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「9条改憲発議絶対反対! 朝鮮戦争とめよう!3・25大行進」へ全国から結集を

月刊『労働運動』34頁(0336号08/01)(2018/03/01)


「9条改憲発議絶対反対! 朝鮮戦争とめよう!3・25大行進」へ全国から結集を!


飯田 英貴(全国労組交流センター事務局長)

 全日建運輸連帯労働組合関西地区生コン支部、全国金属機械労働組合港合同、国鉄千葉動力車労働組合などが呼びかける、「9条改憲発議絶対反対! 朝鮮戦争止めよう! 3・25大行進」(日比谷野音)に全国からの結集を呼びかけます。

労働組合が戦争に協力するのか

 安倍首相は、3月25日の自民党大会で9条改憲案をまとめ、秋の臨時国会で改憲を発議、そして来年春には国民投票を実施する方針を固めました。来年5月1日の新天皇即位、その秋に行なわれる即位の礼、大嘗祭の過程を「静かな環境」で迎え、2020年に新憲法を施行するには、国民投票は来春しかないと決断しています。
 また、朝鮮半島―東アジアをめぐる戦争の危機が切迫しています。2月2日に米トランプ政権は、「抑止」から「使う」に転換する恐るべき「核戦略見直し」を発表し、安倍政権はそれを「高く評価する」と表明しました。人類の生存を脅かす核戦争の危機を絶対に止めなければなりません。
 そして安倍政権は、かつて戦争遂行のために労働組合を産業報国会に再編したように、連合を改憲推進勢力としてとり込む以外ないと考えています。そのために経団連の新会長に日立製作所会長であり、JR東海名誉会長・葛西と共に安倍を支援してきた改憲派の中西宏明を据えました。それと軌を一にして、UAゼンセンが今秋にも憲法9条2項の削除、「自衛戦力の明記」などの見解を土台に、「国の基本問題」を組合方針としてまとめるとしています。労働組合が再び戦争に協力するのか否かがいま問われています。
 こうした重大情勢を前にして、動労千葉の呼びかけに、関西生コン支部、港合同、そして、とめよう戦争への道!百万人署名運動事務局長の西川重則さん、「日の丸・君が代」不起立被処分者の根津公子さん、世田谷地区労顧問で非正規職問題に尽力されてきた花輪不二男さんが応え、「改憲・戦争阻止大行進」の呼びかけに名を連ねて下さっています。これらの方々とは、国鉄闘争を軸とした労働運動の分野で長年共闘してきた土台があります。しかし、改憲阻止という政治闘争において、動労千葉の呼びかけに一も二もなく賛同してくれたことはこれまでの延長に考えることは出来ません。問われているのは私たちです。
 あらためて、改憲と戦争に反対することは日本の労働組合、労働者にとって特別な任務だということです。それは労組交流センターとは何かということにも深く関わっています。
 89年連合結成に抗して結成した全国労組交流センターは、2年後の91年7月、臨時全国代表者会議を開催し、当時、PKO法案と小選挙区制法案の国会上程が目論まれていた中で、これと闘い、改憲・戦争阻止の闘いを交流センター運動の中軸に据える論議を行いました。
 わずかな勢力で出発した労組交流センターが、反戦政治闘争を真に闘い抜くことを通して、連合や全労連の腐敗、屈服を乗り越えると決意して闘いに立ち上がったのです。それは、全国労組交流センターの思想的路線的核心が、連合や全労連を批判=共存して体制内に居場所を求めるのではなく、労働者階級自身の力を体制内の呪縛から解放し、その根源的力で全てをひっくり返していくことにあるのだということを、改憲・戦争絶対反対の具体的闘いを通して内外に示した闘いでした。
 そして、いよいよ改憲が具体的問題として私たちの前に迫っています。憲法をめぐる闘いは国のあり方をめぐる問題であり、本質的にどの階級が権力を握るのかという社会変革の問題に行き着きます。賛成であろうが反対であろうが改憲と戦争の問題はすべての労働者、民衆の問題です。全国交流センター結成の原点に立ち返り、これまでの私たちのあり方を超え、全てを獲得しなければなりません。職場・地域で一歩踏み出す努力を始めましょう。

被曝・非正規をめぐる闘い

 3・25集会の成功と一体で二つの重要な闘いが始まっています。3・11フクシマ反原発集会の組織化と労働契約法の「無期雇用転換ルール」を逆手に取った年度末非正規解雇に反対する闘いです。それは被曝労働拒否と非正規職撤廃の路線と実践をめぐる闘いです。
 3・11をめぐっては、3・17に政府が「復興」の拠点と位置づける楢葉町で集会が開催され、そこに福島県を中心とした自治労や教組が動員されようとしていることとの闘争になっています。「個人的には反対だが、組合としては3・17に取り組む以外ない」というところ、逆に楢葉の集会には反対だというところが現れ、分岐が始まっています。
 また、非正規の無期雇用転換をめぐっては、無期雇用に転換されたとしても待遇は変わらない「最低賃金レベル」の現実に対し、動労千葉の闘いがこれを打ち破る闘いに立ち上がりました。動労千葉は、2年間に及ぶ闘いの末、子会社である千葉鉄道サービス(CTS)において、ほぼ希望者全員の無期雇用転換(約200人)を勝ち取りました。しかしCTSでは正社員も含めて毎年200人が生活できないと辞めていく現実があります。これに対して動労千葉は所属組合を越えて大幅賃上げの闘いに打って出ようとしています。
 戦争、被曝、非正規との闘いに中途半端なものはありません。国鉄決戦を基軸に、命をめぐって資本・国家権力との非和解の闘いが始まる一方で、連合の改憲勢力化が始まりました。そして、JR東日本はついに、30年以上にわたる東労組・革マルと結託した労務政策を転換し、「東労組解体」に全面的に踏み出しました。
 改憲決戦は労働運動をめぐる攻防です。自らの保身しか考えてこなかった腐りきった労使一体の支配が崩壊を開始し、今こそ私たちが貫いてきた「絶対反対」の闘いが力を持つときです。
 田中委員長は、動労千葉労働運動の最大の教訓として「どんなに小さな労働組合でも、労働者階級全体の利益、労働運動全体の前進という観点を貫くこと。そうしたときにどんな攻撃にも揺るがない団結が生まれる」と言っています。動労水戸の被曝労働拒否闘争も、組合員だけを守るという狭い利益の闘いではないがゆえに資本・国家権力との強烈な力関係を形成しているのです。階級的であるということは、全国・全世界の労働者階級の利益のために闘うことであり、その立場において「絶対反対」を貫くことです。そしてそれは戦術の問題ではなく職場の労働者の気持ちと深く結びつく必死の努力からしか始まりません。
 全国労組交流センター運動の変革をかけて、3・25集会の成功を勝ち取りましょう。
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9条改憲発議絶対反対! 朝鮮戦争とめよう!
3・25大行進inHIBIYA
●3月25日(日)午後1時~3時●日比谷野外音楽堂
 集会後、銀座をデモ行進
●主催/改憲・戦争阻止!大行進実行委員会