月刊労働運動-Home> 民間/合同一般 > | 記事 >

闘う合同一般労組 宝交通分会は賃金ダウンに怒り、組合員の拡大へ前進

月刊『労働運動』34頁(0332号14/01)(2017/11/01)


闘う合同一般労組 宝交通分会は賃金ダウンに怒り、組合員の拡大へ前進

(写真 8・6ヒロシマでデモ行進)

闘う合同一般労組

宝交通分会は賃金ダウンに怒り、組合員の拡大へ前進!

坂野 康男(東海合同労働組合 宝交通分会分会長)

◆労働意欲をなくす賃金ダウンに怒り!

 今年8月9日に宝交通分会に乗務員1人が加入しました。この乗務員が中心になってさらに2人が組合加入しました。分会長の私を含めて4名の分会拡大へ前進です。背景には、会社が4月に給与規程を改定したことで乗務員の給与が10%前後ダウンしたことがあります。労働意欲をなくす賃金ダウンに怒りを燃やして加盟したのです。タクシー乗務員には、乗客を安全・確実に運ぶプロドライバーとしての労働への誇りがあります。その労働への誇りを否定するものこそ、労働意欲をなくす賃金ダウンに他なりません。

◆名古屋で4番目のタクシー会社!

 宝交通は、1947年創業のタクシー会社でタクシー車両452台を持つ名古屋圏では4番目の規模です。7つの営業所に分社化されており私たち分会員がいる南営業所には約100人の乗務員がいます。どの営業所からも分会に加盟出来るようにと宝交通分会と名付けました。
 タクシー乗務員の勤務は日勤と夜勤などに分かれていますが、分会の4名とも夜勤で酔客相手に乗務する毎日です。分会は、悪質な酔客に防犯ボードを蹴られ壊されることが何度も起きていますが、安全で快適な職場を作ることは会社の義務であるとして、会社に対して壊れない防犯ボードの設置を要求して闘っています。

◆宝交通分会の知名度はゼロ!

 2年前の11月5日にマイナンバー制度に反対して結成した宝交通分会は、2016年春闘要求書を議題に団体交渉を重ねてきました。しかし、宝交通分会の存在は誰にも知られていませんでした。知名度はゼロです。どうしたら宝交通分会の存在を知ってもらえるのか頭を悩ました時期が続きました。
 宝交通分会は、労基署へ出した就業規則変更届で労働者代表選挙をやっていないことを知り、団体交渉で追及し会社に認めさせました。そして私は、会社の不正を正すと共に知名度ゼロの解消へ向かって労働者代表選挙に出る決断をしたのです。

◆労働者代表選挙でブレイクスルー!

 私の存在が知られるきっかけは、今年の4月の給与規程の改定を議題とする労働者代表選挙でした。給与規程の改定を議題にした4月の労働者代表選に立候補した私は、会社が擁立した候補と4回の全体研修の場での採決で22票対20票と「勝利」しました。
 朝夕2日間の4回の全体研修に出ることは夜勤明けにも朝早く起きて出ることになり体力的にはきつい闘いでしたが、対立候補がまったく姿を出さない中で、私が「宝交通分会分会長坂野康男」と大きく書いたビラを配布し立候補の挨拶を行うと、「顔の見えない候補よりも顔の見える坂野さんがいいじゃないか」と応援する人が現れました。その人こそ最初に分会に加入した人だったのです。
 会社は、「営業所が変更となり、投票してない人がいる」などと、私が労働者代表になることに抵抗しましたが、その後の点呼での追加の採決でも票を伸ばして5月9日に30票対20票で私の労働者代表当選を会社に認めさせました。
 この労働者代表選挙を境にして、給与規程改悪による賃金ダウンが起きている旨の報告が複数の乗務員から寄せられるなど、私の分会長としての存在がブレイクスルーしたのです。

◆団体交渉で会社を追及!

 加入した分会員も出席した団体交渉で、宝交通分会は、4月の給与規程の改定でA分会員の6月給与の賃率が34・95%、B分会員の8月給与の賃率が32・48%へと賃金ダウンした理由を追及しました。なぜなら2人とも第一基準(足切り額)達成者であるのに、第一基準未達者への36%支給より支給額が低いからです。4月の給与規程の改定でこんなおかしなことが起きたのです。
 あわてた会社は、所定労働時間1か月170時間に達していない乗務員の場合に低額になること、支給額は第一基準未達者への36%支給と同じくするので不足分は翌月に追加支給すると回答しました。
宝交通分会は、第一基準達成者が第一基準未達者と同じ賃率36%は労働意欲をなくす不当なものであると強く抗議し、それ以上の賃率に戻せと要求しました。
 分会員の奮闘によって闘いは、次回団体交渉に持ち越されました。これこそ労働組合の団結の力によるものです。

◆天下国家を語り実践する分会への飛躍を!

 10月22日投票の衆議院選挙で斎藤いくま全学連委員長(東京杉並8区)を全国労組交流センターが推して闘い抜きました。東海合同労働組合執行部は、「朝鮮戦争反対!改憲阻止!」「非正規職撤廃!『働き方改革』は貧困・過労死の拡大」「この国に革命を」と訴える斉藤いくま候補を支持して、選挙戦を共に闘いました。
 労働者こそ天下国家を語り実践する存在です。労働者が天下を取ったロシア革命から100年、天下国家を語り実践する宝交通分会へ飛躍します!