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東京労働組合交流センター第22回定期総会

月刊『労働運動』34頁(0326号10/01)(2017/05/01)


東京労働組合交流センター第22回定期総会を開催
3月決戦の勝利を総括し、都議選決戦に向けた団結を勝ち取る!


小泉 義秀(東京労働組合交流センター事務局長)
 4月9日、東京労働組合交流センター第22回定期総会を開催し、7月2日投開票の都議選決戦に向かって闘いぬく総会として勝ち取られた。本総会の獲得目標は何よりも動労総連合建設を基軸にした3月決戦の総括を成し遂げ、都議選決戦に向けての東京全体の団結を作り出すことであった。

●3月闘争勝利の総括

 3月4日、ダイヤ改定に反対し、動労総連合は動労千葉、動労水戸を先頭に全国でストライキ、抗議の街頭宣伝などの闘いに立った。動労千葉は、乗務員70人がストに突入した。4月1日、常磐線の浪江開通に絶対反対し、動労水戸はストライキに決起し、抗議闘争を展開した。この闘いと固く連帯し、3・31には動労東京を先頭に都庁包囲デモを貫徹した。3月は、第2の国鉄分割・民営化反対の闘いを、動労総連合建設決戦として闘いぬいた。東京労組交流センターは動労東京の仲間と共にこの闘いをやり抜き、第22回総会に臨んだ。
 議案の柱は「労働の奪還論」を中心に据えた総括・方針である。情勢は、朝鮮侵略戦争の切迫と革命の現実性という時代認識と路線を確認し、安倍の「働き方改革」・100時間残業を合法化する労基法改悪、外注化・非正規化と労働組合つぶしが戦争の切迫と一体だということを鮮明にする提起がなされた。

●職場闘争を踏まえた討論

 質疑・討論はこの間の職場闘争、拠点建設を踏まえた発言が相次いだ。東京交通労働組合六号乗務支部執行委員の大木さんは、3月14日に開催された東交の定期大会と、25日に開催された電車部大会で、都営交通民営化絶対反対の発言を行ったことを報告した。大木さんは「大阪市営交通が4年前から民営化の協議に合意してきたことから人員削減、給与カット、民営化可決まで一気に進んだことを弾劾し、東交として民営化反対決議を上げるべき」と発言したが、東交本部は大阪と同じような民営化攻撃は東京オリンピック前はない、もし国鉄分割・民営化と同じような民営化攻撃が来たら反対する、という答弁をした。電車部大会で挨拶を行った東交委員長・宮崎氏は「駅で変なビラを撒いている連中がいたが、言われなくても東交は都営交通の維持存続に取り組んでいる」と述べた。しかし「都営交通の維持存続」と言って駅業務の外注化=民営化を受け入れ、バスの賃金カット10%を10年前からのんできたのが東交本部だ。「都営交通の維持存続論」は民営化反対ではなく、民営化容認である。すでに本部は上山と話し合いをしていることを認めた。大木さんは「上山と何を話したのか」と本部を追及したのである。
 銀座郵便局の星野さんは、郵政職場における「スキル評価制度」は労働組合に対する支配・介入に相当する不当労働行為であるとして、東京都労働委員会に申し立てを行ったことを報告した。職場では当局の運転に対する安全指導のあり方について当局を弾劾すると、職場の同僚も続いて声を上げ始めたことなど職場での攻防がリアルに語られた。
 動労東京交通機械サービス八潮支部の金子書記長は12人中8人の仲間を組織化したことと、夜勤の労働時間や人員補充の問題で団体交渉を行い、36協定の無協約状態に突入している切迫した攻防について報告した。
動労東京交通機械サービス八潮支部の闘いは安倍政権の「働き方改革」と真っ向から激突する闘いであり、JRのみならず、運輸関連のすべての労働者の普遍的な闘いの中心軸に位置する。動労東京交通機械サービスの組合員はそのことを自覚して階級の先頭で闘いぬいているのである。

●方針の核心は青年部建設

 方針の核心は青年部建設である。4月16日から「新ストライキ会議」→改称「ゼネスト会議」が始まった。「ゼネスト会議」は青年を労組交流センターに組織する「実践的学習―行動する機関」としての位置を鮮明にして、東京労組交流センターの労働学校実践編としての意義を明確にして立ち上がった。「新ストライキ会議」を成功させ、労組交流センター青年部を組織していきたい。
 その第1弾として16日は東京西部ユニオンアパレルゼネラルユニオン支部マツオインターナショナル分会の丸田さんが、自らの職場の分会結成と今後の展望を語った。
 更に4月3日に『東京都庁議事堂レストラン』を不当解雇された柿沼さんの闘いについての提起を行った。柿沼さんの解雇は、福島・常磐線延伸反対=浪江闘争とその闘いと一体で行われた3・31都庁デモ、4・1浪江抗議行動に対する報復攻撃であり、絶対に許すことはできない。西部ユニオンは都議選決戦と一体で「都民ファーストと言いながら、東京のど真ん中で切り捨て政策」を行う小池打倒の闘いとして解雇撤回闘争を闘うと宣言した。この提起はリニューアルして行われた第1回「ゼネスト会議」の方向性と展望を決定づけるものとなった。

●都議選に向けた決議

 総会の最後に都議選決戦に向けた決議を採択した。
 「命をうばう豊洲移転は撤回あるのみ! 福島圧殺の東京オリンピックは返上! 都営交通・上下水道などの民営化絶対反対! 新しい労働者の政党を! 国際連帯で朝鮮戦争阻止! これらの旗印を掲げて東京都議選に立候補する北島邦彦さんを都議会に送ろう。そのために東京労組交流センターは組織の総力を傾注して都議選決戦を闘いぬく。右決議する」

●交流会は感動的だった

 総会後の交流会も感動的なものだった。一陽会労組で闘いぬいてきた櫛淵さんは病気のために声が十分に出ないながらも、総会の感想と「有志派」との闘いに触れた。櫛淵さんは精神病院における労働の奪還論について踏み込んだ「見解」を発表し、今それを更に深化させようとしている。その立場から「今日の総会でもそのことに言及しているがまだ入り口に過ぎない」と櫛淵さんは述べている。
 精神病院の「労働の奪還論」は医者や患者との連帯、精神医療のあり方全般への捉え方、関わり方を含めた、病院で働く労働者すべての労働のあり方を含む問題であり、機関誌『障害者解放』でもその議論はとば口に立ったばかりである。櫛淵さんの発言を直接交流会で聞くことができたことは感動だった。