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ひめじょおん――女性部から許せない! 「学童クラブの育成時間延長」攻撃

月刊『労働運動』34頁(0312号12/01)(2016/03/01)

ひめじょおん――女性部から
許せない! 「学童クラブの育成時間延長」攻撃

大谷 京子(東京都北区職員労働組合)

 昨年統一地方選で話題になった地方議員の一人に、東京都北区議会でトップ当選した「筆談ホステス」の女性がいます。「日本を元気にする会」公認候補で、「すべての学童クラブを19時まで延長」と公約を掲げていました。これが発端で今、学童クラブの現場には悪辣な攻撃がかけられています。
 昨年9月、区当局は「育成時間拡大」、すべての学童クラブを2016年4月から19時までとする提案を出してきました。組合あての文書で当局は「指定管理や委託の学童クラブは19時までなのに、直営は18時までなのが問題」と、公務員と民間の労働者同士を分断しています。「延長を飲めないなら民間委託」と公務員労働者を追いつめる攻撃です。さらに「育成時間の拡大は多くの利用者が望んでいる」と、保護者と労働者の利害を対立させています。利用者が望んでいるんじゃない! 望んでいるのは、労働者を安く長く働かせたい「資本」だ!
 北区職労児童館部会は粘り強く交渉を続けましたが、「全ての学童クラブで実施は2017年4月から。今年は1つの学校に2か所以上のクラブがあるところのみ」となりそうだとのこと。当該の多くは女性労働者で、子育てしたり、親の介護を抱えていたり、終業時間が1時間遅くなるなど絶対に許せないはず。私は「公務員攻撃は資本による労働者全体の労働条件を悪化させるイデオロギー攻撃だ!公務員労働者こそ労働者階級全体の利害をかけて自分の職場と労働条件を守り抜こう!」というビラを委託化された学童クラブを含め全職場に送付しました。それ以上はできていません。
 2・14国鉄集会に参加して、動労千葉・動労総連合の闘いのすごさ、素晴らしさに、心を揺さぶられる思いでした。30年前の国鉄バッシングの中「こんな攻撃を許したら大変なことになる」とクビをかけて絶対反対の闘いに起ち上がった労働者が、30年かけて「国家的不当労働行為だった」と最高裁に認めさせたのです。「正義が勝つ」のは物語の中だけと労働者は思い込まされてきたけれど、仲間の団結に依拠し諦めとの闘いに負けなければ、本当に勝てるんだ!
 今、自治体職場は、30年前の国鉄と同じ状況です。国鉄や郵政のように大々的ではなく一地方自治体の小さな問題ととらえがちですが、一つひとつの攻撃は資本と労働者の倒すか倒されるかの激突なのです。
 4月1日、学童クラブには、前日まで保育園に通っていた新一年生が朝8時に来ます。夜7時まで、長い長い時間を過ごす子どもたちを見守る仕事は「体制がなければできない」「ケガをさせちゃいけないのが一番心配」と話す当該...。筆談ホステスがなんだ! 
 当局は現場労働者の声こそ聞くべきじゃないか。執行部も「組合ニュースに載せると議会で全部延長にされるから」と労働者の誇りを無視した姿勢です。
 新しい国鉄署名は「こうやって闘えば勝てる」展望を示せるし、「敵の攻撃の本質」が「労働組合つぶし」だと明らかにできるし、学童や児童館職場にぴったりです。さあ「動労総連合を自分の職場に」...の闘いに打って出なくては!