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産別・戦線の闘い第17回 郵政労働者の闘い 郵政労働者の魂を甦らせ、改憲・戦争を阻止

月刊『労働運動』34頁(0342号07/02)(2018/09/01)


産別・戦線の闘い 第17回 郵政労働者の闘い

(写真 6月JP労組大会で本部批判の街宣)

戦後革命期の先頭で闘った郵政労働者の魂を甦らせ、改憲・戦争を阻止しよう!

星野 勝紀(JP労組東京銀座支部)

逓信報国団へと一線を越えたJP労組執行部を許さず職場から反乱を!


 全国の郵便局で働く仲間のみなさん、産別を超えたすべての仲間のみなさん、全国労組交流センター・全逓部会は、2018~19年の改憲阻止決戦の先頭で闘います。
 1980年代以来の新自由主義政策は破産し、資本主義は世界戦争を引き起こすことでしか生きていけなくなりました。労働者の団結した力で資本主義を打倒し、革命をやる以外に戦争を止める道はありません。
 6割の非正規職化、殺人的な強労働、荒廃した職場環境、こうした現実こそ民営化の現実であり、その元凶は、安倍政権を支える日本郵政資本と連合・JP労組中央の結託体制です。
 この結託体制を粉々に打ち砕き、職場に闘う労働組合を取り戻そう。「郵政民営化絶対反対!民営郵政とそれを支える連合・JP労組中央打倒」を共通のスローガンに改憲・戦争阻止の闘いを職場から作りだそう!

二度と野戦郵便局員を出さないぞ

 革命以外に戦争を止める道はないと言う時、今一度戦争の現実を直視しなければならない。
 1931年以来、15年戦争(中国侵略から太平洋戦争)で日本軍が虐殺した朝鮮・中国・アジ
アの人々の数は少なく見積もっても2000万~3000万人。兵士として戦場にかり出された日本人は延べ1000万人超。この戦争で312万人が死亡(政府統計)。実際には戦闘による死よりも餓死などの悲惨な死に方が多数。この数には、広島・長崎の原爆犠牲者21万人、沖縄戦15万人、東京大空襲10万人など一般民衆も含まれています。この歴史こそ「自衛のため」と称する帝国主義の侵略戦争に労働者が動員され、他国の労働者と殺し合わされた現実です。
 当時、逓信報国団のもと35万逓信職員は、「大逓信一家族主義」を基本理念に「高度国防国家の確立」のための逓信事業の完遂―生産性向上に動員され、1943年5月29日のアッツ島玉砕では、兵士としてではなく野戦郵便局員として派遣され全員が死亡。その死に対して昇級と逓信報国団・団長からの「よくやった」という訓示。
 今の職場も同じじゃないか。配達に追われ駆けずり回って、あげくの果てに交通事故で死んでも事故事例の見本にされるだけだ! 二度と野戦郵便局員を職場から出さないぞ!

労働者は必ず立ち上がる

 敗戦後、支配階級の戦争責任を追及し、「食料をよこせ」「住む家をよこせ」「食える賃金をよこせ」という民衆の切実な要求の先頭で闘い、1947年2・1ゼネストを準備する闘いを先頭で担ったのは郵便労働者でした(18春闘でJP労組中央が屈服して縮小された寒冷地手当もこのときの要求)。47年3月30日、GHQが武力干渉の最後通牒をしても郵便労働者は腹をくくっていました。全逓中央闘争委員会は58対16でスト突入の最後決定。それを裏切ったのが日共スターリン主義です。当時の職場ではこの裏切りに対し「火消ポンプ」と言ったそうです。
 今、改憲・戦争と闘うとき、闘う労働組合を甦らせること、労働者自らが労働者の政党をつくりだすことが歴史の教訓から待ったなしです。その闘いは、職場生産点にあり具体的です。闘いの核心は「労働者は必ず立ち上がる」ということです。決起と正しく結びつくことです。

産別部会と地区センターの団結で改憲阻止へ

私たちは、JP労組第11回定期全国大会(6月13~14日高松)における大会闘争を、安倍の改憲・戦争―労組解体攻撃粉砕、改憲・戦争阻止!大行進運動の具体的実践として闘いました。

 大会で連合・JP労組中央は、改憲・戦争について沈黙することで容認しました。さらに、働き方改革、とりわけ同一労働同一賃金をめぐって、春闘妥結内容(一般職の住宅手当をはじめとする各種手当の廃止縮小)の承認を求めてきました。当局は、「同一労働同一賃金の前提として定期昇給の廃止」を叫んでいます。これが意味することは、新人事・給与制度を出発とする新一般職導入、昨年10・1無期転換制度導入と合わせた総非正規職化攻撃です。それを協約化し、働き方改革関連法整備の前にやってのける、かつての逓信報国団へと一線を越えました。その一線とは、戦後の終身雇用を前提とした年功賃金の解体であり、戦後的労働者支配のあり方の転換です。
 当局とJP労組中央が口をそろえて叫ぶ「頑張った者が報われる」人事評価制度のエスカレートで、さらなる分断と団結破壊に突き進み、その矛盾を排外主義的に戦争に動員しようとしています。
 これに対して現場から反乱が開始されています。本部方針案に対する一票投票で反対票が92票入りました(一号議案・投票総数481、賛成387、反対92、棄権2)。反対票は一昨年の35、昨年の55から大幅に増え、現場の怒りが突き出されました。全国大会における東京地本の発言は新東京支部・支部長で、「本部方針に賛成の立場」です。しかし、新東京支部の支部委員会では、委員の全員が「一般職の住宅手当廃止に反対」。近畿地本ではJP労組中央の春闘妥結撤回署名を集める分会の登場など。これは氷山の一角です。
 職場の怒りをひとつにして連合・JP労組中央支配を打ち砕こう! 職場を労働者の手に取り戻そう! その力で改憲・戦争絶対反対の闘いを職場・地域に拡げよう!
 そのためにも、産別部会と地区センターが団結することです。闘いは具体的です。職場の労働者の意識を知っているのはそこに働く全逓部会の会員です。その労働者の意識の変化を部会の会議、地区センターの会議の議題にしよう。その意思の変化と結びつくためにはどうしたら良いか、知恵をしぼろう。さらに、地域各局への系統的なビラ入れ、そのための体制の確立など超具体的な闘いに入ろう! 全国労組交流センターは団結して闘おう!