月刊労働運動-Home> 地平線 > | 連載 >

地平線 全学連大会で新執行部が誕生!キャンパスでと改憲阻止を一体で闘う

月刊『労働運動』34頁(0343号16/01)(2018/10/01)

地平線
全学連大会で新執行部が誕生!
キャンパスでの攻防と改憲阻止を一体で闘う!

斎藤 郁真(前全学連委員長)

 9月1~2日にかけて行われた全学連第79回定期全国大会では、高原恭平新委員長(東大2年)・加藤一樹新書記長(京大1年)を軸とする新執行部が誕生しました。大会の過程においても若い学生たちが議論を終始リードし、産学連携が進み、学生・教職員への管理が激しくなる現状をいかに突破していくのか活発に意見を交換していきました。新委員長・新書記長となった2人の存在は新しい時代の象徴です。
 また、東大・京大という、支配階級から本来は次の支配階級を輩出することが期待されている大学からの若き全学連執行部の登場は、社会に衝撃を与えています。ネットメディア「AERAdot(アエラドット)」では高原委員長へのインタビュー付きで全学連執行部の登場が報じられ、このニュースはわずか1日で約20万回も見られて「注目記事ランキング」の1位を獲得しました。「前進チャンネル」の取り組みと合わせて、全学連への注目はさらに上がっています。

大会の成功が改憲策動への反撃

 大会では、2000年を前後して激化した大学改革・約20年にわたる新自由主義下の大学との攻防の総括の上に、安倍政権が狙う改憲との対決を据えて方針が提起され、この1年を「キャンパスでの自治破壊・管理強化をめぐる攻防」と「改憲・戦争阻止の決戦」の2本の柱を立てて闘うことが全体の機運となりました。両方の運動の論理を大事にし、それぞれを無理やり結合させるのではなく、時代認識を据えて、団結の拡大・組織建設と活動家の拡大で総括して一体にしていこうと一致しました。危機に陥る資本主義社会全体における最先端の攻防として、大学キャンパスでの自治破壊との攻防を闘い、同時に、国家権力そのものと対決して、学生を階級的に組織する取り組みをするということです。そうやって組織された力をもって改憲を阻止し、社会の力関係をひっくり返していきたいと思います。
 そして何より、全学連大会の成功自体が安倍政権の改憲策動への巨大な反撃です。労働組合をはじめとして労働者民衆の団結を解体し、抵抗力を奪うことと改憲はワンセットだからです。かつて国鉄分割・民営化について中曽根元首相は「お座敷をきれいにして立派な憲法を安置する」と述べましたが、「お座敷」はきれいになりませんでした。動労千葉の二度のストライキは1047名解雇撤回闘争を生み出し、その闘争の歴史が「闘争の希薄な世代」である今の全学連を育てました。そして資本家階級の「想定外」に全学連は生き残り、キャンパスにおけるさまざまな怒りの結集軸として再び登場しはじめているのです。歴史は労働者・学生の側から作られるときが近いうちに必ずやってくるでしょう!
 全学連は、臨時国会開会日闘争、10・21国際反戦デー全国一斉行動、11・4全国労働者集会を闘いぬき、改憲阻止決戦の先頭に立つ決意です。共に闘いましょう!