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6・11国鉄闘争全国運動集会の報告 ★動労千葉から

月刊『労働運動』34頁(0328号03/03)(2017/07/01)


6・11国鉄闘争全国運動集会の報告 ★動労千葉から

国鉄闘争を軸に、戦争と民営化を阻止し、労働運動を甦らせる新しい出発の日としよう!

○動労千葉委員長 田中 康宏

 安倍政権は共謀罪を強行しようとしていますが、どうなろうと「悪法は絶対に法ではない」と訴えたいと思います。組織的犯罪集団と化した安倍政権を倒さなきゃいけない。今日が新しい出発点だ、国鉄闘争がそういう課題を担って闘い抜く決意表明ができたと思っています。
 国鉄分割・民営化反対闘争とは何だったのか。戦争をするための労働運動解体を許さない闘いの30年だったと思います。
 新自由主義による労働者の雇用、権利、団結、社会保障、医療、教育の破壊、全部を破壊して暴れまわる攻撃に対抗する力を持つことができるかをかけた30年だったと思います。僕らは小さな力でも、この攻撃に屈することなく対抗しぬいたことを、この場で確認したいと思います。
 30年間の私たちが切り開いた闘いはどういう地平なのか。
 第一に、僕らの闘いは、国鉄分割・民営化攻撃の根幹たる採用・不採用の基準が不当労働行為であったことを最高裁にまで確定させました。この攻撃の本性、真実をすべて暴き出した。
 第二に、業務の全面的な外注化に17年間立ち向かい続けて、敵の攻撃を17年押しとどめ、裁判闘争でも強制出向も外注化も何ひとつ正当化できないところまで敵を追い詰めました。安倍政権が「働き方改革」と称して全労働者の総非正規職化を画策するこの情勢の中に、国鉄分割・民営化反対闘争で立ち向かえる地平を開きました。
 第三に、決定的な勝利が切り開かれたと思っています。今、全世界の新自由主義に立ち向かう闘いの最前線を担っているのは、韓国の民主労総の闘争です。私たちは30年間、国鉄分割・民営化と立ち向かうことを通して、民主労総と本当に深い信頼関係をもって結びついたのです。この力は、もう数百万の援軍を得たに等しい力です。この力を生かす、これは僕ら自身の努力にかかっている。絶対日本に労働運動を甦らせる執念にかかっています。
 今日は、そういう新しい出発点ではないでしょうか。
 次に、もう一点訴えたい。動労千葉の闘いが切り開いた地平は一体何だったのかということです。これは戦後の日本の労働運動が70数年間、困難に立ち向かい実現できなかった、決定的な地平を切り開いたということです。動労千葉は国鉄分割・民営化に対して2波のストライキを構えて立ち向かい、40人が解雇になりました。その後、業務の全面的な外注化攻撃に立ち向かって33人の仲間たちが解雇されました。ジェット燃料貨車輸送阻止闘争では5人が解雇されています。でも僕らが切り開いた地平は、大きな攻撃、犠牲を受けながら団結を守りぬいたということです。これは日本の労働運動の歴史の中になかったことです。労働者は必死に闘い続けました。だけどその結果は結局、激しい弾圧の前には団結を守ることができなくてほとんどの労働組合が分裂していった、つぶされていった。だけど僕らはそうじゃない。労働者は、自ら決断した闘いが絶対正義であり、この闘いに僕ら自身の労働者の展望がある、この闘いの下に多くの仲間が結集してくれることに確信をもった時には、どんな国家権力を挙げた攻撃の前にも団結を崩さない、そういう階級的な力をもつことができることを実証してみせたということです。
 こういう力が生きていく時代はいつですか、今、政府が戦争をしようとしている時代にこそ生きてくる。この社会から正社員をまったくゼロにして、全労働者を非正規職に突き落とそうという、それで資本だけが生き残る、こんなまさに本末が転倒した逆さまの社会でこそ、僕らの闘いが光り輝いて生きてくる。そういう時がいよいよ来たんじゃないでしょうか。今日は国鉄闘争の新しい出発点だと思います。
 今日、僕らは二つのことを決意しています。ひとつは30年を経た今日、もう一度国鉄1047名解雇撤回闘争の旗を高く掲げたいと思います。それは昨日、青年部が先頭に立ってくれて動労総連合青年部を結成し、「おれたちが先頭に立つからついてきてくれ」、こういう宣言を上げてくれました。だけどもうひとつ旗を掲げたいんです。つまり動労総連合には、動労千葉争議団だけでなくて九州の闘争団、北海道の闘争団、秋田の闘争団、こういう仲間が結集しました。今、職場で吹き荒れているのは第2の分割・民営化攻撃です。「1047名闘争は単なる建前じゃないんだ、人生かけて闘ってきた闘いを僕らは貫きとおすことをとおして戦争を止める」、そういう旗をもう一回掲げたい。これはいわば、労働組合そのものの奪還闘争です。
 それともうひとつ、今、動労千葉は全支部オルグをしています。今日詳しくは述べられないんですが、一昨日、JR東日本は今までの外注化の範囲を超えてすべての業務を丸投げ外注化し、JR本体にはまったく労働者を残さない、そういう提案をしてきました。僕らは早ければ6月末にもストライキに立ち上がります。
 1047名解雇撤回闘争と外注化阻止闘争で日本の労働運動をもう一回よみがえらせ、戦争を止める。僕らにはひとつの敵の側が与えてくれた目標があります。安倍はなんて言ったんですか。「2020年新憲法施行」と言ったんですよ。これまでにもう一回、韓国の仲間たちが示したような、数百万の労働者がこの東京中を埋め尽くす、この社会の転覆、労働者の社会をつくろうという声を上げる、そういうものをつくり上げる、そういう闘いに出発しませんか。30年間、国鉄闘争を闘い続けてきた僕たちだからできると確信しています。今日をそういう出発点にすることを述べて、私の報告に代えたいと思います。さあ新しい闘いへの出発です。ありがとうございました。