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ひめじょおん―女性部から非正規職撤廃の18年決戦へ

月刊『労働運動』34頁(0334号10/01)(2018/01/01)

ひめじょおん―女性部から
非正規職撤廃の18年決戦へ


岩崎 ゆかり(神奈川労組交流センター女性部・自治体労働者)

 安倍政権は民営化・非正規職化を制約している「公務員の岩盤」を打ち砕くため、2020年4月施行の改悪地方公務員法で「会計年度任用職員」という新たな制度を打ち出しました。「1年の雇用期間の厳格化」は、全員一旦解雇、雇用更新で、試験や評価制度を導入して選別、さらに1か月の試用期間設置など、国鉄分割・民営化と同じやり方で自治体で働く65万の非正規公務員に襲いかかろうとしています。全社会の総非正規職化の道を開くすさまじい攻撃です。公務員労働運動を破壊して戦争協力へ動員し、改憲・戦争を推し進めようとしています。
 横浜市職員として働く私たちは、一昨年の自治労横浜定期大会以降、嘱託職員問題が職場の怒りの結集軸になることをつかみました。そして昨年初めから職場で嘱託職員交流会を積み重ね、11月労働者集会に向かう踏み込みとして全区を対象に嘱託職員交流会を呼びかけました。10の区役所と本庁へのビラまき、動労千葉物販オルグを展開し、2人の嘱託職員の参加があり、その中から11月労働者集会への結集が実現しました。
 この過程で自治労横浜定期大会がありました。「改悪地方公務員法について組合として反対すべき」という私の発言に、本部は「いいとは思っていない」と答弁。しかし、「法律だから、就業規則だから仕方ない。闘っても勝てない」これが本部の「待遇改善」路線です。
 しかし、そんな路線は嘱託職員の怒りの前に吹っ飛んでいます。「安倍が『非正規という働き方を望んでいる人もいる』と言ったことは許せない」「誰も好き好んで非正規職を選んだんじゃない。生活・家族のために他に選択肢がないからだ。非正規職という制度、法律がまちがっている」「私たち嘱託職員がいなければ市の業務は成り立たない」のに「何年働いても賃上げもない、手当もつかない、そして今度は1年ごとの使い捨てを進める法律か!」
 なぜこのような怒りが湧き出てくるのか。嘱託職員は「低賃金だから、非正規だから仕事もほどほどでいいや」などといい加減な気持ちで働いていないからです。「仕事がきつくて体を壊し、低賃金、サービス残業でやってられない。次々と辞めていく職場でいい仕事ができるはずがない」「子どもの命を預かる責任ある仕事。悩むけれど自分が辞めたら子どもたちがどんなに傷つくか」、自分が生きるためだけの怒りではなく「私たちはモノじゃない!」という非正規労働者の叫びは労働者の誇りを奪うことへの怒りです。
 組合本部は、「雇い止めになっても別の職を用意する」と嘱託職員を言いくるめて当局と妥結してきました。その結果、何人もの嘱託職員が悔しい思いで辞めていったことを繰り返すわけにはいきません。民営化反対・非正規職撤廃を貫く労働組合運動を職場からつくることです。
 「闘わない労働組合を非難するのではなく、私たちが労働現場で具体的な行動を展開し、結果を出すことで闘う労働組合を結集させることができる」。11・5集会での関西生コン支部の発言はとても心に響きました。組合権力をとる闘いとして18年決戦に総決起しましょう。