月刊労働運動-Home> 特集 >

特集 ※動労西日本・関西 近畿支部の東元組合員のストライキ宣言!

月刊『労働運動』34頁(0325号02/06)(2017/04/01)


特集 動労総連合のダイヤ改定阻止3月スト決起
※動労西日本・関西
近畿支部の東元組合員のストライキ宣言!

(写真 ストライキ宣言する東元組合員)

 大阪事業所の仲間の皆さん。支援の仲間の皆さん。本日(2017年2月28日)のストライキに決起した決意と、到底おさまることのできない怒りを表明します。
(1)本日のストライキは、JR西日本が私に行なってきた30年間に及ぶ悪逆非道な不当配属への怒りを今こそ解き放ち、原地・原職である「森ノ宮電車区」へ直ちにもどるために決起しました。
昨年10月の個人面談の場で、現場長から「東社員は、近い将来、『あいウイル』か『メンテック』に行ってもらいます」 と通告を受けました。今年2月23日の本社団交において、本社人事部は「その趣旨の発言はあったかも知れないが、将来の見通しを言っただけであって、会社としては『粛粛』と業務指示を行なっていきます」と言い切りました。
 この現場長発言は、本社人事部と直結の、不当配属の労働者を「煮て食おうが、焼いて食おうが」本社の言うことに逆らうな、ということです。全く許せません。
  不当配属30年の歴史の上に、さらに輪をかけて、今度は関連会社への出向・転籍に踏み切ると、JR西日本は決断したと言えます。粉砕あるのみです。
 今、3・4ダイヤ改定を前にして、JR東日本では100社にわたる分社化、総非正規職化の攻撃がかけられていますが、それと同じことを、JR西日本では大阪事業所をつぶすことを水路にして、出向・転籍、または外注化と非正規職化していく攻撃として開始したのだと断言できます。
2018年には、2000万人の非正規職労働者の解雇が待ち受けています。そしてJR西日本の労働者を総非正規に叩き落とす攻撃との最初の攻防が、今回の私に対する「あいウイル」「メンテック」への出向と転籍攻撃との闘いであると断言できます。
 この攻撃を許したら、私の仕事だけではなく、今、非正規で働く青年の未来が奪われてしまいます。絶対に阻止しなければなりません。いや、必ず阻止します。
(2)次に、国会の答弁で麻生(副総理兼財務大臣)も言っているように、国鉄の「分割・民営化」(の宣伝文句)はすべてウソだったことについて、心の底から怒りをぶつけたいと思います。
国鉄分割・民営化から30年、当時、マスコミや御用学者が言い続けてきた「民営化すれば、より安いコストで、よりよいサービスが提供できる」「規制緩和はいいことだ」「民営化や競争こそが豊かな社会を作り出す」「民間はよくて、官(官庁)は悪」「民営化は正しくて正義である」etc。
これらは、JR北海道の惨状や、JR四国の駅の8割の無人化、JR九州の現実を見れば、そしてJR貨物の赤字とその破産を見れば、すべてウソだったと言い切れるし、30年経った今現在、安倍内閣の閣僚が次から次へと、分割・民営化の破産をみずから語っているではないですか。ふざけるな、と言いたい。
そして、民営化により日本中で生み出されたものは、2千万人にのぼる非正規労働者、年収200万円以下のワーキング・プアの労働者でした。それに輪をかけて、格差社会とものすごい貧困が生み出されました。生きていけない労働者が、日本はもとより、韓国でも、そして世界中で生まれてきています。
許せないのは、40万人いた国鉄労働者が、民営化で20万人に半減するまで生首を切られ、その揚げ句「首切り自由」が社会に蔓延し、益々増え続け、ひどくなっていることです。こんな社会はすでに終わっています。
(3)続いて、民営化の4つの大罪について訴えます。
 ① 1つ目は、民営化とは、数え切れないほどの労働者への首切り攻撃であり、私たち動労西日本及び動労総連合以外、JRの中で組織されている労働組合は全くこの民営化と闘えなくなり、いや、そもそも「分割・民営化」に賛成してきたが故に、乗客・乗員107名にも及ぶ命を一瞬にして奪った2005年の尼崎事故を引き起こしてしまったのです。あの事故により、今でも車椅子での生活を余儀なくされている人達がいるのも事実です。
 ② 2つ目は、民営化とは、奴隷のような無権利で超低賃金という「オリ(檻)」の中に労働者を閉じ込め、1%の資本家が肥え太ることだと言えます。JR西日本の経営陣及び役員連中はもとより、末端の管理者までもが、尼崎事故の反省を「口」にはしますが、実際にはあの事故から12年経ってもまた同じ繰り返しをしています。その事実を暴いていきます。
 JR西日本やJR東日本がよく使う業界用語で「戦略的ダウンサイジング」ということばがあります。これは、実は極限的な要員削減のことを、ごまかし、美化しているのです。JRでは、人減らし、合理化による慢性的な人員不足が続き、本来JRがやるべき仕事を外注化しているが故に、関連会社の社員が線路の見張りや列車の運行に精通しておらずに、触車事故すなわち電車にはねられる痛ましい事故が後を断たず、そればかりか駅のホームにJRの社員を1人も配置しない結果、人身事故が多発しています。こうした事故の数々は、「命より金」を最優先するJRの企業体質、いやJR会社の出発点から必然的に発生しているもので、JRぐるみの企業犯罪=組織的な犯罪です。
JRは30年前、国鉄労働者200名もの命を奪って設立された会社です。
 ③ 3つ目に、民営化とは、最底辺に労働者を落とし込め、競争を煽り、社会的な連帯感や絆、そして共同性をズタズタに切り裂くことです。
 ④ 4つ目に、民営化とは、命と安全を破壊し、社会保障制度や医療制度、教育を破壊するものです。その最たるものが、1年後の2018年3月31日をもって、廃線=廃止がJR西資本によって目論まれている三江線廃止計画です。広島県三次市と島根県江津市を結ぶ35駅=108・1㎞の生活路線をすべて廃止し、沿線6市町で暮らす人々のことを一切顧みずに、水道やガスといった人間が生活していく上で欠かすことのできない地域住民の足である鉄道をなくすということは、学校に通えなくなる、病院に行けなくなることを意味します。JR資本は、「儲からない」からという理由で、ローカル線の切り捨てを全国に拡大しようとしています。JR西日本は、その最大の先兵です。私たち動労西日本は、地域住民や、学校・病院などで働く労働者と連帯して、三江線廃止計画を白紙撤回させるまで徹底的に闘います。
(4)最後に訴えたいことは、住民の生活や生命までも奪おうとするJR西日本に対して、私たちは、そんな方針は間違っている、「分割・民営化」は弱者切り捨てであり、悪である、人の命が奪われ、大事故が起こる、と声をあげ、30年間闘ってきました。これに対して、JR西日本は、「分割・民営化」に反対する社員の存在と闘いを恐れ、抹殺せんがために、見せしめ的に矢継ぎ早に仕事を替えて「自主退職」に追い込もうと図ってきたのが、私に対する30年に及ぶ不当配属の歴史でした。
 最初は京橋駅構内の喫茶店のボーイを1年、その後は輸入肉の販売を1年、アイスクリーム売りの仕事を3ケ月、コンクリートを固めて柱を作る仕事を5年、たった16台のスペースで土日曜には客が誰一人来ない駐車場の管理人の仕事を5年、グリーン事業を20年近くと、JR西日本が私にやってきたことは断じて許すことはできません。
 JR西日本は、会社に逆らう社員はこうなるんだという見せしめとばかりに、私を退職に追い込むことを狙った卑劣陰険極まる策謀を繰り返し行なってきました。労働者を奴隷扱いにしてきた不当配属のおぞましい事実・真実を隠蔽するために、わたしを社会から隔離し、JRで働く仲間から隔離し、抹殺することを図ってきたのです。「ふざけるな!」ということです。
 しかし、労働者は、資本が思うような、そんなヤワな存在ではありません。JR資本の思惑は、逆のものに転化しました。わたしのこの根底的な怒りは、新自由主義と闘う現在の多くの青年労働者の怒りでもあります。私は、私自身の不当配属との30年の闘いが、必ずや今日すべての青年労働者の怒りと決起につながっていることを確信しています。JR資本には、この30年間の責任を絶対に取らせます。
(5)私は、ここに宣言します。
 JR西日本の資本=JR体制を打倒することは、社会の本来の主人公である労働者が生き生きと生活し、働くことが楽しくなり、人間が人間らしく生きられる社会を作り出すことにつながります。
 社会を動かし、すべてに責任をとっている労働者が、なぜ、こんな、みじめな生活をしなければならないのか。悪政をむさぼる安倍政権を打倒し、資本の支配を根底から実力で打倒する闘いによってしか、解決できません。革命の時代がもうそこまで来ています。こんな間違った社会を根本から変革しましょう。労働法制改悪の2018年までの2年間で決着をつけようではありませんか。
 JRを始め、社会の隅々まで張り巡らされている管理社会ですが、しかし実際には、いわゆる管理者がいなくても、労働者が生産と社会の担い手として生きています。今の社会で、管理者と呼ばれている人達は、矛盾を抱え、自分を殺し、労働者を軽んじてみたり、のさばったり、いじめたり、そして闘う労働組合を一切に認めないことを通して、社会悪を見逃し、見て見ないふりをし、JR西日本でいえば、会社ぐるみの隠蔽や殺人のお先棒を担ぎ、30年間にわたり、 JR西日本を間違った形で支え続けてきました。
労働者が、過労自殺や精神疾患を患う根本原因は、社会の会社の仕組みにあります。一体全体、過去・現在・未来と、何人・何百人・何千人の労働者とその家族を苦しめたら気がすむのか!? 本当に根本的に社会を変えなければいけない時代が来ました。本日のストライキは、あたらしい社会を作るほんの始まりに過ぎません。JR東でも、動労千葉をはじめ、動労総連合の仲間が、3・4ダイヤ改定に対して、全国でストライキを構え、闘いに立ち上がっています。いよいよ2018年までの2年間決戦が始まりました。
今こそ、JRから日本の社会を作り変える闘いに立ち上がろうではありませんか。私は、原地・原職である森ノ宮電車区に復帰するまで闘い抜きます。
社会変革まで、あと2年を切りました。共に最後の勝利まで、闘いましょう。
 近畿支部 東元(JR西日本大阪事業所在勤)