月刊労働運動-Home> 特集 >

国鉄闘争全国運動6・5集会の総括 階級的労働運動で11・6集会へ

月刊『労働運動』34頁(0316号02/02)(2016/07/01)


国鉄闘争全国運動6・5集会の総括
戦争と労働法制改悪を許さず、国鉄闘争を軸に階級的労働運動を作り出し11・6労働者集会へ

(写真 壇上で発言する全国の動労総連合)


 国鉄闘争全国運動は6月5日、東京・江戸川区総合文化センターで全国集会を開催しました。全国から1626人が集まり、国鉄1047名解雇撤回闘争と国鉄闘争全国運動の新たな闘いの出発点をつくりだした集会となったと思います。
 国鉄闘争の絞殺を狙った2010年の政治和解に抗してスタートした国鉄闘争全国運動は、昨年6月の最高裁決定によって「JRに法的責任あり」をJR資本に直接突き付ける闘争段階に到達しました。国鉄闘争全国運動と動労千葉の6年間の闘いは、最高裁に不当労働行為を明確に認めさせ、国鉄改革法に決定的打撃を与える地平を打ち立てました。
 この到達地平の上にあらためて国鉄闘争を継続・発展させることが6・5集会の獲得目標でしたが、より積極的に言えば、今日の情勢に対応して国鉄闘争に新たな生命力を吹き込み、階級情勢を転換する可能性を切り開くことでした。
 「改憲と戦争は国鉄分割・民営化から始まった。戦後労働法制の抜本的な解体攻撃は国鉄分割・民営化の直接の継続」「歴史は回りめぐって決戦がきた。この時代だからこそ国鉄分割・民営化反対闘争を断固として継続しなければならない」「(国鉄闘争を闘い抜き)私たちの手で日本の労働運動を甦らせた時、必ず日本の労働者は闘いに立ち上がる」(動労千葉・田中康宏委員長)
 「この情勢をつくりだしたのは国鉄闘争全国運動」(港合同・木下浩平執行委員)、「国鉄闘争は、3労組の11月労働者集会にその精神が引き継がれている」(関生支部・平山正行執行委員)、「われわれは職場と労働を取り戻すことができる。国鉄・JR・国家による不当労働行為を司法権力にさえ認めさせた国鉄1047名解雇撤回闘争を私たちは持っている」(国鉄闘争全国運動呼びかけ人・伊藤晃さん)
 ――こうした訴えが確認され、全体として「国鉄闘争でもう一勝負しよう」という機運が高まった集会となりました。
 高知短期大学名誉教授の芹澤壽良さんは、安倍政権の労働法制の抜本的改悪に対する強い警鐘を鳴らすと同時に、労働法制改悪との闘いこそは、労働者階級の魂を揺さぶるテーマであり、広範な労組の共同と統一を可能にすることを訴えると共に、そこにおける国鉄闘争や動労千葉の闘いの意義を語って下さいました。
 さらには、化学総連の連合脱退や金属労協の動向など、連合をめぐる流動・再編情勢が確認されました。安倍政権は、第2次政権発足当初、連合の古賀会長とのトップ会談を拒絶し、逆に財界を加えた政労使会談に連合をはめ込み、官製春闘やUAゼンセン会長との極秘会談、櫻井よしこらに連合分裂を扇動させてきました。こうした攻撃が新段階に入っています。きわめて反動的な攻撃であると同時に、労働者支配の決定的危機を醸成するものであり、連合をめぐる大流動情勢が迫っていることを示しています。
 国鉄闘争を闘う私たちは、これを労働運動再生に転化する可能性を見いだす情勢としてとらえなければなりません。労働法制や連合をめぐり、改めて国鉄闘争を基軸に労働運動の再生をめざす戦略的な課題とその可能性をつかみとった集会でした。必ず現場からの闘いの狼の ろし煙があがる。その全国化は可能である。集会における4団体の訴えや、国鉄闘争の訴え、決意表明などで示された全国の闘いが、こうした認識にリアリティを与えました。
 1047名解雇撤回闘争では、85~86年のストライキによる公労法被解雇者も登壇していただき、30年間の闘いを超えて闘い抜く決意を示しました。やはり、被解雇者の存在は、動労千葉―動労総連合の団結のかなめであり、同時に現場組合員が職場生産点で闘い抜いてきた地平そのものです。さらには1047名解雇撤回闘争は全国の労働組合・労働者を団結させ、激励する存在であることも示しました。
 国鉄闘争を先頭に階級的労働運動を職場・地域からつくりだし、労働法制解体や改憲と闘い抜くことが国鉄闘争全国運動の方向性です。そして、これを組織的な前進に転じていくことが課題です。現場からの闘いを構築し、地域・職場に国鉄闘争全国運動の運動体と会員拡大を実現しよう。夏秋を全力で闘い抜き、11・6労働者集会の大結集をかちとろう。
 白井徹哉(国鉄闘争全国運動事務局長)