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関西のたたかいの中から 被曝労働拒否の闘いで原発と朝鮮侵略戦争をとめよう

月刊『労働運動』34頁(0335号08/01)(2018/02/01)


関西のたたかいの中から!
被曝労働拒否の闘いで原発と朝鮮侵略戦争をとめよう!

(写真 、舞鶴市内をデモ行進)


朝霧 広巳(京滋労組交流センター)
 朝鮮侵略戦争が切迫している今日、「戦争が始まる前にゼネストでとめる」闘いの実現が求められています。安倍とトランプは本気で戦争をやろうとしています。しかもこの戦争を許せば核戦争に破滅的に向かっていくことは不可避です。生き延びるためには核兵器を使用して、戦争を引き起こすことも辞さない資本主義を今こそ労働者階級の国際連帯の力とゼネストで打ち倒そう!
 安倍は戦争をするために、永年の「悲願」である国鉄闘争を軸とした労働組合の階級的団結を潰し、改憲攻撃を行い、天皇の即位をメーデーにぶつけようとしています。「国民統合」としてオリンピックを強行し、オリンピックの利権を貪(むさぼ)る資本は、オリンピック特需として、労働者を非正規職に叩き込もうとしています。
 2018年はまさに勝負の年です。1月からの通常国会を「働き方改革国会」と称して、労働法制大改悪を一気に強行しようとしています。これは3月末の有期雇用労働者450万人の大量解雇攻撃と一体です。しかし、労働者に怒りは渦巻いており、膨大な労働者が立ちあがることは必至です。だからこそ階級的労働運動の絶対反対の拠点を今、打ち立てることが問われています。

◆京都府職労舞鶴支部の闘い

 舞鶴では、3年前から京都府職員労働組合舞鶴支部を中心に、原発の即時廃炉、再稼働反対の闘い、動労水戸に続く被曝労働拒否の闘いを本格的に開始しました。それは3・11フクシマとの連帯をかけた闘いでもあり、労働組合の力で原発、戦争を止め、この社会を変えていく根本的な闘いです。
 昨年の2・26舞鶴1万人行動は大成功しました。同時に地域で闘われていた福井県高浜町音海(おとみ)地区、舞鶴市朝来(あせく)地区での「高浜原発1、2号機運転延長反対」「災害弱者の安全確保要求」の闘いと結合し始めました。労働組合の拠点が立てば、地域の怒りや闘いと結びつくことが実証されてきました。
 その核心は被曝労働拒否の闘いです。自治体労働者を始め、防災業務従事者の高線量被曝の労働を伴う「避難計画」は、労災認定基準をも超えて労働者に被曝を強制します。 舞鶴支部は、「被曝して働くのか」「被曝してまで誰のために働くのか」と問いかけ、自らの労働の問題として、そして住民と団結して住民と労働者の命を守る闘いとして被曝労働拒否を訴えました。
 被曝労働拒否の闘いは、「労働の奪還」で言えば、単に反原発で労組と地域を組織すること以上に、具体的な仕事を巡って私たちの考え方をはっきりさせるものとなります。 それは本来の自治体労働者の労働とは何か。人間と地域の共同性を創造する、来たるべき社会の核が、自治体労働者の労働になります。そうした観点で見れば、自らと住民を被曝させることを前提とした「避難計画」そのものは、全く労働者とは相容れないものです。
 現在、内閣府が作成した「緊急時対応」(避難計画)では、警戒事態の時に、京都府は43人を動員するとしていますが、具体的に人員の動員計画の策定はできていないのです。いや指定できないのです。当局が策定できないことを労働組合の力関係で強制しています。労働組合の職場闘争の課題として、被曝労働拒否=人員指定させない闘いを継続し、京都府を追いつめています。

(写真 、舞鶴市内で集会)

◆1・14舞鶴現地闘争

 1月14日、舞鶴支部が中心となって呼びかけた「高浜原発今すぐ止めろ! 大飯原発再稼働絶対反対! 朝鮮侵略戦争絶対反対!」集会(東舞鶴駅南公園)には、関西各地から自治体労働者を先頭に110人が結集しました。
 前日の伊方闘争に引き続き、自治体労働者が被曝労働拒否を掲げて、伊方、舞鶴に登場した意義は大きいです。
 基調報告では、舞鶴支部長の長岡達也さんが「神戸製鋼所の製品データ改ざん問題があっても高浜原発3・4号機は再稼動を続け、地域住民の安心・安全は無視されています。命より金儲けに執着する政府と電力資本に対し、原発絶対反対で抗議の声を上げよう。国は原発を推進しても、事故発生時には何も責任を取ろうとしていません。またこの舞鶴は、日本海唯一の海上自衛隊の基地がある町です。戦争が切迫しているなかで、舞鶴の地において、朝鮮戦争反対の闘いをやっていこう」と提起しました。
 続いて、婦人民主クラブ全国協議会、全国水平同盟の仲間、動労西日本の原田隆司さん、大阪市職の赤田由行さんの発言がありました。
 残雪の中を元気よくデモに出発しました。途中で住民がデモに飛び入り参加するなど、確実に私たちの声は地域に響いています。

◆労働組合が中心となって反原発と反戦を

 労働組合が立ち、国際連帯とゼネストで地域をも組織して原発と戦争をとめる闘いを実現しましょう。
 とりわけ舞鶴では、被曝労働拒否の闘いが、同時に戦争を止める最大の労働者の闘いになります。第3護衛隊群、第21航空群等を擁する舞鶴海上自衛隊は、沖縄に続き朝鮮侵略戦争の前線基地に位置しています。また、原発関連労働者と同時に、多くの若い兵士も舞鶴にはいます。
 労働組合が原発労働者に一緒に闘おうと呼びかけたように、若い兵士にも「資本家のための戦争反対! 一緒に闘おう!」と労働組合が呼びかけ、組織するチャンスが到来しています。
 戦争切迫情勢で1・14集会は反原発闘争と戦争反対を訴える決定的集会となりました。再び舞鶴の地で反戦・反原発集会を勝ち取る決意です。
 今、連合や全労連など体制内勢力が原発も戦争も容認し、絶望と諦めを組織する中で、国鉄闘争を軸とした階級的労働運動の大飛躍が求められています。京都府職労本部(日本共産党系)との激しい党派闘争が、原発や解雇問題を巡って始まっています。
 舞鶴支部を中心とした、反原発と反戦の陣形をさらに拡大強化して、18年から始まる戦争・改憲発議・労働法制大改悪・天皇即位との闘いに打って出よう!