月刊『労働運動』34頁(0321号02/07)(2016/12/01)
※ 訪韓闘争に参加して
日本でも100万決起はつくり出せると思った!
11月労働者国際共同行動の一環として、11月12日(土)~13日(日)韓国・ソウルでの全国労働者大会・民衆総決起大会に動労千葉訪韓団の一員として参加しました。この間の民主労総のゼネスト決起の情勢に加え、パククネ大統領の「チェスンシル・ゲート」問題もあいまって、11月12日の闘争は決定的な位置を持つようになりました。
11・12の闘争は文字通り歴史的闘いとなりました。100万人を超える労働者・学生・農民などが首都・ソウルに結集し、「パククネ退陣!」「ゼネスト勝利」を叫びました。100万人を超える人民の結集はもちろん初めての経験で、ソウル市の中心部が人・人・人で埋め尽くされ、道路もすべてが人民が占拠する解放区となりました。警察もここまでくると全く対応ができず、「とにかく青瓦台(大統領府)にだけは行かせない」ということで、光化門から警察車両(機動隊バス)で封鎖することしかできませんでした。
今回の訪韓で感じたことは、パククネ退陣の闘いは韓国の地において新自由主義攻撃と不屈に闘ってきた民主労総の地を這うような闘い、とりわけ鉄道労組を先頭としたストライキ闘争=ゼネスト情勢の中で闘われているのだということです。日本のメディアもさすがに無視できず、「パククネ退陣の集会とデモが行われた」と報道していますが、韓国でゼネストが闘われていることは一切報道しません。
セウォル号問題も、パククネの腐敗・不正問題も、朝鮮戦争切迫の問題も、すべては新自由主義の中で起こっている問題であり、やはり闘いの軸にあるのは民主労総を先頭にした労働者階級の闘いであるということです。とりわけ今回の集会・デモでは若者(学生)が数多く決起しています。 新自由主義の中で若者が未来を奪われています。超学歴社会と言われる韓国でも、大学生は未来に対する希望が奪いつくされています。労働者の団結した力こそが社会を変える展望を持っている。だからこそ、11・12は文字通りの全人民総決起の場となったのです。そしてこの闘いは、東アジアが世界革命の拠点になることを大きく突き出したと思います。「朝鮮戦争を止め世界革命へ」の闘いの出発点になったと思います。
また、私たちは決して「お客さん」として訪韓したのではないということです。これまでの日韓国際連帯の地平が、11・12の100万人の決起であったということです。民主労総も動労千葉の闘い、国鉄闘争から学び、階級的労働運動を実践してきました。今、ハンサンギュン委員長が下獄している厳しい現状にありながらこれだけの闘争を組織できるのは、私たち日本の動労千葉派との国際連帯があったからだと思います。またマルクス主義に立脚した労働者の政党をつくる闘いも韓国では待ったなしの問題として存在しています。だから今回の100万を超える民衆総決起は私たちの闘いが民主労総と共に作り出したといえると思います。
私は今回の闘争に参加して、日本でも100万決起は作り出せると思いました。パククネ打倒の闘いと連帯し、私たちは日本の地において安倍打倒の闘いを、2017年から2018年に向けて大きく作り出していく決意です。歴史が変わる瞬間に訪韓できて本当にかけがえのない経験ができました。この闘いを職場の労働者に伝えていきたいと思います。
山岡優(郵政労働者)