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地平線 三里塚現地闘争に参加してよかった

月刊『労働運動』34頁(0308号11/01)(2015/11/01)

地平線
三里塚現地闘争に参加して本当によかった!
農民の畑に労働者の未来がかかっている

矢部明雄(千葉労組交流センター)
 10・11三里塚集会に参加しました。
 私が初めて三里塚闘争に参加したのは3・29集会で、会場が栗山公園だったこともあり、実際に農地を見ていませんでした。
 今回、私は初めて農地を見て、想像以上の光景に驚きを隠せませんでした。まさに空港の中に農地があるという、文字通りの光景でした。
 会場のすぐそばの柵を隔てた空港用地に大勢の公安警察が詰めかけ、会場の様子を外から監視していましたが、私はその異様な状況から国家権力が市東さんの農地を狙っている構図を見ました。この柵を隔てて向こう側が敵の占領地、そして柵、境界線こそが、階級闘争の最前線なのだと感じ取りました。
 労働者人民と国家権力との闘争の最前線を見ることができたことは、私自身に大きな意義を持ち、今後の闘争の大きな糧となりました。労働者、学生、農民という立場を超えた団結の強さと、それが権力に対してどう振る舞うべきかを導いてくれるということです。
 会場に詰めかけた人々は、生き生きと猛々しく権力を圧倒するほどの活気さで集会を成功に導きました。私は彼らと団結し共に闘えることを誇らしく思い、これから権力に立ち向かう勇気の原動力となりました。
 半世紀もの間、権力が暴力をもってしても反対運動を潰すことができなかったのは、この団結力にこそあります。この連帯による団結は、かつて選挙の人気取りのために三里塚闘争に参加しようとした日本共産党のような官僚的組織には決してまねのできないものでしょう。それこそが「コミューン」となっていくのだと強く確信することができました。
 この闘争は、真に人間同士の助け合い精神、共闘からなると確信でき、字面では決して伝わることのない雰囲気は、「行ってよかった」という一言に尽きます。百聞は一見に如かずを体現するかのような一日でした。
 権力・資本・体制内運動によって、闘争から遠ざけられている現代の学生と労働者は、この集会を体験することで目が覚めるのではないかとも思いました。現地に行ったインパクトは何にも勝るものだと思います。
 私に労働者自己解放の思想を最も強く印象付けてくれたのが動労千葉の集会でした。労働者の自己解放運動が動労千葉労働運動を筆頭とするならば、農民の解放運動は三里塚闘争がその中心になると思います。いずれ私も職場の仲間を連れてこの集会に結集していきたいと思います。
 三里塚闘争は、農民だけの運動ではありません。三里塚の農民が半世紀もの間、守り抜いてきたあの畑に、われわれ労働者階級の未来がかかっているといっても過言ではないからです。国家権力を打倒するその日まで、労働者、学生、農民は一体となって闘い続ける、その決意を新たにすることができる集会でした。