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「理論なくして闘いなし、闘いなくして理論なし」―前中野洋校長の提起

月刊『労働運動』34頁(0314号07/02)(2016/05/01)


「理論なくして闘いなし、闘いなくして理論なし」
― 2005年動労千葉労働学校での前中野洋校長の提起 ―

いよいよ労働組合、労働者の出番が来た

 日本の中で労働組合はまったく負け戦ばっかりで、たいしたことがないのかというと、そんなに捨てたものではありません。
 労働者はどうしなければならないか。今の状況の中で労働者がくよくよしたことを考えないで、誇りを高く持つ、自分たちが社会を動かしているのだ、社会の主人公なのだ、いつまでも資本家に食わしてもらっているなんて能がないじゃないかと思ってほしい。そして、世界中で労働者の闘いが起こってい るということに確信を持ってもらいたい。そうすれば結構いけるのではないかと思います。

労働者は勉強しなくてはダメだ

 私が四十数年間、労働組合をやってきた経験から言うと、核心は、労働者は勉強しなければダメということです。
 動労千葉の組合員も勉強が大嫌いです。『俺たちは鉄路に生きる』という本がありますが、私はうちの組合員に読ませたい、自分たちが闘ってきた歴史ですから。
 ところが組合員が読まないのですよ。「30年も40年も、耳にタコができるほど聞かされてきたから読まなくてもいい」と言うのです。耳学問ではダメ、 ちゃんと自分が読んで勉強する、実践する、その中で新しい論理をつくっていかなくてはなりません。敵も労働者を分断するために一生懸命勉強しているわけですから、それに労働者が勝つためには、やっぱり勉強しなければいけないと思います。
 私の今の肩書きは、動労千葉の労働者学習センターの校長先生、代表です。毎月やっていますし、周辺からも多くの労働者が学習に来ていますが、これをきちんとやっていくということが本当に大事です。

労働者を絶対に信頼する

 それから、労働者を絶対に信頼してほしい。労働組合は、労働者が集まっているから労働組合というのです。その労働者を信頼しなくては成り立ちません。変な奴もいっぱいいます。変わり者もいるし、気の合わないのもいるし、一緒に酒を飲みたくない奴もいますよ。だけど労働者は労働者でしょう。そこは一番大事なことで、ちゃんとしなければと私はやってきたつもりです。

労働組合の団結は、一人ではできないが、一人がいないとできない

 もう一つだけ。労働者というのは所詮労働組合をやる以外に能のない連中なのです。他に何かありますか。働いてなんぼの生活をやっているのでしょう。私は ずっとそう思ってやってきました。われわれ今から資本家になれますか。多くの労働者は、労働運動をやる以外に能がない、そういう風に考えると、労働運動も 面白くなってきます。ここはぜひまじめに考えてもらいたいと思います。
(2005年中野洋講演の抜粋)