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闘う合同一般労組 群馬・中央タクシー分会がスト貫徹

月刊『労働運動』34頁(0313号10/01)(2016/04/01)


闘う合同一般労組 3・20群馬・中央タクシー分会がストライキ貫徹!
賃上げ、長時間労働是正など6項目の要求を突きつけた!

清水 彰二(群馬合同労働組合書記長)
 3月20日、群馬合同労組中央タクシー分会(3人)は、春闘として中央タクシー群馬営業所(藤岡市)にて24時間ストライキを貫徹した。
 乗務予定表が出る3日前の3月17日に、会社にストライキ通告書を突きつけた。要求項目は、①賃金を上げろ、②分会長を乗務に戻せ、③不当な給与減額を即時撤回せよ、④長時間労働を是正せよ、⑤労働時間管理(タイムカードの設置)を徹底しろ、⑥WAX等業務上必要な備品を支給しろ、の6項目。いずれもこれまで4回の団体交渉の中で、会社は全くの開き直りを決め込んでいる。
3月20日午前8時30分突入、24時間のストライキだ。
 20日スト当日、朝7時過ぎに分会長が営業所に出向く。分会ができるまでパワハラで多くの仲間を追い出したS運行管理者がいる。分会長の姿を見るやビックリして業務の運転手をそそくさと送り出し、何とあわてて事務所のカギをかけて、逃げてしまった。その後、8時30分からのストライキ突入を共に闘おうと、続々と群馬合同労組の組合員がかけつける。
 分会長が、紙にマジックで「ストライキ決行中」と書いて営業所の玄関にテープで貼った。組合員が「もっといいのがあるよ」と言って、ボードや横断幕を持ち出す。あっという間に、営業所は「ストライキ決行中」の文字で埋め尽くされる。そして営業所敷地で、堂々とストライキ突入集会。逃げ出した会社と、結集する組合員、すでに勝負はついている。解放感と団結あふれるスト突入集会を勝ち取り、シュプレヒコールをあげた。通行する人や車両から圧倒的な注目をあびる。
 午前10時から高崎市総合福祉センターにて、「中央タクシー分会スト貫徹・春闘集会」が開かれた。20人が結集。冒頭、動労千葉の3・11春闘第1波ストの動画が流される。
 中央タクシー分会から発言を受ける。「労働者をめぐるひどい状況。立ち上がってよかった。一人ではないことが支え。会社は就業規則を改定して短時間正社員というのを導入しようとしている。許せない」(分会長)。「労働組合なんてどうしようもないものと思っていた。今は闘うのが生きがい。社長を打倒して、それからもずっと闘っていきたい」(S分会書記長)。「裁判がおもしろくなっている。ウソをつかなければ真実は必ず勝つ。職場でも力関係がひっくり返った。労働環境改善、絶対にやらなければならない」(T副分会長)。
 群馬合同労組書記長の私が基調を提起。「国鉄闘争の前進あってこその中央タクシーの闘い。一体の闘いとして勝利しよう。軽井沢スキーバス事故は、ドライバーには一切責任はない。彼の無念を晴らさなければいけない。闘う労働組合が力ある存在として登場しなければならない。この1年あまりで15件前後の闘いをやってきた。すべて勝ってきた。労働者の団結の力はすごい。労働者の力で戦争をとめよう」
 参加者全員から発言を受ける。一人ひとりが熱い思いで参加していることが伝わる。遠く千葉から参加してくれた方もいて、感激する。
 12時からいよいよデモ。昨年11月8日の藤岡市内デモと同じように、今回も先頭は「ストライキ決行中!群馬合同労組中央タクシー分会」の横断幕。これを分会の3人の仲間が掲げる。3人とも制服のスーツ姿だ。人数は20人だが、すごい熱気と迫力。先頭の3人が気迫のこもった顔で、終始大声を張り上げる。
 デモは、集会会場の隣の公園から高崎駅西口までの2㌔ちょっとのコース。スタートすると、すぐに目の前に現れたのが中曽根康弘記念館・青雲塾会館。当時の総理大臣として、政治生命をかけて国鉄分割・民営化を強行した、憎むべき日本帝国主義中枢そのものの中曽根康弘。中曽根家が材木業で山林農家と労働者の双方から強搾取して得た一万坪の敷地の一画に建てたのが青雲塾だ。デモ隊の力が入る。「国鉄分割・民営化を許さないぞ!」「1047名の解雇を撤回しろ!」「中曽根康弘は責任を取れ!」「中曽根康弘を許さないぞ!」「動労千葉と共に闘うぞ!」「群馬合同労組は闘うぞ!」「ストライキで闘うぞ!」。
 デモは、市街地のバス通りを力強く進む。バスも多い。「会社は労働基準法を守れ!」「生きていける賃金をよこせ!」「ストライキを貫徹するぞ!」「労働者は奴隷じゃないぞ!」「労働者は命のために立ち上がろう!」「生活のために立ち上がろう!」「群馬合同労組に入って闘おう!」、力強いシュプレヒコールが鳴り響く。「ストライキ決行中!」の横断幕、ボードに圧倒的な注目が集まる。通りに出てきて手をふってくれる人もいた。解散地点の高崎駅でも大きな注目だ。記念写真を撮って、中央タクシー分会長の音頭で「団結がんばろー」と声をあげて終了。
 その後は、群馬合同労組の事務所にて、ナベを囲んで、団結交流会。フェイスブックやブログを見て、群馬合同労組と中央タクシー分会の闘いに感激した九州の仲間が送ってくれたおいしい日本酒もふるまわれた。
 翌21日朝8時30分、ストライキ終結を会社に通告し、分会長は9時からの通常業務に入る。群馬合同労組書記長はじめ4人で激励行動。宣伝カーで乗り付ける。分会長が通告に行こうとしたら、営業所長があわてて車で飛び出していく。「忘れ物をしたから」と飛びだしていったらしい。そして残っていた昨日と同じS運行管理者は、通告を受けると同時にまたもや脱兎のごとく、車で出て行ってしまう。勝利の日は近い。
※ユーチューブに動画をアップしました。「3・20群馬合同労組春闘高崎デモ 」で検索して見てください。