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地平線 Jアラート避難訓練(戦争訓練)反対を労組に働きかける運動開始

月刊『労働運動』34頁(0336号16/01)(2018/03/01)

地平線
Jアラート避難訓練(戦争訓練)反対を労働組合に働きかける運動を開始しました!


 川添 順一(百万人署名運動事務局)

 どのようにすれば改憲・戦争阻止の力強い運動ができていくのか。何が焦点なのか。私たちはそのことを必死に考え、Jアラート避難訓練反対を労働組合に働きかける運動を開始しました。これは一つの挑戦です。
 まるで空襲警報のように鳴らされるサイレン、頭部を手で守って数分間屈(かが)むことを強いられる子どもたち。「弾道ミサイル」や「武力攻撃」を想定した異様な戦時訓練が、実際に教育現場や地域で進められています。「避難訓練」を現場で担うのは、自治体や学校などで働く労働者です。安倍政権はJアラート避難訓練を通して「北朝鮮脅威」論を浸透させ、自治労や日教組などを戦争翼賛勢力にしようとしているのです。
 だから当該の労働組合の現場から「この戦争動員はおかしい!」という声があがり、闘う団結を組織できれば、改憲・戦争阻止の展望が生まれてくると考えます。
 昨年末の報道で、1月22日に東京で初の「弾道ミサイルを想定した避難訓練」が文京区内で実施されることがわかりました。内閣官房の「国民保護ポータルサイト」にも、その実施要項が掲載されていました。
 私たち「百万人署名運動」は、事前にアポをとって、1月17日に西川重則事務局長を先頭に文京区と文京区職労への申し入れを行いました。区に対しては訓練中止を求め、区職労に対しては訓練に協力しないことを訴えました。
 百万人署名運動の仲間9人で文京区の広報課と危機管理課を訪ねました。そこでいくつか質問してわかったことは、地下鉄の労働者も誘導係として動員されていること、これが戦争に協力していくことなのだという自覚がまったくないこと、しかし「騒ぎ」になることを恐れているのか、サイレンを鳴らす場所は最小限にしていることなどでした。
 これに対して西川さんは、「皆さんは公務員でしょ。公務員は憲法99条で憲法の順守義務が定められているんですよ。この訓練は明らかに戦争のためであって、国や都が指示してきたからといって、断るべき時はきちんと断るべきなんですよ」「私たちは職員の皆さんに文句を言いに来たのではなく、戦争の歴史を繰り返さないという立場を共有したいから、こうして訪ねてきたのです」と訴え、職員も真剣に聞いていました。
 自治労連傘下の区職労は、委員長が応対してくれました。驚いたことにミサイル避難訓練が実施されることを知りませんでした。ここでも西川さんは、「喧嘩(けんか)をしに来たんじゃないんですよ」と言いながら、戦前、労働組合が大日本産業報国会に変えられ、国民の戦争動員の重要な役割を担ってしまったことを話し、「こういう時代だからこそ、労働組合は立ち上がるべきなんです」と熱く訴えました。
 2月9日も文京区役所前で街宣をやり、区職労に再訪問し、単組や上部団体で反対決議をあげようと訴えました。