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動労水戸結成から30年!青年労働者を獲得し新たな組合の歴史へ

月刊『労働運動』34頁(0320号06/01)(2016/11/01)


動労水戸結成から30年!
青年労働者を獲得し新たな組合の歴史へ!

10・15動労水戸結成30周年レセプションに150人が結集!

 10月15日、水戸市・水戸京成ホテルにて、動労水戸30周年レセプションを開催しました。組合員・家族、全国からの来賓の皆様を迎え、150人をこえる盛大なイベントとなりました。レセプションの大成功にあたり、ご参加・ご協力を頂いた皆様に紙面をお借りして改めて心より感謝申し上げます。
 当日の受付・会場案内では、組合員と共に動労水戸家族会の皆さんが式の成功を牽引(けんいん)しました。レセプションの司会を高野安雄副委員長・木村郁夫書記長が務めました。30年の闘いを写真と映像で振り返るDVDを上映した後、挨拶に立った石井真一委員長は、結成から30年の歴史を振り返りつつ多くの方々の支えによって今日の動労水戸があることに感謝を述べるとともに、3・11以降の被曝労働拒否・常磐線全線開通反対の闘い、JR全面外注化との闘いをさらに力強く推し進め、青年労働者を獲得して新たな組合の歴史を刻む決意を訴えました。ス労自主・入江史郎委員長の音頭で全員が乾杯、葉山岳夫・動労水戸弁護団長、動労千葉・布施宇一顧問をはじめとする来賓の方々のご挨拶を受けました。発言に立ってくださった皆様、そして参加者一同が、30年来の動労水戸との交流・共闘を語り合い、これからの闘いの勝利の展望について確信を深めました。
 アトラクションでは、今年動労水戸組合員と共にドイツを訪問しドイツ機関士労組やゴアレーベンの反原発運動と交流を深めてきた動労福島の倉岡雅美組合員が映像を紹介。今年8月にJRを退職したばかりの川崎寿志組合員が池田学執行委員とともに息の合った歌とギター演奏を披露しました。動労水戸平支部の川俣辰彦組合員は尺八の独演を披露し、会場が一つとなりました。
 決意表明では、動労千葉・田中康宏委員長を先頭に動労総連合の各単組と動労水戸支援共闘、福島の仲間、学生が闘いの抱負を述べ、動労水戸を代表して乗務員の潮田秀徳執行委員、検修部門の小野裕通執行委員、MTS出向者の根本透組合員、青年を代表して照沼靖功組合員、家族会の辻川あつ子さんがお礼とこれからの闘いの決意を訴えました。辻川慎一副委員長の閉会挨拶を受け、全員の団結ガンバロー三唱で大盛況のもとに式を閉じ、会場を移しての二次会・三次会でも大いに親睦を深めました。

■動労水戸30年史発刊

 動労水戸30年史『燎原の火のごとく 巨大資本JRに勝利した動労水戸の30年』が多くの方々のご協力を得てこのたび発刊の運びとなりました。動労水戸地本青年部・動労水戸旗揚げからの闘いに次ぐ闘いの全てとその勝利の地平、組合員・家族・支援者の方々の生の声と豊富な写真・資料で綴る318ページです。「いったい労働者にとって労働組合とは何か、労働者にとって労働とは何か。『労働者は社会の主人公である』というマルクス主義の本質について、動労水戸の結成から現在までを総括し、振り返ることは労働者階級にとって重要な財産であると考えています」(巻頭の辞「動労水戸30年史発刊にあたって」石井真一委員長)。動労千葉と共に戦後労働運動の「常識」を打ち破ってきた型破りな労働組合の30年間の熾烈な闘いの総括を通して、階級的労働運動・国鉄闘争の到達地平を全面的に総括する迫力ある内容となっています。
 30年の闘いのハイライトを俯瞰(ふかん)する冒頭8ページのグラビアから、石井真一委員長による発刊の辞、そして続く「第一部 団結―鉄輪旗のもとに」は、執行部座談会、青年座談会と、組合員・書記・家族からの寄稿です。組合結成に至る闘いの核心と30年間の闘いの経験がそれぞれの生きた言葉で語られています。私自身も歴代の組合書記として組合員と苦楽を共にしてきた先輩方の思いに触れ、改めて身の引き締まる思いです。
 第二部は辻川慎一副委員長による「動労水戸30年 闘いの軌跡」です。組合結成前史に始まり、分割民営化・JR体制との死闘、最高裁勝利・職場復帰からの闘い、そして3・11以降の新たな闘いへの挑戦とこれからの勝利の展望を、7章構成・128ページで書き下ろす渾身(こんしん)の内容となっています。
 第三部は動労総連合・動労水戸支援共闘、茨城県内と全国の労組・共闘団体からの「連帯メッセージ」です。一つひとつの訴えの中に、自らの生き方を投影して動労水戸に惜しみない支援と連帯を送ってこられた思いが詰まっています。第四部は年表と歴代役員名簿です。30年来の新自由主義の経過と崩壊、その中での動労水戸・国鉄闘争の歴史的位置が一目で分かる資料となっています。
 「いったい労働者にとって労働組合とは何か、労働者にとって労働とは何か」...その一つの実践的回答が、この本の中には確実にあります。「(本書は)全組合員の30年にわたる闘争の意味を再構築し、大動乱の時代にうち立つ労働組合としての戦闘宣言である。そしてなにより、動労水戸とともに歴史を歩みはじめた次世代の青年たちへの限りない信頼と連帯の訴えである」。それは、「普通の青年労働者たち」がかけがえのない仲間と出会い、団結してあらゆる困難を乗り越えて勝利を掴みとってきた「群像劇」の中から、この本を手に取る労働者、とりわけ青年労働者自身に見い出してもらうものに他なりません。
 本書発刊に尽力くださった全ての皆様に心より感謝申し上げ、本書が一人でも多くの労働者・青年に力を与えるものとなることを祈念いたします。
 西納岳史(動労水戸書記)