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労働者は一つ◆№24 公共部門に対する成果年俸制が粉砕された

月刊『労働運動』34頁(0328号14/01)(2017/07/01)

Workers of the world Unite
労働者は一つ、敵も一つ ◆№24
公共部門労働者に対する成果年俸制が粉砕された


 パククネ政府が2016年に韓国の公共機関全体に押し付けた成果年俸制が、廃棄されることになった。鉄道労組の74日間ストライキ闘争、公共部門の労働者全体の闘争の勝利であり、ロウソク革命に立ち上がりパククネ政権を打倒した労働者民衆の偉大な成果だ。
 民主労総と韓国労総の公共部門労働組合共同対策委員会(共対委)は、16日午前ヨイドの韓国労総で記者会見を開き「パククネ政府の不法、強圧的成果年俸制強行で発生した激しい労政葛藤を終わりにした決定」として「成果主義で労働者を搾り取っていた古い政策を超えていく意味のある結果」だと述べた。
 チョサンス民主労総全国公共運輸労組委員長は、記者会見で「成果年俸制廃棄の主力である労働者とロウソク市民に感謝する」として「成果年俸制の核心は公共サービス増進よりも金儲けが中心の経営にある。公共機関に落下傘人事が入ってきて、公共機関破産にまで追いやっていく状況であるが、幸いに廃棄手続きを踏むことになった。政治家、官僚によって牛耳られる公共機関ではなく、国民・労働者に正規職化、良質の仕事場を提供する公共機関として進んでいくものだ」と伝えた。
 しかし共対委によると、120公共機関中48機関だけが今月成果年俸制を廃棄することとした。残り72機関は労使合意で廃棄しなければならない。共対委は、該当機関らが廃棄を拒否する場合、成果年俸制無効確認訴訟を維持する方針だ。
 パクミンソク保健医療労組副委員長は「成果年俸制廃棄決定にもかかわらず、保健福祉公団は成果年俸制を来月1日から強行する」として「報勲医療福祉公団を含む72公共機関の大多数が、労組の手足を縛りあげたり、密室野合で成果年俸制を導入させた。これらの機関は成果年俸制廃棄決定に差別を設けてはならない」と主張している。
 去る5月、保健医療労組報勲病院支部は、成果年俸制を強行したキムオク理事長に対する不信任投票を96・5%の賛成で可決した。パクミンスク副委員長は、成果年俸制廃棄のために7月からゼネスト、集会等の闘争計画を明らかにした。
 他方、政府が成果年俸制を廃棄する代わりに、新しい賃金体系で職務給制を導入するだろうという観測も出ている。
 「共対委次元で職務給制を論議しているのか」という取材陣の質問に、チョサンス委員長は「職務給制が公共部門で望ましい代案的賃金体系であるかは様々な討論が必要だ」として即答を避けたが、「公共機関内部で正規職、非正規職間の賃金格差を解消することができる賃金体系にならなければならない」と伝えた。そして、「職務給制を導入したヨーロッパ、アメリカ等の国家は、充分な社会保障システムから成っているが、韓国はそうではない」として憂慮を表明した。
 職務給制は職務の価値、重要度にしたがい、職務群を分離して賃金に差異をつける制度だ。
 共対委は「政府に対して、成果年俸制導入インセンティブ1600億ウォンを、非正規職処遇改善、仕事場創出等に活用することを提案する計画だ」と明らかにした。

 漆崎英一(動労千葉国際連帯委員会)