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労働組合の存在意義をかけて3・11反原発福島行動'18へ!

月刊『労働運動』34頁(0335号05/01)(2018/02/01)


労働組合の存在意義をかけて3・11反原発福島行動'18へ!

渡辺 馨(福島労組交流センター)

◆原発事故・福島をなかったことにしていいのか

 「原発事故がなければ必要のなかった避難であるにも関わらず、なぜ『わがままな不法占拠者』として訴えられなければならないのか」「国家がわずか8世帯を訴える。こんな事はあってはならないし、ありえない」「原発事故はまだ終わっていないのに、私たちの自己責任にしている。あの時、苦渋の選択をした避難者が、住宅の追い出し訴訟をされている。この国はここまで腐っている」(米沢追い出し訴訟被告の武田さん)
 安倍政権と福島県は「復興と地方創生」を語り、20年東京オリンピックまでに、年間20㍉シーベルト基準で避難指示の解除の強行と帰還の強制、「自主避難者」住宅支援の打ち切り、甲状腺検査の縮小にむけて激しく動き出し、原発事故・福島をなかったことにしようとしています。その最悪の先兵がJR東日本であり、JR常磐線延伸の攻撃を強行しています。
 トランプと安倍が北朝鮮を挑発し、一方で中東危機が激化する中、世界戦争がいつ始まってもおかしくない情勢です。安倍政権は天皇制を前面に押し出し2020年改憲に向かって動き出しました。2020年オリンピックを頂点にあらゆる手段を使って挙国一致体制を図ろうとしています。7年目をむかえる「3・11」をめぐる決戦は安倍の戦争・改憲・労働法制改悪・大量解雇攻撃との一大階級決戦となっています。

◆被曝労働拒否と常磐線全線開通阻止の闘い

 「浪江町ではいたるところが更地になっている。こんなところに戻ってきて何の意味があるのか」「自治体労働者の仕事とは何だ。住民を守ることが仕事ではないのか」
 JR常磐線延伸の攻撃に対し、動労水戸・動労福島を先頭に、4・1浪江―10・21富岡現地で記念式典粉砕行動が叩きつけられました。
 3・11福島第一原発事故以来、不通となっていた常磐線の浪江延伸に対して、昨年4月1日、動労水戸のストライキ決起を先頭に、動労福島、動労福島・宮城県支部、動労総連合新潟、ふくしま共同診療所が決起しました。浪江・希望の牧場の吉沢正巳さんも合流し、80人が浪江駅前での抗議闘争を展開し、開通記念式典を完膚(かんぷ)なきまでに粉砕しました。
 4・1浪江闘争をともに闘いぬき都庁議事堂レストランで福島署名を呼びかけた女性労働者にかけられた解雇攻撃との闘いと、安倍と小池による4月1日「自主避難者」住宅支援打ち切りに対する闘いは、新たな闘いへと発展していきました。
 さらに10月21日、JR東日本の冨田社長自ら現地入りし、安倍政権の避難指示解除とそのお先棒を担ぐ常磐線全線開通攻撃に対し、10・21動労水戸がストライキを行い、浪江・希望の牧場の吉沢さんも合流し、地元の住民も参加してペテン的な常磐線富岡延伸の阻止闘争を闘いぬき、JR東日本の冨田社長のあいさつすらできない状況を強制しました。

◆被曝と帰還の強制反対署名運動で〝福島の怒り〟を結集

 ふくしま共同診療所が中心となって呼びかけた「被曝と帰還の強制反対署名」は1年間で4万5千筆を超えました。福島県に対し5回にわたって署名の提出と申し入れを行い、地元福島の甲状腺がん患者と家族、帰還強制の浪江町住民、避難者の怒りが申し入れの先頭に立って県を質し問い詰めていることが、全国の人々の怒りにつながっていきました。
 ふくしま共同診療所が行ってきた、労働組合や仮設住宅訪問、避難者との交流とエコー検査の開始などの取り組みを通して「みんなの希望診療所」として、被曝と帰還の強制に絶対反対の闘いとして動き出しています。

◆被曝労働拒否の闘いが全国へ拡大

 2017年12月13日、広島高裁は「伊方原発3号機の運転差し止め、今年9月末まで運転を認めない」決定を出しました。 愛媛県職労は「住民も労働者も被曝してはいけない。住民のみなさんの生命と生活を守っていくことが自治体労働者の最も重要な役割です。だから原発は廃炉にするしかない」と闘い抜いています。京都府職労舞鶴支部は「被曝労働拒否の闘いが戦争を止める労働者の闘いになる」と、デタラメな原発避難訓練を弾劾し「戦争反対!原発反対!」で闘っています。
 動労水戸の被曝労働拒否闘争は、愛媛、舞鶴へとつながり、全国の反原発闘争、被災地の闘いとの団結を築き原発即時廃炉の闘いへ発展しています。

◆労働組合の存在意義かけて3・11をたたかおう!

 福島県は「オリンピックで復興を成し遂げる」として野球とソフトボールの競技を招致し、一方、避難者を提訴して暴力的に住宅を奪う、被曝と帰還の強制を推し進めています。
 平和フォーラム(労働組合が軸)などが中心となった福島県民集会が、3月17日に双葉郡楢葉町天神岬スポーツ公園で開催されることになりました。これまで「参加者が集まりやすいように、3・11にはこだわらない」と、3・11を外して開催してきました。今年は3・11が日曜であるにも関わらず3・17にずらし、福島第一原発から約15キロ(第2原発から8キロ)の楢葉町で開催するというのです。
 楢葉町は2015年9月に避難指示が解除され、今年3月末で仮設住宅の無償提供が打ち切られようとしています。避難指示が解除されてから2年半経過しても、住民の3割しか町に戻っていません。今でも1000世帯が仮設暮らしと言われ、住民意向調査でも2割が4月以降の住まいの目処はたっていないと答えています。
 このような楢葉町での開催は、安倍政権の「復興」=帰還の強制を後押しするものです。20年3月までの常磐線全線開通を労働組合の側から推進するものです。
 安倍の「復興」=帰還の強制を後押しするのが労働組合のやることなのか。福島をなかったことにしていいのか。労働組合の存在意義が問われています。
 動労水戸・動労千葉・動労福島・動労東京の4組合が呼びかけとなり、「被曝と帰還を強制する常磐線全線開通反対署名」が開始されました。この署名をもって全国の労働組合に分け入り、3・11反原発福島行動への賛同と参加をよびかけていきましょう。分裂・崩壊する連合を打倒する決定的チャンスです。 JR、自治労、教組などあらゆる労働組合に分岐を持ち込み労働組合のあるべき姿を問う組織戦として闘い抜きましょう。
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3・11反原発福島行動18

日時:3月11日(日)13時~集会(正午開場)/15時~
郡山駅前までデモ
会場:郡山市民文化センター(福島県郡山市堤下町1―2)
主催:3・11反原発福島行動実行委員会