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※動労水戸 4・1ストライキと浪江現地闘争を貫徹

月刊『労働運動』34頁(0326号06/01)(2017/05/01)


※動労水戸
4・1動労水戸ストライキと浪江現地闘争を貫徹!

石井 真一(動労水戸執行委員長)

 安倍政権は、3月末で浪江、川俣、飯舘、富岡の4町村の居住制限と避難指示を解除し、JR東日本は4月1日、常磐線の小高(南相馬市)―浪江間の開通を強行した。
 国は〝福島県民だけは年間20㍉シーベルトまで認める〟〝避難指示解除されたのだから帰れ〟と、住宅から追い出し、被曝と帰還を強制したのだ。原発事故で故郷を奪い、その責任を一切取らず再び原発推進に突進する政府が、〝オリンピックのために避難をやめて戻れ〟ということなど、どうして許せるだろうか!
 4・1浪江現地闘争には動労水戸組合員が結集し、福島の人びとの怒りや思いとひとつになり、2020年東京オリンピックを使った常磐線全線開通、被曝と帰還強制の攻撃と徹底的に闘うことを宣言した。

浪江駅で一番列車を迎え撃つ

 午前6時すぎ、動労水戸は浪江駅前で抗議の街宣に立ち、私の熱い訴えが一番列車を迎え撃った。
 午前9時、動労水戸・動労福島を先頭に動労総連合に結集する国鉄労働者など80人が浪江駅前のロータリーに結集し、浪江町の「希望の牧場・ふくしま」の吉沢正巳さんが、トラックに1頭の牛を乗せて到着した。
 「避難指示解除反対! 被曝の強制をやめろ! 常磐線全線開通反対! JRは被曝強制に加担するな!」というシュプレヒコールが響きわたり、私が訴えた。
 「本日、JRは安倍政権の手先になって浪江駅まで延伸しました。浪江町には4%の人しか帰らない。病院もお店も老人介護の施設もない。何もないところでどうやって年寄りだけで暮らすのか! こんな住民無視の殺人的な政策をどうして見過ごすことができるでしょうか」
 「JRは10月にも富岡まで再開すると宣言し、帰還困難区域の浪江―富岡間の工事も今日から始めると提案しました。労働者を被曝させ、何の責任もとる気がない。そういう労働を強いることに対し徹底的に闘います。パククネのように、安倍を牢屋に入れろ! 東京オリンピックのために福島県民を犠牲にする安倍政権を許さず、闘いぬくことを宣言します」

「町は崩れていく」

 吉沢さんは、「町は崩れていく。さようなら浪江町」と無念さを噛みしめ、「浪江町民は7回も8回も避難先を変え、牛は餓死し、請戸漁港では腐った遺体を捜索した。震災関連死は400人。全部原発事故のせいですよ! 必ず原発の時代をのりこえる。安倍政治を倒そう」と力強く訴えた。
 ふくしま共同診療所の布施幸彦院長は、住民の命をまったく考えていないJRを弾劾し、動労福島の橋本光一委員長、動労福島宮城県支部がJR資本の被曝労働強制と闘う決意を語った。
 動労水戸支援共闘の代表呼びかけ人の小玉忠憲さんの発言は、式典参加のために電車から浪江駅に降りる浪江町長を直撃した。「帰町する4%の住民より、96%の帰町しない住民の意思を国に伝えるのが町長の仕事じゃないのか。公務員の仕事は何だ。住民の命と安全を守るために公務員労働者はいるのではないか」と、公務員こそが闘いに立つことを呼びかけた。
 動労水戸の辻川慎一副委員長は、「労働者の真実の闘いでこの世の中全体をつくり変える。2020年までに常磐線全線開通するというなら、JRも安倍もみんなぶっ飛ばしてやる」と宣言し、吉沢さんのビラまきの妨害に出たJR幹部社員を「自分の地位を守ることしか考えていない」と徹底弾劾した。
 福島市の椎名千恵子さんが「命を運ぶなら安全な常磐線にしてから運んでください」と訴えた。

式典を完全に粉砕した

 動労水戸の4・1ストライキと浪江現地闘争は、浪江駅前ロータリーで行うはずだった式典を駅に中に封じ込め、完全に粉砕した。政府・JRによる常磐線浪江延伸、被曝と帰還の強制に対して巨大な反撃をたたきつけた。「安全に乗客を運ぶ」という鉄道労働者の誇りにかけて被曝労働拒否を貫く闘いの真骨頂を示すとともに、福島の怒りと深くつながり、原発避難者の住宅追い出しを許さない闘いとも一体で闘われた。
 オリンピックのために、2020年3月までに常磐線を全線開通させることを狙う政府・JRを打ち倒す本格的な決戦がいよいよ始まった。それは、JR資本に屈服し労働者と住民に被曝を強制するJR東労組を解体し、動労水戸・動労総連合の青年部をはじめとしてさらなる組織拡大をかちとっていく重大な決戦である。4・1闘争の勝利の地平から、10月富岡駅延伸阻止、常磐線全線開通阻止へ動労水戸とともに闘おう。