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地平線 6・20難民デーに500人の大デモ行進

月刊『労働運動』34頁(0341号16/01)(2018/08/01)

地平線
6・20難民デーに500人の大デモ行進!


労働組合の正面課題として在日・滞日との連帯を

鎌田 由子(動労千葉国際連帯委員会)

 世界難民デーの6月20日、全国実(外登法・入管法と民族差別を撃つ全国実行委員会)と東京労組交流センターの呼びかけで東京入管を包囲するキャンドルデモを闘いました。牛久入管収容所問題を考える会や東京入管を考える会を始め、合同労組を先頭に福島からの参加もあり、500人の大デモを実現することができました。入管闘争を闘う労働者の力を示す闘いになりました。
 午後6時すぎ、東京入管近くの公園に、動労千葉はじめ労組の旗や幟が立ち、クルドの難民家族やさいたまユニオンのコンゴ人組合員、仮放免者なども集まりました。7時前、「パパ返して!」「9カ月も入っている!」「息子を返して!」などのメッセージボードを持ったクルドの子どもたちがデモの先頭に並びました。
 東京入管ビルは放射線状の建物で、8階以上が収容場です。雨の中、「お父さんを返せ!」「お母さんを返せ!」の声が東京入管を包囲しました。中から手を振る被収容者の姿が見えました。
 東日本収容センター(牛久入管)で難民申請中のインド人青年が自殺する痛ましい事件が起きました。長期収容で自殺未遂が続いています。
 安倍政権は、オリンピックの治安対策と称して在留資格のない外国人を一掃しようと、昨年1万9628人と急増した難民申請者の大半を偽装難民と断定し、「不法就労キャンペーン」を展開しています。
 他方、6月に発表された「骨太の方針」では、新たに50万人の外国人労働者を導入し、オリンピック施設の建設現場や農業、介護現場などの労働力不足に対処しようとしています。今秋にも入管法を改悪し来年4月から実施するというのです。しかし、移民ではなく、5年経ったら帰国、家族の呼び寄せは認めないという、非人間的なものです。
 6・20難民デーには、東京入管と牛久入管で牛久の会が作成した「世界難民の日」リーフレットを配布し、被収容者との面会行動を行いました。組合員家族が収容されている埼玉ユニオンも面会に取り組みました。牛久の会は、6月18日に東日本収容センター所長に被収容者の長期収容の是正を申し入れたのに続き、20日は、牛久駅街頭宣伝を行い、東京入管デモも共に闘いました。
 デモ終了後、牛久入管収容所問題を考える会の田中喜美子さんが「日本政府はクルド人を1人も難民として認めていません。難民デーに『収容するな! 返して!』と叫ばなければならないのが日本の現実です。これが戦争と改憲の安倍政権がやっていることです。団結して闘いましょう」と訴えました。
 家族を収容されているクルド人たちの怒りは収まらず、「今すぐ返して!」と東京入管に詰め寄り、雨の中、深夜まで座り込みを続けました。
 外国人への差別・迫害、入管法・入管体制による弾圧の強化は、改憲・戦争に突き進む日本社会を鋭く反映しています。労働組合の正面課題として、在日・滞日外国人との団結を求めて共に闘いましょう!