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産別・戦線の闘い 第13回 郵政労働者労働者の闘い

月刊『労働運動』34頁(0339号07/02)(2018/06/01)


産別・戦線の闘い 第13回
郵政労働者労働者の闘い

(写真 2月14日地労委申し立て)

愛媛でも労働委員会闘争を開始しました!

日野 亮(愛媛労組交流センター全逓部会)

 2018年2月14日にJP労組四国地本松山支部4人、中予支部2人の計6人で、愛媛県労働委員会(以下地労委)に不当労働行為の申し立てを行いました。大阪、東京に続く3件目の申し立てです。愛媛では「スキル評価制度」、「無期転換制度」に加え「人事給与制度」の廃止を要求しました。大阪、東京の報告は既報されていますので、申し立ての詳細は省きます。
 午前中に地労委に申し立て記者会見を行い、地元のテレビ、新聞の各1社が取り上げました。翌日、職場で「テレビを見た」「新聞を見た」と話題になり、メディアの力を感じました。
 地労委闘争の決断は早い時期にしていました。できるだけ多くの仲間を誘おうと、2017年9月に交流会を持ちました。愛媛県職員労働組合の仲間も参加し、10人前後の仲間が活発に意見交換をしました。交流会までは、大阪、東京と同じように、「スキル評価制度」と「無期転換制度」の二つの制度廃止を求める内容で準備をしていましたが、正規社員のAさんが、職場で受けてきた仕打ちのあまりのひどさに、正規社員を対象にした2014年4月1日実施の「新人事給与制度」も加え(この時「新一般職」を導入)計三つの制度の廃止を要求しようと、11月に2度目の交流会を持ちました。
 2度目の交流会の場で、Aさんから「もともと非正規の仲間の不当な扱いをやめさせる目的で、大阪も東京も始めたのだから、交流会に参加している非正規の仲間にも参加してもらうのが筋じゃないの、私は5番目の参加でいい」という提起があり、もう少し周りの人を説得することにして、18年1月に3回目の交流会を持ちました。
 結果的に3回目の交流会の場で、高齢再雇用の私、正規社員4人(地域基幹職)、アソシエイト社員1人の計6人で申し立てをすることになりました。
 当初の3人が6人になる過程で多くの教訓がありました。Aさんを当該にして申し立てをするために、正規社員に対する「新人事給与制度」の廃止を要求に加えましたが、Aさんから「非
正規の仲間を申立人に獲得しよう」と言われ、地労委闘争を闘う意味を真剣に考えるきっかけとなりました。

正規・非正規の一致をかちとる

 私たちは、「非正規社員の仲間が地労委への申し立てに加われば、会社から非正規社員に対するよりひどい不利益を受けるだろう」という思いが強く、正規社員が前に出て闘うのが妥当ではないかという気持ちでいました。Aさんの「非正規の仲間も一緒に申し立てを!」の提起は、私たちが「正規・非正規の団結をどう考えているのか」ということを問うものでした。
 日頃から「正規労働者と非正規労働者の団結でこの社会を変革しよう」と言ってきた中身の問題です。「非正規労働者を社会変革の主人公として、ともに闘う仲間だと思っているのか!」ということです。職場で共に闘う主人公として位置付けてないから「一緒に申し立てをやろう」とならなかったのです。それは「立場の弱い非正規労働者に対する配慮」ではなく「非正規労働者は職場で人生をかけて闘うことは無理」と思っているということです。そこから私たちの正規・非正規一体になった転換が始まりました。「職場で首になっても、社会の主人公になるまで一生団結して闘おう」という一致をかちとり、アソシエイト社員のB君が申し立てに加わる決断をしました。B君の決起はすぐさま正規社員のC君の決断を引き出しました。
 私が今年3月31日で高齢者再雇用が終了となるので「もう少しじっくり時間をかけて申し立ての仲間を増やそう」という仲間もいましたが2月14日に申し立てをすることになりました。

本格的な調査が始まる

 4月4日に愛媛県労働委員会による1回目の調査がありました。2回目以降は、6~9月まで毎月1回、計4回の期日が設定されています。
 1回目の調査の最後に、申立人、被申立人、地労委の委員、事務局が一堂に会し、次回以降の日程を決めました。地労委の委員長から「7月23日に日程を入れたい」という提案に対して、仲間の一人が「そこは最繁忙期なので別の日に」と言う要望を出すと、すかさず別の仲間が「会社が休みを出さなかったら不当労働行為だ」と言ったところ、一瞬で会社と労働者の相容れない関係を理解し、全員の承諾で提案通り日程が入りました。闘いがあれば、労働者はすぐに階級性を獲得できる、必要なのは闘う労働組合の存在だと強く感じました。

「ハンドル」が大きな力に

 愛媛では、全国一斉の雇い止め攻撃の時に裁判闘争をやりましたが、地労委闘争は初めてです。弁護士を立てず自力で始めたので、「準備書面」や証拠をつくるのが大変です。これまで準備書面を6通、証拠を59号証まで地労委に提出しています。自爆営業、ロッカー点検などを問題として取り上げています。
 私たちは「ハンドル」という機関紙を発行しています。2018年5月20日段階で、計109号になります。地労委闘争で、廃止を求めている三つの制度の導入に反対し、JPEX(宅配便統合)設立や失敗後の大規模な雇い止めに対して、職場の声、怒りを伝えてきました。今回の申し立てに際しても、多くの「ハンドル」の関係号を証拠として提出しています。「ハンドル」は、私たちの所属する職場に限らず、他地区の仲間の力も借りて四国内の職場にまかれています。JP労組内の階級的立場を貫く「反対派」として、今後も職場で編集委員と読者を拡大していきたいと思います。

大会代議員選挙に5人で立候補

 第11回JP労組全国大会が6月13~14日香川県高松市で開催されます。今回地労委に申し立てた6人のうち、資格のない私を除く5人が四国地方区(定数5人)に立候補しました。
 申し立ての6人、愛媛県職労の三役の皆さんに、愛媛労組交流センター事務局の平野さんの4人が補佐人を引き受けてくれ、計10人を軸にして、職場の仲間が加わり、和気あいあい、生き生き、楽しく団結を固めながら地労委闘争を闘っています。まだ始まったばかりですが、審問の時には現場の多くの仲間に傍聴に来てもらって、団結をさらに拡大したいと思います。