月刊労働運動-Home> 民間/合同一般 > | 記事 >

闘う合同一般労組 ※さいたまユニオン第11回定期大会と勝利報告集会

月刊『労働運動』34頁(0339号13/01)(2018/06/01)


闘う合同一般労組
※さいたまユニオン第11回定期大会と勝利報告集会 笑いあり涙あり、挑戦し続けた1年の闘い


新井 拓(合同一般労組さいたまユニオン書記長)
 4月29日、さいたま市民会館うらわで合同一般労組さいたまユニオン第11回定期大会を行いました。その後、大石運輸、東京管財の2分会が勝利和解をかちとった勝利報告集会も開催。笑いあり涙ありの感動的な会となり、組合員、共闘の仲間との団結を大いに深め、新たな闘いの出発点ともなりました。
 動労千葉や合同・一般労働組合全国協はじめ、全国の合同労組から多くのメッセージをいただきました。この場を借りて御礼申し上げます。

動労総連合と全国協の拡大へ

 議長を選出した後、来賓あいさつを受けました。動労千葉OB会会長の永田雅章さんは「会社と協力しても、結局は必ず捨てられることが、東労組の崩壊で明らかになった。組合員や職場の中にもいろいろ意見がある。とにかく話し合い、団結して闘う中にしか道はない。改憲を止める力もここにある」とズバリ核心を提起。東京西部ユニオンの吉本伸幸委員長は「鈴コンも田口組合員解雇撤回闘争で完全勝利和解をかちとった。団結を崩されなかったから勝利できた。6月10日勝利報告集会に来てください。そして7月1日国鉄集会に結集し、闘う労働組合を全国に拡大しよう」と檄を飛ばしました。

新たな挑戦をし続けた1年

 続いて田畑典保委員長が議案を提起。「4月27日の南北会談は歴史の分岐点。労働組合がいかなる態度を取るのかが最大の課題だ」と大会の意義を強調した上で、昨年4月10回大会から1年間の闘いを「労働者が直面する現実に真正面から向き合い、新しい挑戦へと踏み出したが故に、前進も課題も鮮明になった1年だった」と総括しました。
 建設・交運連絡会(GTR)の大会議案書とは別冊の「分会報告書」を出す程、日常的な職場闘争や団体交渉が積み重ねられています。闘いの旗が立ち続ければ、現場の力関係は必ず変わっていきます。
 今年1月、教育労働者分会を結成し、労組交流センター教育労働者部会と一体で、非正規教員の組織化へ踏み出しました。非正規教員は、クラス担任を持つこともあるのに「臨時的任用」とされ、1年(半年、3カ月の場合もある)限りの雇用です。1年に一回、年度末に首を切られ、次年の仕事確保のために必死に勉強したり、校長や教育委員会、保護者の顔色を伺いながら仕事をしています。校長や教頭の権限を使った退職強要やパワハラも日常茶飯事です。こうしたことが労働運動の後退の結果もたらされています。教育の崩壊、戦争教育問題と完全に一つです。
 昨年、臨時教員が「4月からの内定取り消し」に対して立ち上がり、ユニオンに結集して、埼玉県教育委員会に団体交渉で謝罪させた闘いから分会結成へ突き進んだのは、こうした現実への積年の怒りの爆発であり、「教育現場にこそ団結と共同性が必要だ!」という心底からの叫びです。たやすくはありませんが、「3年以内に教育現場から非正規職をなくす」闘いは継続しています。
 そして、すべての分会、組合員が共通して直面するテーマは「現場での団結拡大、組織拡大」です。最も困難な、しかし原点に立ち向かい続ける実践が、1年の闘いを総括した最大の課題です。闘いは本当に道半ばです。
 続いて、田畑委員長は情勢について「リーマンショック時の『派遣切り』以上の大量解雇情勢に構えよう。改憲に向けた労働運動再編、『働き方改革』関連法案を葬り去ろう」と訴えました。
 さらに、方針について「ユニオンは改憲・戦争阻止大行進運動の先頭に立とう。その最大の力は職場での団結にある。いわゆる『18年問題』『働き方改革』の攻防は現場で起きている。各分会・組合員が闘いを開始しよう。闘いを通して、団結を不屈につくっていこう」と強調しました。

入管体制打ち破り国際連帯、外国人労働者の組織化へ

 討論の中では、とりわけ日本の入管体制と闘う仲間の発言が強烈で、かつ感動的でした。「難民とは何か、みなさんはどう考えていますか」との問題提起から始まり、日本政府の難民に対する扱いへの根底的な怒りを訴え、同時にユニオンへの限りない「きょうだい的」連帯を表明してくれました。
 生きていくために難民として日本に来た労働者に対して、家賃や光熱費、さらにビザ更新のお金は請求するのに、就労は禁止する。一体どうしろというのか! 政府は事ある毎に「テロ対策」などと言います。しかし、「テロリスト」を日々つくりだしているのは、日本の難民政策そのものです。
 さいたまユニオンではこの間、入管に収容された仲間を取り戻すために、署名集めや地域での闘いに取り組んできました。やはり外国人労働者の組織化、そのためにも(言葉の問題も含めた)闘いの体制づくりが必要になっています。非正規職労働者の組織化、非正規職撤廃闘争の前進と並んだ重要な課題です。

星野さん解放の決議あげる

 会計報告の後、「星野文昭さんを取り戻すために全力で闘う決議」が提案され、議案と合わせて満場一致で採択されました。
 続いて、ストライキ権投票、新役員の選挙が行われ、スト権確立、新役員体制も選出され、大会は大成功のうちに終了しました。
 星野さん解放を求める要望書にも参加した全ての組合員が署名を寄せてくれました。

闘いは新しいステージに

 続いて、「大石運輸分会・東京管財分会勝利和解報告集会」に移行し、本当に感動的な集会となりました。鈴コン支援共闘代表呼びかけ人の花輪不二男さん、群馬合同労組委員長の清水彰二さんも駆けつけて、祝福のエールを送って下さいました。
 とりわけ長い闘いを経て勝利的和解をかちとった大石運輸分会からは、笠松分会長(ユニオン書記次長)が「会社の切り崩しや暴力事件、つるし上げなどのつぶし攻撃は本当に激しかったが、負けなかったと言える。組合には感謝したい」と勝利の報告。定年退職したかつての組合員も合流し、熱い思いを語り合いました。また、この闘いを支え抜いた家族の方も合流し、団結できたことは決定的でした。
 東京管財からは、この間 組合に加盟し、勝利した組合員が報告しました。
 すべての闘いが新しいステージに入りました。参加したすべての組合員、共闘の仲間、家族が一つになり、2018年決戦を闘っていく決意を打ち固めました。