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甦る労働組合 組合の旗が立つ時地域丸ごと決起の展望が開ける

月刊『労働運動』34頁(0325号01/01)(2017/04/01)

甦る労働組合
労働組合の旗が立った時、地域丸ごと決起をつくりだす展望が切り開ける!


深町 加代子(全国労組交流センター常任運営委員、自治体労働者部会)

 関西労組交流センターは昨年度、様々な闘いの地平を切り開くことができました。郵政の中に新たな結集軸を立てる「スキル地労委」。奈良市従の下水道民営化絶対反対で、現場の非正規労働者と団結し、体制内執行部と奈良市当局を串刺しする闘いとなった「奈良下水道裁判」。高槻の医療福祉労組の初めてのストライキ。解放同盟本部から結集し、いま「下山鑑定」をもって新たな狭山の闘いと組織拡大する地平を切り開いた「高槻植木団地闘争」。動労西日本、奈良の京終ストライキなどなど挙げればきりがありません。戦争の時代に、これらの闘いは拠点を作る闘いであり、周りの地域すべてを組織できるという、地域丸ごとの決起を作り出す展望を切り開いたと思っています。 特に特徴的な二つの闘いについて報告したいと思います。
 一つは、八尾北労組と全水同盟西郡支部の闘いです。八尾北労組は、この時代の中で拠点としてどういう医療を目指すのかを徹底議論し、「健康教室」という形で、地域労働者と一緒に健康と団結を取り戻す闘いに入っています。労組が軸となって、八尾北診療所や地域集会室などで行っています。どう生き残るかではなく、どんな団結を地域に作り出すかということです。その取り組みの中から八尾市への抗議闘争などに地域の労働者の結集が始まっています。
 また、八尾市は村の更地化に向けて住宅の管理に指定管理者制度を導入する計画です。支部と労組は、市に説明会を要求し、6回にわたる説明会を、怒りと団結の場に変え、地域の新たな闘いが始まっています。
 もう一つは、京都府職労舞鶴支部の闘いです。2・26舞鶴大行動を開催し、自治体の労働組合が原発再稼働絶対反対で、地域の中に闘いの旗を立てることができました。この闘いは、関西労組交流センターとして初めての総決起の闘いとなりました。産別、戦線、すべてが自分たちの闘いとして独自に取り組みを行い当日の集会に突入しました。地域の労働者も多く参加し、われわれの内容で獲得したと思います。特に、支部の労働者の決起を作り出すことができたのが、最高の勝利です。
 我々には今、闘いの飛躍が求められています。このように労働者が決起を開始する時代に、どんな旗を立てるかであり、その旗のもとに結集してくる労働者と、時代認識で討論し、共に具体的闘いを作り出す力です。
 奈良市従の労働者は集会で「私は二つの旗を奈良市従の中で見てきた。その二つはよく似ているけれど全く違ったものだった。その違いが闘いの中で鮮明になった」と発言されました。この彼女のように、労働者は時代をつかんだ時、先頭で闘う存在です。我々はすべての労働者と結合できる闘いをつくりだしている、そのことを確信し、さらに前進したいと思います。