月刊労働運動-Home> レポート > | 記事 >

満腔の怒り、沖縄の空に轟く!6・19沖縄県民大会

月刊『労働運動』34頁(0316号06/01)(2016/07/01)


満腔の怒りが、梅雨明けの沖縄の空に轟く!
6・19 沖縄県民大会に6万5千人結集!


 6月19日、「元海兵隊員による残虐な蛮行を糾弾! 被害者を追悼し、海兵隊の撤退を求める県民大会」が那覇市奥おう武の山やま公園陸上競技場で開催され、6万5千人が集まりました。
 メイン会場の奥武山陸上競技場グラウンドでは人が入りきれず、多くの人が会場の外で県民大会へ参加しました。
 元米海兵隊軍属による女性暴行殺害事件が県民に与えた衝撃は計り知れません。72年のペテン的復帰から44年。なおも続く基地犯罪におびえながら暮らし続けなければいけない怒りが噴き上がっていました。
 午前10時、暑い日差しの下に結集した沖縄労組交流センターの仲間と、この日、九州から応援に駆けつけた仲間とともに「沖縄全島ゼネストへ」と訴える『前進』を持ち1万部を配布しました。吸い込まれるように受け取られた『前進』は県民大会開始の30分前には、すべて渡し終えるなど、人々の関心の高さを物語ってました。
 いつになくビラに対する反応がよく、ビラを集めて回っていた方が、「中核派がいないので探し回っていた。ここにいたのか」と『前進』を受け取りました。なかにはこんな激励も浴びました「中核派だな。革マルが前の方でビラを撒いてたぞ、負けてんじゃねえ。頑張れ!」など、これまで絶対反対を貫いてきた私たちの闘いが、このような反響を生み出していると実感しました。
 参加者の多くが青年・女性・若い親子連れで、今回の大会の特筆する点です。もちろん、お年寄りの方の参加も多く、全世代の怒りが糾合した県民大会となりました。
 午後2時、最初に参加者全員で1分間の黙祷を捧げて大会が開始され、続けて被害者女性の父親のメッセージが代読されました。「米軍人、軍属による事件、事故が多い中、私の娘も被害者の一人となりました。次の被害者を出さないためにも全基地撤去、辺野古新基地建設に反対を。沖縄県民、名護市民が団結すれば出来る」と訴えました。
 主催者の共同あいさつでは、県内の学生や女性団体の代表から「基地をなくそう」の声があげられました。
 最後に決議案が採択され、「怒りは限界を超えた」のプラカードを掲げ大会を締めくくりました。

※これまで以上の闘争の主流派として登場!

 今回の県民大会は、開催中何度も「基地をなくそう」と声が上がりましたが、主催である「オール沖縄会議」は、「知事も参加できるように」と、直前でスローガンを「全基地撤去」から「海兵隊撤退」に引き下げ、絶対反対で闘わない姿勢を貫きました。この姿勢が、昨今の腐敗しきった「政治」に繋がっているのではないでしょうか。
 95年、少女暴行事件以降、「教科書問題」や「県内移設、県外移設」という議論にとどめ、「これ以上」の闘争にさせまいと、沖縄県民の怒りを「民主主義」の名の下に封殺させ、十数年が経ち、気がつけば非正規職が半数を超え、非正規のほとんどがダブルワーク、トリプルワークでしかまともに食っていけず、「親の貧困」=「子どもの貧困」の構造をつくりだしています。
 振興策で殺され、基地で殺され「生きていけない」現状に対して、「全島ゼネストで世の中を変えよう!」と訴え、奥武山公園から県庁前までデモ行進をした私たちが「これ以上」の闘争をする突破口であり、私たちが主流派として席巻しました。今こそ、71年ベトナム戦争時に爆撃機を飛べなくさせた、全島ゼネストの闘いをよみがえらせ、全基地撤去を実現しましょう。

※「基地」は悲劇しかうまない!

 72年の「復帰」以後、沖縄の米軍人、軍属、家族ら米軍関係者による犯罪の検挙数は、2015年末までに5896件と言われています。ですが、これらの統計は、沖縄県警が検挙した数にすぎず、実際は95年少女暴行事件の時点で、すでに7千件の基地犯罪が起きてると言われています。
 そのほとんどが闇に葬られ、事件のたびに「綱紀粛正」「再発防止に努める」などといった言葉を何度もくりかえす始末。基地が存在する限り、人間の命と尊厳を踏みにじる凶悪犯罪がなくなることはありません。
 いま一度、確認すべきことは、これまで起きた基地犯罪にはすべて「戦争」が背景にあるということです。
 今回の事件では、朝鮮侵略戦争情勢の切迫があり、米海兵隊による朝鮮半島への強襲上陸作戦を想定し、韓国軍や自衛隊との共同訓練を強化し、今まで以上に「殺人訓練」を日常化させていました。
 今回の女性殺害遺棄事件を起こした米軍属も、元海兵隊の射撃指導員でした。
 イラク・アフガニスタン戦争の中で、海兵隊を始め多くの米軍兵士が心身を破壊され、帰還兵の自殺や犯罪が激増しています。朝鮮侵略戦争の切迫はこの事態に一層拍車をかけています。
 「国民を守るために基地が必要」などとうそぶいても、所詮基地は労働者と労働者を殺し合わせるための施設であるということです。労働者同士が戦争をさせられるのであれば、それを止められるのも労働者なのです。

※絶対反対で闘う労働組合を甦らせ、戦争を絶対阻止しよう!

 一連の事件はもはや他人事で済まされないレベルにまで、新自由主義のもとで行われています。JRをはじめとする、医療・福祉の現場では、安全を無視し「外注化、人員削減、低賃金」で働かされ、ひとたび事故が起きれば、一切の責任を労働者になすりつけ、事故を起こした労働者が「凶悪殺人犯」とされる現実に対し、「絶対反対」で拒否し、闘う労働組合があれば、新自由主義政策も戦争も必ず止めることができます。
 7月参院選、東京選挙区から立候補する、鈴木たつお弁護士を先頭に「新しい労働者の政党」をつくり、「非正規職撤廃」「解雇撤回」「戦争絶対反対」「ゼネストで社会を変えよう」の旋風を巻き起こし、私たちの闘いが勝利する時代を切り開きましょう!
 高橋 徳臣(沖縄〈南部〉一般合同労組・書記長)