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6・6「都庁ふくしま解雇を許さない会」を結成

月刊『労働運動』34頁(0328号08/01)(2017/07/01)


6・6「都庁ふくしま解雇を許さない会」を結成

(写真 参加者全員で団結ガンバロー)

大西 文夫(東京西部ユニオン書記長)

 6月6日、杉並区の阿佐谷地域区民センターに会場あふれるばかりの130人が集まり、「都庁ふくしま解雇を許さない会」の結成集会が、熱く感動的に開催された。
 許さない会の結成は、当該の柿沼庸子さんの八面六臂(はちめんろっぴ)といえる連日の闘争と、賛同・呼びかけ人のすさまじい組織化の闘い、全国の仲間、とりわけ首都圏をはじめ東京の仲間たちの連日連夜の議論と実践を通して実現した。よくぞこの短期間ですべてを準備し、集会をもつことまで出来たと、闘う仲間の団結のすさまじい力を実感し、感動すら覚えた。
 集会は、「4・1常磐線浪江延伸反対闘争」の6分間のDVDの上映から始まった。小池都知事の原発避難者への補助金打ち切り・住宅追い出しに反対し、弾劾する3・31都庁包囲デモの映像もあり、そして4月1日のJRによる常磐線浪江延伸再開に対する動労水戸・動労福島・動労東京による闘いが映し出された。被曝労働反対、住民の帰還強制反対を掲げたストライキと浪江駅での記念式典抗議闘争の映像で、ますます柿沼さんの心の底からの怒りと、やむにやまれぬ決起の正義性を改めて感じ、安倍、小池、はなまる資本に対する怒りが倍増した。
 集会は、東京西部ユニオンの織田翔子さんの司会挨拶から始まった。発起人挨拶を東京労組交流センター代表の山口弘宣さんが行い、経過報告を事務局長に就任したNAZEN東京代表で江戸川区職の佐藤賢一さんが行った。「柿沼さんは3・11の後、小学生だった子どもの健康を守るために国会前に行き、親子で必死になって日本の原発政策に反対してきました。ふくしま共同診療所の建設が必要だと確信し、親子でカンパを訴えて、100万円以上のカンパを集めてきました。親として原発政策に必死に反対して生きてきて、いま解雇され、福島の避難者と同じ立場となっています」と柿沼さんの「歴史」を紹介し、「いま職場の署名運動を理由に解雇されたこの人を、安倍政治に怒る全国の労働者の前に登場させる意義は計り知れません。彼女が4月1日の浪江闘争で見た現実は、戦争そのものでした。この闘いは戦争をやろうとする者との闘いでもあり、労働運動を変える全く新しい闘いです。都議選で北島くにひこさんに日本のハンサンギュンになってもらい、新しい労働者の政党をつくろう」と呼びかけた。
 続いて、会場割れんばかりの拍手の中、2時半からの第2回団交を闘ってきた当該の柿沼さんが登場し発言した。「動労水戸のTシャツと、動労千葉のナッパ服と『怒り福島』のはっぴを着たまま団交をやってきました。言わされていることをただ言ってるだけの会社の人間の話を聞いて、この人たちは本当に人間性を奪われているなと思いました。自分の意思とか自分の感情とか完全になくされてしまっている」と勝利感を持って報告し、「私がこの闘いでやっていきたいことは、皆さんが自分たちの闘いとして、地元に広げてほしいということです。この闘いは非正規の問題であるし、安倍や小池による被曝の隠蔽であり、結局そのまま戦争に向かおうとしていることが露骨にわかりやすいと思います。若い人たちは、みな同じ環境に置かれているから話もしやすいと思います。ぜひ皆さん地元に持ち帰り、この闘いをとっかかりに、水路をどんどん広げてゼネスト情勢をぜひつくり出して頂きたいと思います」と訴えた。
 次に、国鉄1047名解雇撤回闘争当該の成田昭雄さんからこの日届いたメールメッセージを動労東京委員長の吉野元久さんが読み上げた。
 続いて、呼びかけ人からの発言の始めにこの間の都庁前行動や団交にも参加して頂いている「君が代」不起立被処分者元教員の根津公子さんが立ち、続いて動労福島の橋本光一委員長とNAZENふくしまの椎名千恵子さん、ふくしま共同診療所の布施幸彦院長、鈴コン闘争支援・共闘会議呼びかけ人代表の花輪不二男さん、東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会の鈴木善弘分会長、東京西部ユニオンの吉本伸幸委員長が発言した。
 そして、方針提起を東京西部ユニオンアパレルゼネラルユニオン支部書記長の丸田雅臣さんが行った。「1点目に、明日の都議会最終日に都庁前で座り込みアピールをしよう。2点目に、まず自分が賛同会員になり、そして広げて下さい。カンパも集めよう。まず自分が会員になって、もう1人職場で呼びかけよう。そして職場で仲間をつくるチャンスとして使ってほしい。3点目に、解雇撤回署名を、福島の『被曝と帰還の強制反対署名』と一体で集めよう」と提起した。
 いよいよ討論が始まり、動労水戸、群馬合同労組、東交労働者、清掃労組の労働者、全学連、そして子を持つ女性労働者、南部ユニオンと東京西部労組交流センターの女性労働者、そして全逓労働者、星野再審連絡会の代表と続き、討論の最後に動労千葉の田中康宏委員長が発言に立った。「動労千葉は解雇覚悟でストライキで闘った。解雇はされたが、団結を守り抜いた。柿沼さんも同じだと思う。柿沼さんの闘争は、日本の労働組合の再生運動としてやりたい。国鉄闘争と一体で闘おう」と訴えた。
 続いて、結成宣言を泉陽会労働組合の新井佳世子さんが読み上げた。最後に、集会のまとめを東京西部ユニオン副委員長で都議選候補の北島くにひこさんが行い、「参加者全員が自分たちの闘う武器が出来たと実感した。東京都は、都庁レストランに組合を作らせないために外注化している。だから首を切った。小池の一番の弱点は労働組合との闘いだ。ここに小池を引きずり出す闘いがこの都庁レストランの闘いだ。この間、小池への怒りが高まっていることを感じる反応がある。ゼネスト情勢が渦巻いていると思う。第2、第3の柿沼さんが自分たちの隣にいる。まだ黙っているけれど世の中に怒りは満ちている。全力で闘いましょう。労働者の怒りを結集し、動労東京、東交・都労連の闘いと共に、都庁レストラン闘争を闘おう。共謀罪弾圧を粉砕し、安倍・小池打倒の都議選に勝利しよう」とまとめを行い、団結ガンバローで集会を締めくくった。
 集会後、多くの仲間がその場で会員申込みをして下さり、早速会費が多く寄せられた。
 本当に当該・発言者・集会参加者全員が解放感に包まれ、団結の熱さが会場にあふれ、ゼネストがここから始まると実感させられる集会となった。共に進みたいと思う。