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ひめじょおん―女性部から 社会保障制度改悪と闘い、現場から新採を要求

月刊『労働運動』34頁(0337号13/01)(2018/04/01)

ひめじょおん―女性部から
安倍政権下の社会保障制度改悪と闘い、現場から新採を要求!

(写真 介護保険料、自治体で差じわり【朝日新聞より転載】)

石田 訓子(世田谷区職 東京西部労組交流センター)

 安倍政権下で、毎年のように社会保障の切り捨て、削減が行われている。4月には、診療報酬と介護報酬がダブル改定で引き下げられる。団塊の世代が後期高齢者となる2025年に向けて、切り捨て、削減が進み、労働者から医療と介護を奪おうとしている。
 介護保険制度で、4月には「介護医療院」が創設され、年度末で介護療養病床が廃止となる。「日常的な医学管理」や「看取り・ターミナルケア」等の医療機能と、「生活施設」の機能を兼ね備えた新たな介護保険施設と謳っている。しかし、療養病床は、一般病床や老人保健施設と比べて費用が高いため、国の持ち出しを抑制するためのものであり、医療費の削減である。
 在宅介護も、すでに要支援1・2は介護保険制度から切り離されている(訪問介護と通所介護)。自治体の裁量や地域によっても、提供できる質や量が異なるが、訪問介護では、ヘルパーの労働条件や賃金等の問題もさることながら、マンパワーの確保が困難であり、破綻している。
また、4月からは訪問回数の多い利用者については、市町村がチェックに入り、是正していくという。利用を抑制させるために他ならない。
 利用者負担も、一律1割負担だったが、2016年8月からは、所得に応じて2割負担が設定された(年収280万円以上)。さらに今年8月からは、「現役世代並みの所得のある者」として、340万円以上を3割負担にするという。
 介護保険料も年々引き上げられ、朝日新聞が行なった主要74自治体へのアンケートによると、6割を超える47の自治体が4月時点で6千円以上になるという。
 私は20年ほど前に、公務員ヘルパー(現業職)として世田谷区に入所したが、間もなくして介護保険制度が導入され、措置から契約制度に移行し、民間事業者に丸投げされたことにより、東京23区の公務員ヘルパーは職を奪われた。そして、ほとんどの仲間が、事務職への転職(=任用替え)を余儀なくされた。他方、転職を「拒否した」「しなかった」仲間も残ったが、労働者間に分断が持ち込まれた。
 私も転職せず、現職に残った。現在の仕事は、緊急時の対応での訪問業務は時々あるが、介護保険制度に関わる要介護認定調査訪問が主な業務になっている。
 現在、正規の現職は4人で、あと数年後には職が危ぶまれる状況で、新規採用を要求している。あきらめずに闘い抜いていきたい。