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闘う合同一般労組- 広島連帯ユニオン草津病院支部

月刊『労働運動』34頁(0322号08/01)(2017/01/01)


闘う合同一般労組
- 広島連帯ユニオン草津病院支部-

(写真 7・29真保書記長のストライキ)

「人事考課制度の評価2段階引き下げ規定は違法」の労働委員会命令を勝ち取った

◆人事考課制度の「評価2段階引き下げ」規定は違法!

 去る11月29日に広島県労働委員会から、広島連帯ユニオン草津病院支部書記長・真保修一さんの定年再雇用拒否事件の命令が交付されました。人事考課(評価)制度による職場の分断と組合破壊の攻撃を打ち破る勝利をかちとりました。

◆人事考課制度は組合つぶし!

 今回の広島県労働委員会命令では、人事考課表の提出拒否(人事考課制度への非協力)の組合の闘争方針により、評価2段階引き下げ=D(最低)評価に降格されたこと、さらに2度にわたる就業規則不利益変更による賞与のカット・賃金切り下げという懲罰・報復的な基本給引き下げの攻撃、そして定年時における再雇用拒否という団結破壊・組合つぶしの構造全体が、不当労働行為を構成していることを確認しました。
 県労委は、「真保さんの再雇用拒否は、不当な組合つぶしの解雇である」と認定しました。であるならば、「この確認に則って草津病院は解雇を撤回して継続雇用せよ」ということですが、広島県労委はこれを認めませんでした。
しかし、この命令によって、人事考課表提出拒否による評価の2段階引き下げ、賃金や賞与で過酷な不利益を組合員に与えて組合をつぶし、職場の団結を解体して職場支配を貫こうとした経営側の意図は、挫かれました。

◆闘いに勝つ道は、勝つまで闘うことだ

 草津病院の人事考課制度は、徹頭徹尾、組合つぶしの制度です。この規定により組合員は、「評価シート」という紙きれを提出しないだけで、賞与・賃金を大幅に減額されてきたのです。
 今回の勝利は、このような長年にわたる組合破壊に屈せず、団結を守りきり、闘い抜いている草津病院支部の闘いによって引き出されたものです。「闘いに勝つ道は、勝つまで闘うことだ」という数百万のゼネストを率いている民主労総の教訓が、草津病院支部の職場闘争においても示されました。
 これは2015年8・5~8・6ヒロシマの闘いと一体で真保解雇撤回を闘い、大邱の城西工団労組と現地で院前闘争を行うなど、国際連帯の力でもぎり取った地平でもあります。

◆職場に人事考課制度はいらない

 今回の県労委命令を受けて、組合はただちに団体交渉の開催を要求し、「労働委員会命令に従い一時金のカットをするな」と追及しました。
 人事考課制度絶対反対の闘い(考課表提出拒否)に対する組合つぶしの評価引き下げ処分をめぐる労働委命令は大きな勝利です。とりわけ安倍の「働き方改革」―小池都知事の都労連解体攻撃がかけられている中で、自治体や郵政を先頭に4大産別で評価制度との闘いが始まっている時の重要な勝利です。
 10年を超える草津病院資本との闘いの中で、不当労働行為を労働委に認めさせたことは大きな一歩です。
 その一方で、病院資本は、命令交付後の今なお、12月16日の団交において「人事考課制度が違法とされたわけではない。県労委が労働組合法の適用を誤っている不適法である」と開き直り、再雇用を認めない、人事考課制度を変えないと強弁しています。この点で、国鉄1047名闘争での動労千葉6・30最高裁決定と同じ構造になっています。国鉄解雇撤回闘争が、JR資本との闘いになっているように、私たちも草津病院資本と真っ向から闘って組織拡大を実現して、この制度を根底から粉砕していきます。

◆反撃の時は来た!

 年2回の人事考課の度毎に、最低評価された組合員の賞与は大幅に引き下げられ、賃金は年々、等級が降格され、今や「初任給」並みに下げられています。しかし、現場の労働者が必ず起ちあがると信じて不屈に闘い抜いてきました。この闘いが多くの現場労働者に広がることを恐れた経営側による組合解体攻撃を団結した力ではね返せることを闘いで示すことができました。反撃の時は来ました!組合員を先頭に、組織拡大でこの攻撃を根底から覆す好機がきています。
 県労委は、今回の命令で「正常な集団的労使関係秩序を構築、確保するという観点から、本件不当労働行為に関する法人の責任を明確」にすると述べています。県労委ですら、草津病院資本は〝ブラックだ〟と思っているのです。 闘う労働組合が職場闘争によって決着をつけてやることです。草津病院経営は、「ただちに組合つぶしの人事考課制度を撤廃せよ」「組合員への賞与・賃金の減額を今すぐやめろ!」「違法な減額分を支払え!」をスローガンに闘いを進めます。

(写真 8・5草津病院門前闘争に城西工団労組が合流した)

◆草津病院支部を地域の労組拠点に

 不当労働行為に関する法人=草津病院資本の責任を明確にさせるために、今後、草津病院全体を対象に、団交や職場での闘い―階級的労働運動の力ある前進を通して、組合の組織拡大を実現して経営側を追い詰めていきます。
 そして、草津病院資本の組合つぶしを組合と地域の闘う仲間の総力でハネ返し、今こそ草津病院に地域の闘う労組拠点を建設します!
 30年にわたる国鉄闘争で培ってきた階級的労働運動の地平をもって、すべての職場で闘うこと―この闘いこそ合同・一般労働組合の担うべき課題だということです。これこそが「動労総連合を全国に」という路線の職場での実践そのものであり、日本でゼネストを組織する方針です。
 全国の仲間のみなさん! この革命情勢に、共に団結して闘いましょう!
奥村 毅(広島連帯ユニオン執行委員)