した。
 民主労総の執行部は、組合内部を変え社会全体を変えた。ハンサンギュン委員長への逮捕攻撃に対して僧侶が警察権力から防衛した。労働法制大改悪反対に社会全体が丸ごと決起した。
 何が対立しているのか。資本と賃労働との関係が対立している本質が見えてきたのだ。闘いだけが本質を明るみに出す。民主労総ゼネストを見ていて、マルクス主義が全てを変革すると確信を持った。
 今、日本に70万人の階級的労働運動を行うナショナルセンターはない。だからこそ無数の職場の中に小さな火をつけていくこと、そして全国労組交流センターがその全体を率いていくことが課題になっている。

▼国鉄闘争で勝負しよう
 第二に、国鉄闘争について訴えたい。
 昨年6月30日最高裁決定が出て、12月に国鉄闘争全国運動の呼びかけ人会議をもった。そして、国鉄闘争はいよいよこれからだと確認した。2016年は新しい段階の国鉄闘争を作り出す。10年6月からの国鉄闘争全国運動は5年の闘いで韓国鉄道労組との共闘にまで進んだ。
 最高裁決定は、不採用基準が不当労働行為意思の下に作成され、指示したのがJR設立委員会委員長であり、国鉄改革法23条5項でJRの法的責任は明確になった。今までは不本意だが鉄道運輸機構との争いだったが、ついにJRとの闘いをこじ開けた。いよいよ本丸との闘いに入った。核心は、国鉄改革法は打ち破れるということだ。JRに解雇撤回を求める闘いを始める。
 この闘いは、時代との関係が重要で我々は今までと違う歴史の中に入っている。昨年9月に労働者派遣法の改悪が強行された。これは1985年以来、国鉄分割・民営化以来の社会の大転換を意味する。だからこそ国鉄闘争の旗を降ろすことはあり得ない。
 労働者派遣法の常用雇用代替禁止の規定をはずした。これは正社員ゼロ法だ。そして労働時間規制をなくそうとしている。労働法制改悪反対の運動を一つの運動として闘いを作り出していく。それが国鉄闘争だ。
 安倍政権も経団連も「同一労働同一賃金」と打ち出し、均等待遇を均衡待遇と言い換えて非正規職を拡大しようとしている。今2000万人も非正規職がいる。安倍は低年金者に3万円を支給するなど、社会が崩壊していることが明らかになっている。
 労働者の労働を取り戻す時が来ている。労働運動が力を持つことだ。2・14国鉄集会から始めたい。
 国鉄分割・民営化との闘いは、不可能なことをやったわけではない。国家をあげた攻撃に対しても闘いの方針を明確にして、本気になってオルグすれば闘いは組織できる。
 動労千葉の闘いから学んでほしいことは、40人の解雇者を出しながら労働組合の団結を崩さずに30年間闘いぬいたことだ。「闘いをやり過ぎだ」という意見も出なかったし、「組合で面倒を見てくれ」という人も一人もいなかった。誰一人逃げなかった。
 2000年シニア制度との闘いの時も、33人が再雇用されずにクビになった。でも真剣に本気でやったらできる。外注化阻止闘争の16年間見ていてくれ、CTSから14人が動労千葉に結集してくれた。
 労働者階級が動き始めている。時代が変わり始めている。
 3・11福島、動労水戸の被曝労働拒否の闘いは歴史的な転換点になる闘いだ。チェルノブイリも5年目で被曝問題が重大問題になった。フクシマも5年目だ。
 新自由主義下で、全面外注化、非正規職化が今までとは違う段階に入っている。そして勝負できるところに来た。
 今こそマルクス主義を復権し、労働運動のリーダーをつくりだしていこう。動労千葉労働学校は全国労組交流センターの中央労働学校でもある。今年で15年目になる。全国の労働学校をつくろう。労働組合運動のリーダーを生み出すための労働学校であり大いに活用してもらいたい。
=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*
全国労組交流センター第23回定期全国総会の総括
 2月6~7日、東京都内において全国労働組合交流センター第23回定期全国総会を開催し、大きな転換と飛躍をかけて「ゼネストを組織する労組交流センターへ」と打ち出しました。現在の組織現状からすれば、大変な飛躍ですが、真剣な討論が始まったと思います。
〈職場で闘う原点にかえろう〉
 ゼネストとは、労働者自身が社会の生産を止め、労働者の権力を打ち立てることそれ自体が持っている歴史的意義と共に、それを成し遂げる過程や闘いの中で、労働者ひとりひとりが本来持っている力に目覚め、自らを歴史と社会の主人公として打ち立てていくことに核心があります。労働者は仲間と共に闘うことで、自分だけの狭い利害を超えて、他者のために、子や孫の世代の未来のために、あらゆる制動を打ち破って闘うことができる存在です。
 労働者は本来、労働を通じて共同性を育み、社会をつくりだす存在です。どんな労働者も世の中のためになるすばらしい仕事を担い、その仕事を通して仲間をつくり、学びあい、世界とつながります。しかし、資本主義社会においては、この社会的にしか成立しない労働を資本家が私的に収奪し、職場では労働者は限りなく分断され、個人の資質や能力が問題にされています。これを極限的に推し進めたのが国鉄分割・民営化を出発点とする新自由主義です。新自由主義は人間を人間たらしめている労働を極限まで低め、誇りを奪い、労働者の存在を軽んじることでしか成り立ちません。
 しかし、このことの中に、労働者の、人間としての根底的怒りがあります。外注化・総非正規職化を軸に、解雇自由、被曝労働、戦争へとつながる、資本家による「人間労働と共同性の破壊」に対して、私たちは、労働を資本家の手から奪い返すことを労働運動の核心に据えることで、労働者の誇りと団結を甦らせ、そのことをもって資本主義社会を終わらせ、人間が人間らしく生きていける社会をつくり出していくことが出来るのだとつかみました。
 これは、労働者を哀れな救済の対象としか見ない体制内労働運動との根本的決別でもあります。国鉄分割・民営化に反対して解雇された労働者の闘いを、目先のはした金で売り渡した「4・9政治和解」こそが体制内労働運動の必然的帰結です。
 これに対し、国鉄分割・民営化に40名の解雇者を出しながら2波のストライキで立ち向かった動労千葉の闘いは、労働と人間的誇りの奪還をかけた資本との「絶対反対」の闘いでした。動労千葉が切り開いた歴史的地平は、2波のストライキの直接の成果以上に、その後、30年に渡って組合員の固い団結が守られ、新たな労働者の決起を生み出していることにあります。闘いを通して、労働者が自らの力に目覚めて仲間と共に立ち上がること、これが私たちが職場で実践する階級的労働運動の核心です。
〈組織拡大の一点にかけて〉
 この「労働の奪還」論を打ち立てることで、特に、連合傘下の労働組合で、労働者の決起を体制内的に押さえつける組合執行部のもとで踏ん張って闘い抜いている、郵政や自治体、教育労働者の気持ちとひとつになったと感じています。彼らは、心の底からストライキを熱望しています。資本・当局との闘いを開始した非正規の青年たちと団結したいという格闘から生み出された方針です。ストライキとは、単なる戦術ではなく、人間が人間として生きるための労働を資本から奪い返し、人間的共同性を、資本とそれに連なる体制内組合執行部から奪い返す闘いです。そこに拠点建設があり、正規・非正規という分断をこえて、労働者が階級的に団結する鮮明な道筋を見出すことができました。
 「動労総連合を全国に」の闘いは、仲間と共に自分を歴史と社会の主人公として打ち立てる労働組合を全国、全産別につくり出し、日本において韓国のようなゼネストを実現するための私たちの歴史的挑戦です。
 昨年の労働者派遣法の抜本改悪を突破口に、安倍政権は労働法制の大改悪、労働者の総非正規職化攻撃に全面的に打って出ようとしています。国鉄分割・民営化以来の、労働者と資本家の力関係を大転換させる攻撃であり、文字通り、労働者からすべてを奪おうとする攻撃です。しかし、生きていけない現実は、膨大な労働者人民をこの社会の本質に気付かせ、闘いに立ち上がらせています。だからこそ、国鉄闘争で怒りをひとつにし、組織拡大の一点にかけて闘うことです。
 2016年は、労働者階級が、奪われてきたすべてを奪い返す闘いの始まりです。共に闘いましょう。