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6・11国鉄闘争全国集会へ大結集を!

月刊『労働運動』34頁(0326号02/01)(2017/05/01)


戦争と民営化を許さず、今こそ闘う労働組合を甦らせよう!
6・11国鉄闘争全国運動集会への大結集をよびかけます!

(写真 不当解雇から30年2・12国鉄集会)

 国鉄分割・民営化から30年。日本労働組合運動は再び大きな岐路に立っています。安倍政権と新自由主義による戦争・総非正規雇用化・民営化の攻撃は社会を丸ごと崩壊させています。
 トランプと安倍によって東アジア・朝鮮半島では戦争危機がかつてなく高まっています。しかし同時に階級情勢は転換しつつあります。今こそ戦争と民営化に反対する新たな闘いを開始するときです。
 国鉄闘争全国運動の呼びかけにより6月11日、江戸川区総合区民センター大ホールで全国集会を開催します。国鉄闘争を先頭に労働運動の再生・復権に向けたあらゆる努力を結集することを訴えます。この集会には韓国・鉄道労組も参加予定です。日韓連帯で戦争阻止の闘いを全世界に呼びかける集会です。
 安倍政権の〝選択と集中〟攻撃の先頭に立つのがJR資本です。「線路の半分が維持困難」というJR北海道をはじめ、JR各社は、〝地方からの撤退〟〝戦略的ダウンサイジング〟と称してローカル線を切り捨て、地域社会と人びとの生活を破壊しています。
 森友学園や加計学園の疑獄では、一握りの安倍人脈が規制緩和や特区を悪用して教育勅語を教えるような学校を開設して何十億・何百億円もの利権を得ていることが明らかになりました。アベノミクス=成長戦略の柱として原発輸出の国策で東芝が1兆円超の巨額損失を出して倒産の危機に陥っています。
 安倍政権は森友学園問題に関連して「教育勅語は否定されない」と閣議決定し、集団的自衛権・安保法・武器輸出に加えて共謀罪を制定し、戦争に向かっています。共謀罪の制定は、戦争のための治安維持法です。断じて成立を許してはならない。絶対阻止へ国会闘争をはじめあらゆる闘いを展開しよう。

●国鉄分割・民営化反対を貫い た30年間の闘いの地平

 国鉄闘争は、国鉄分割・民営化に対して30年間闘い抜き、再び新たな展望を生み出しています。分割・民営化は戦後最大の労働組合破壊の攻撃であり、最大の首切りであり、日本における新自由主義の出発点でした。国鉄分割・民営化を遂行した中曽根元首相はその当時、「行革でお座敷を綺麗にして立派な憲法を安置する」「国労をつぶして総評・社会党を解体することを明確に意識してやった」と公言しました。
 国鉄改革法によって国鉄とJRは別法人とされ、JRへの新規採用というかたちで選別再雇用の仕組みがつくられました。すさまじい合理化と退職強要によって民営化までの6年の間に20万人の国鉄労働者が職場を追われたのです。分割・民営化に抗議して200人が自ら命を絶ちました。JRへの採用を拒否された者は7628人。3年の雇用対策期間を経て1047人が90年に2度目の解雇を受けました。1047人は解雇撤回・原職復帰を求めて闘ってきました。
 この過程で労働組合への攻撃が吹き荒れ、81年当時24万人の組合員がいた国労はJR発足時には4万人にまで切り崩されました。総評も解散に追い込まれました。文字通り戦後最大の労組破壊攻撃でした。
 国鉄分割・民営化の同時期85年には労働者派遣法が制定され、その後の30年で実に1千万人を超える労働者が非正規雇用・ワーキングプアに突き落とされました。また国鉄分割・民営化によって労働運動が大きく後退し、人びとの日常生活から労働組合やストライキが失われました。
 しかしそれでも国鉄1047名解雇撤回闘争は30年にわたって国鉄分割・民営化反対を貫き、解雇撤回・原職復帰を要求して闘いを継続してきました。労働者の権利後退や雇用破壊を憂い、労働運動の再生のために努力する全国の人びとの支援と共闘を結集して闘いを継続してきたのです。
 国鉄闘争全国運動と動労千葉は、国鉄の承継法人である鉄道運輸機構に対する裁判を最後まで継続し、2012年の一審・白石判決では、〈国鉄分割・民営化に反対する組合に所属する組合員の名前を採用候補者名簿から削除したことは不当労働行為であり、「(不当労働行為がなければ)JR東日本に採用されていた可能性があった」〉との判決をかちとりました。最終的に最高裁も不当労労働行為を明確に認定しました。
 闘いは現在、最高裁決定に基づいてJR東日本に採用を要求して団体交渉を申し入れ、解雇撤回・JR採用を求める署名を集めています。30年の長期に及ぶ闘いになりましたが、国鉄1047名解雇撤回闘争は再び「解雇撤回・原職復帰」に向かって新たな展望を切り開いたのです。

労働運動の再生をめざす集会

 米トランプ政権と安倍政権による朝鮮戦争危機が高まっています。北朝鮮に対する先制的な武力行使や体制転覆をも公言しています。3月に行われた世界最大規模の米韓合同軍事演習には日本の自衛隊も一体で米軍との共同演習を展開しました。
 韓国では、社会の根本からの変革をめざす素晴らしい闘いが燃え上がっています。民主労総が民営化や労働法制の改悪に反対して何度もゼネストに立ち上がり、その闘いを先頭にした数千万の民衆の怒りの声がついにパククネ政権を打倒したのです。
 03年のイラク戦争に際して動労千葉は戦争協力拒否宣言を発してストライキで591本の列車を止めました。この闘いを契機に韓国民主労総や米港湾倉庫労組との国際連帯が始まり、昨年11月にも東京―ソウル11月国際共同行動が行われました。戦争を止めるためにも労働運動の復権・再生が必要です。
 6・11集会は、戦後最大の労組破壊の攻撃に30年立ち向かってきた国鉄闘争を先頭に労働運動の再生をめざす全国集会です。新自由主義と闘う労働運動は可能であり、戦争阻止の闘いの中から労働運動の復権が始まることを全力で訴えて、6・11集会の大結集を実現しよう。
 (国鉄闘争全国運動事務局)
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※国鉄闘争全国運動

6・ 11 全国集会

 ○2017年6月11日(日) 午後1時から(正午開場)
 ○江戸川区総合文化センター 大ホール