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ゼネストと国際連帯で朝鮮戦争を止める 関西入管集会の報告

月刊『労働運動』34頁(0338号05/01)(2018/05/01)


ゼネストと国際連帯で朝鮮戦争を止める!
※関西入管集会の報告


赤田 由行(大阪市職員労働組合)

 今年の入管集会は、切迫する朝鮮侵略戦争情勢の下、戦争をゼネストと国際連帯で絶対に止めるという決意で勝ち取られ、また、それが可能であるという確信をつかむことができた。

◇朝鮮戦争は超切迫している

 集会の前日に米英仏によるシリア攻撃が行われ、安倍政権はすぐさま支持を表明した。絶対に許せない。一方、朝鮮半島をめぐる情勢は、平昌(ピョンチャン)オリンピック開催や米朝首脳会談の実現に向けた動きなど、融和ムードが広がっている。民団も機関紙で、融和ムード歓迎の記事を出している。しかし、事態は「会談決裂→開戦」を前提にしていると見ることが必要である。朝鮮戦争はむしろ切迫している。
 また、昨年ごろから、鶴橋など在日の町では、右翼による排外主義的な街宣やデモが日常茶飯事となっており、在日の町では「戦争反対」という当然の声を上げることすら難しくなっている。

◇この間の闘いの到達地平としての入管集会

 しかし、このような現状に風穴を開けるような闘いが、この1年間で勝ち取られてきた。「朝鮮戦争に反対する在日朝鮮人の会」が中心となって取り組まれてきた、民主労総のDVD上映会や日韓連帯の鶴橋デモでは、毎回、在日の町から新たな参加者を迎えて成功している。JR桃谷駅での街頭宣伝も毎回、ビラが吸い込まれるように無くなり、地域住民とのつながりが生み出されている。
 労働運動を軸にして闘いの旗を立てたときに、地域丸ごとを獲得できる展望が開かれるという、韓国・民主労総の闘いからつかみ取ってきたことと同じことが、この関西の地において起こり始めている。このような闘いの到達地平として、今年の入管集会は行われた。

◇韓国・民主労総の闘いと連帯する関西の闘い

 集会の基調提起は簡潔にして鮮明で、朝鮮戦争を絶対に止めるという参加者全体の決意をうち固めるものとして行われた。
 私が今回の集会でもっとも感動したのは、関西各地からの闘いの報告である。韓国・民主労総の闘いと真に連帯する闘いが、関西の地からついに開始されたことに対して、一人の労働者として非常に嬉しく感じた。
 とりわけ、高槻医療福祉労働組合のストライキ決起の報告と、日教組奈良市の非正規講師解雇に反対する闘いの報告は、「実力闘争を恐れない」(民主労総のヨンスノク首席副本部長)決起であると同時に、ゼネストの展望を切り開く闘いとして、自信に満ちた圧巻の報告であった。また、最後の動労西日本からは、今春闘でのストライキ闘争がついにJR東労組の崩壊をもたらし、労働運動全体を塗り替えるチャンスが来ていることが報告された。そして、これらの報告を受けて、「動労千葉、動労総連合の30年の闘いが受け継がれ、今につながっている」(司会)ことが確認された点が重要だと感じた。
 集会後は、大阪のメインストリートである御堂筋を、元気よくデモ行進して締めくくった。
 ストライキを軸とした実際の労働現場での闘いの進展が、真の国際連帯を生み戦争を止める力になっていることを強く確信する素晴らしい集会であった。