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交流センター第31回拡大運営委の報告 改憲阻止闘争を運動の中心に

月刊『労働運動』34頁(0343号03/01)(2018/10/01)


※全国労組交流センター第31回拡大全国運営委員会の報告
改憲阻止闘争を交流センター運動の中心にすえよう!

 9月1~2日、都内で全国労働組合交流センターの第31回拡大全国運営委員会が開催されました。来賓挨拶と基調提起の後、各地区・産別から具体的な実践の豊かな取り組みが報告され、活発な論議が行われました。2日間の提起と討論で、「改憲阻止闘争を交流センター運動の軸にすえよう」という方針が明らかにされました。

【1日目】

●関西 8月19日に関西の「改憲・戦争阻止!大行進」を結成した。関西生コン支部への弾圧が始まった。執行部が全員逮捕されても闘いはやめない。大阪広域協組の闘いを含めて闘いを断固貫徹するとなっている。
 関西では全国の支援を受けて泉佐野市議選を関西合同労組の3分会を軸に闘いぬいた。「改憲・戦争阻止!大行進」運動は、積み上げてきた闘いを土台にして闘う。根底には国鉄闘争全国運動がある。港合同の中村吉政委員長が大行進の代表を引き受けてくれた。大和田前委員長の戦争体験、在日への差別的な扱いの怒りを引き継ぎ、積極的な大行進結成集会が行われた。拠点労組を中心に闘いを進める。八尾北労組を中心とした夏祭りや泉佐野選挙で運動のイメージを作ってきた。婦人民主クラブ全国協の運動も強化し、自らを強くすることを通して大行進運動を広げていく。
●東京北部A 練馬、板橋、文京、北区、豊島の5区が北部だ。「生きさせろ」実行委員会をつみあげ、特別支援学校の先生を囲む会の少人数の会議を3回もって闘いが始まった。「戦争・改憲阻止!大行進・北部」結成集会を50人の参加で大成功させた。なによりも一陽会労組の闘いが大きく発展している。賃金切り下げ反対のビラを撒いた。陽和労組の当局との裏切り妥結が明らかになった。特別支援学校の先生と根津公子さんが講演をしてくれた。改憲阻止への思いの深さが伝わった。そして、青年労働者が先頭で闘いを牽引した。新しい人の参加も始まった。
●三浦半島教労部会 1月に「Jアラート反対」闘争から始め毎月行動を展開した。少数で始めたが多数派になってきている。労組拠点の建設をどう行うかが軸だ。高山俊吉弁護士を迎えて大きな闘いをやった。さらに、違いはあるが共に闘う広範な人たちができて、闘いが広がってきた。神奈川では野本三吉さんと学習会を開始した。8月にシンディ・シーハンさんを招いた交流会をした。職場の教育労働者をいかに決起させ、職場から改憲阻止闘争をいかに作るのかが課題だ。7月29日に学習会もやった。9月24日に教労を軸に集会を行う。新たな人とのつながりが持てた。教組が立てば地域の保護者を組織できる。三教組の権力を取るために闘う。
●岡山 西日本豪雨災害では、全国から自治労倉敷にカンパをいただき、お礼を言いたい。8000戸のうち4000戸が全壊した。災害が起きることはわかっていたが、行政は何もしなかった。社会が崩壊している。岡山では「改憲・戦争阻止!大行進」を2月に立ち上げた。日本原演習場があり、毎年2月11日の「紀元節」の日に闘争をやっている。岡山で「大行進」運動をどう発展させていくのかの討論を徹底的にやった。反戦政治闘争と職場闘争をどう推進するのかという議論だ。Jアラート反対運動もやってきた。
 大豪雨災害が起きたが、これは地方切り捨ての結果起きた人災だ。自治労倉敷という労働組合が存在していたことが大きい。自治体労働者であり、長年住み続けてきた。自治労倉敷を軸に闘いを進めていく。
●群馬 8月19日に群馬の「改憲・戦争阻止!大行進」結成集会をやり、宗教者と共に闘った。群馬では、広い形で原発反対の闘いをやってきた。群馬中央タクシー労組が労働者代表選挙で勝利し、闘いが前進している。9月中の新たな組合結成の準備も進んでいる。
 合同・一般労組全国協議会では、旭非正規職支会支援の闘い、コンビニユニオンの闘いを進めている。労働組合は、成功もあれば失敗もある。しかし具体的闘いを据えていかないと闘いは勝利できない。コンビニの闘いを目に見える形でやっていく。
●八尾北労組 八尾北の夏祭りは300人が参加して大盛況。実行委員会形式でやった。6月に1回目の実行委員会を「改憲、戦争止めよう」というテーマでやった。ロシア革命の記録を上映した。戦争の時代というのは革命の時代ということで上映した。戦後革命期に凄い闘いをやってきた。2・1ゼネストは敗北させられるが革命の時代だったとわかり、大行進運動のイメージがつかめた。「改憲・戦争阻止!大行進・八尾北」を作るために、各労組、支部をもっと骨太にしていかなければならない。労組は改憲阻止決議をあげ、組織を強化して進めていく。
●関西女性部 女性部の闘いは、年年飛躍している。5月20日全国女性部総会で一つの目的に向かって進んでいる。女性の非正規や短時間労働の矛盾が怒りとして現れている。戦争・改憲反対の闘いを持っていることが大きい。中野区の保育園民営化との闘いがある。奈良市従女性部で「はだしのゲン」の上映会をやり50人の参加があった。労働組合の拠点化が課題だ。民営化は、改憲・戦争攻撃だ。
●合同労組 実に楽しい闘いが始まった。安倍政権は関生、動労千葉、港合同をはじめ闘う労働組合をなくそうとしている。CTS幕張事業所で動労千葉の関副委員長が36協定の代表選に勝った。鈴コンも同じ闘いをしている。非正規労働者は日々雇用で、3ヶ月、6ヶ月契約で、歯向かったら雇い止めだ。だから労働組合が必要だ。職場で資本と闘って仲間を組織することが改憲阻止闘争につながる。
●東京西部 先日、婦人民主クラブ全国協議会の総会に参加した。とてもいい総会だった。
 中野区の保育園民営化については、民営化された保育園で7人の職員がやめた。子どもは散歩にも行けない。民営化反対で闘いぬく。保護者向けのビラの原稿は大議論して作った。区長に直談判しようと計画を練っている。あきらめムードをはねのける闘いを行っている。

【2日目】

●田中康宏代表提起(別掲)
●沖縄 沖縄県民大会では、集会の始まる30分前にビラが全部なくなるほど労働者が集まった。星野文昭さんの釈放を求める要望書を集めた。沖縄で浸透している。今テーマになっているのが辺野古、安保、戦争、改憲だ。求められているのは真剣に闘う労働者。次の方針が求められている。沖縄に「改憲・戦争阻止!大行進」運動をつくっていく。
 県知事選は大党派闘争だ。玉城デニーは全駐労の組織内候補だ。職場で組合をつくるのは悪戦苦闘だ。労働者の状況はこれまでの在り方では通用しない。大行進運動沖縄を立ち上げる。●福島 今年の3・11反原発フクシマ行動は、動労福島を軸に闘った。保養者、避難者が登壇し発言したのは決定的だった。
 憲法講演会や保養交流会を地区全体の取り組みとして成功させた。8月18日に根津公子さんを招いて講演会を行い、教組の組織化に取り組んだ。8月27日、動労福島として9・1外注化攻撃と闘う街宣を行う。福島における「改憲・戦争阻止!大行進」運動を作りたい。


●大阪 「改憲・戦争阻止!大行進」運動のイメージについて3点提起したい。
 第一に、あらゆる運動を大行進運動として作り、あらゆる場で大行進運動を作り、あらゆる職場闘争を改憲闘争として闘うことだ。僕らがこれまで創り出した結晶として作る。
 第二に、大阪の吉村市長が学力テストを押し出してきた。吉村は交通局の民営化、水道の民営化を行ってきた。教育の破壊であり親も教師も怒っている。吉村市長打倒に向けて闘う。入れ墨闘争の当該は6人だった。半分は全交だったが、彼らは自主退職していった。労働者の誇りを引き出す闘いを出せるのは我々だ。
 第三に、戦争・改憲、民営化には、みんな反対だ。改憲は9条だけではなく、社会の統治のあり方を全面的に転換させていく。改憲阻止をすえた時に皆が元気になる。
 全国の青年実行委員会運動は、8・6ヒロシマで成功した。沖縄ではIJBS労組の闘いが軸だ。拠点建設と改憲反対闘争は一体だ。青年部建設が最大の課題だ。動労総連合青年部が先頭に立って闘おうとしている。
●日教組奈良市 市費教員の雇い止めに対して、40日間闘争を日教組奈良市は闘った。地域で闘う労働組合が結集してきた。関西生コン支部も支援に来てくれた。日教組奈良市の組合員の大結集で闘いぬいた。実力闘争で座り込み闘争を行った。評価制度や解雇を許さないためには何でもやる。地域の人ともつながった。自己解放的に闘いぬいた。「改憲・戦争阻止!大行進」のイメージは、闘う労働組合が軸になり闘うことだ。「教え子を再び戦場に送らない」ために頑張っていきたい。
●福岡 「改憲・戦争阻止!大行進・福岡」を9月16日に立ち上げる。若い女性労働者が決起している。私は自治体で再任用だが、執行委員長選挙に立候補した。人事評価制度に反対するビラも机の上に置くのではなく、手渡しで配ることに変えた。
 「憲法9条に自衛隊を明記するのが正しい」と思う労働者と自衛戦争のことで論争になった。憲法が変わることでいろいろな意見が出る。もう一人交流センター派をつくると権力をとれる。10・21に独自に集会を行うことを決めた。問題は拠点をつくることだ。
●東京東部 江戸川区職労の執行委員をやっている。倉敷の百本さんが言っていたが、市町村合併が最大の問題だ。合併の弊害の中で8割が水没した。真備町と倉敷だけの問題ではないと思った。
 自治労大会に行った。大会宣言は「改憲絶対阻止」だ。これは自治労の悲鳴だと思った。自治体部会は、小さな職場単位でも「改憲反対声明」をあげていこうと考えている。
●東京三多摩A 改憲に向かう情勢だからこそ交流センターの存在は大きい。連合が崩壊し「自衛戦争」賛成論に転落していく時、交流センターがそのままではだめだ。三多摩では、多摩連帯ユニオンや泉陽会労働組合が闘っている。当局への批判に対して処分攻撃をかけてきているが、ここで組織を強固にすることが必要だ。9月30日、横田基地へのオスプレイ配備反対闘争をやる。東京における改憲・戦争阻止の重要な闘いになる。10月25日に「改憲・戦争阻止!大行進・三多摩」を立ち上げる。三里塚から反対同盟の伊藤信晴さんが来てくれる。三里塚と横田をつなげ、沖縄との連帯をかけて闘う。
●動労水戸 9月30日に改憲・戦争阻止の茨城実行委員会を立ち上げる。昨日、東海第二原発再稼働反対集会が水戸であり、1000人が集まった。
 8月にドイツに行ってきた。機関士労働組合、フランスの機関士労働組合と交流してきた。鉄道の闘いがドイツでも中心になっている。ドイツの合理化は進んでいて、改札は無人だ。
 勝田運輸区は国分副委員長のいる職場。どうしたら青年を組織できるか考えながらやっている。見習いの20歳の運転士が車両をぶつけ、破損した。合理化の結果だ。安全無視の中でこういうことが起きている。
●泉州 泉佐野市議選挙は5票足りなくて次点になり悔しいが、本人は今、組織者として走り回っている。我々の姿を示す闘いだった。選挙は組織と労働者の党をめざす大戦略で闘った。ここで組織を作ると目的意識をもって行っている。
 戦争には絶対反対だという老若男女の方に集まっていただいた。反動的な意見もあったが、戦争だけは許してはならないという声に応えたい。
 今回は、労働組合が軸になって選挙を行った。ビラは関西合同労組泉州支部の名前で撒いた。自民党の千代松市長は、職員を減らし民営化しようとしている。交流センターの教労部会、自治体労働者部会が地域と固く結びついている。地域とのつながりを取り戻していく。大行進運動の中で階級的な労働組合を甦らせる闘いをやろう。泉州は関西空港のために水道の整備が遅れている。問題にしていく。
●東京北部B 陽和病院では新賃金体系に変えて賃下げする攻撃があり、御用労組との労使結託で妥結しようとしていた。
 先週50人の仲間が参加し、病院の建て替えを理由に賃金を下げるのはあり得ないと大衆団交になった。陽和労組と一陽会労組の区別がつかない人がいたが、闘うのは一陽会労組だとはっきりした。改憲闘争と職場闘争を一体で闘っている。労働者と資本家の構図が明らかになっている。2回目の職場説明会は30分だったが、資本が賃金表を配布した。謝罪要求に対して資本は謝罪してきた。明日からもう少し踏み込むビラを出す。「新賃金表に賛成か反対かを陽和労組委員長は態度を明らかにしろ」というビラを撒く。改憲阻止の闘いと一体だ。朝、昼、晩と3回のビラを撒いている。3倍の闘いをやりましょう。
●東京三多摩B 私も人生をかけて改憲阻止の闘いに立つ。9月17~19日星野絵画展をやる。
国分寺実行委員会の「9条変えるな」の集会を9月24日に行う。9・30は横田闘争。星野さんの闘いと一体で改憲闘争を行う。
●東交 この間の東交のことを報告します。上山が打倒されたことで民営化の話は出てこなくなった。東交が都営地下鉄の報告書を出してきたが、都営地下鉄の合理化が進んでいる。当局は民営化は否定しているが、しかし外注化は進んでいる。大阪交通が民営化されたが、大交労組は東京メトロの地下鉄労組と連携している。東交の民営化を認めているらしい。民営化反対の闘いを緩めてはいけない。地区で議論している。東交は民営化に関しては反対、憲法改悪に関しては反対の態度を出している。しかし絶対反対ではない。総がかりと一緒にやっている。 職場では2件事故があった。1件目はドアを開けないで通過した。1件目は直ぐに乗務に戻る。2件目はブレーキをかけないで電車を降りて、電車が動いた。同じ人が2回事故を起こした。最初の事故の時に退職届を書かされている。これが2回目の事故にも影響がある。これはおかしいという声を広げていかなければならない。乗務に復帰させるか否かを本局が握っている。これを運動にしていかなければならない。議論をしながら団結をつくっていく。
●広島 9月17日に「改憲・戦争阻止!大行進・広島」結成集会を行う。8・6ヒロシマも労組を軸に取り組んで成功した。
 交流センターがどっしりと存在しなければならない。交流センターは自治体と教組が軸になっている。自治労の職場で若い労働者と学習会を行っている。アメリカと戦争をやったことも知らない人もいる。8・5ヒロシマには組合員が新たに数人参加した。会計年度任用職員は反対だと団結署名をしている。自治労広島や教組、動労西日本などが名を連ね立ち上げは可能だが、それで満足しない。
星野闘争、婦人民主クラブ全国協の闘いを広めて大行進運動を立ち上げ、若い人に魅力のある大行進運動を作りたい。
●神奈川A 改憲・戦争との闘い、職場闘争、社会の崩壊に立ち向かうという三つのスローガンは良いと思う。私は生活保護の職場です。正規職員が病休など大変で、人が足りない。非正規公務員をめぐっては、会計年度任用職員制度が2年後に始まる。これを職場の闘いにしなければ、公務員労働者の闘いがつぶされて戦争に動員されていく。6月24日の会計年度任用職員反対の学習会に参加した。職場からも仲間が参加してくれた。次にどうするのか。安倍は本当に戦争しようとしている。会計年度任用職員制度導入は改憲のためだ。改憲反対の声明を出して組織していく。動労千葉の物販をやってきていることが軸だ。自治労大会で「改憲阻止」の宣言は出されたが、会計年度任用職員制度は構築していくという内容だ。これに絶対反対しようと訴え、自分の職場から大行進運動を作っていく。
●宮城 今までの枠を超えてどういう運動を作るのか。星野絵画展で広げる。憲法講座をやった。絵画展で出会い、憲法講座にいろんな人が来た。「憲法について知っているつもりがそうではなかった」「別の憲法学習会では学者や弁護士の講演を聞いてそれだけだったが。この改憲阻止講座はそうではなく、いろいろ討論して良い」と繰り返し来てくれるようになった。
 近くにいても一致していない人がたくさんいる。新しい人と出会うこともあるが、身近な人と結びつくことだ。新しい人に出会うことは新しい自分に出会うということでもある。一人がやる気になれば動く。
●神奈川B 改憲阻止の運動は大きく前進している。神奈川は5地区あり、横須賀が前進している。横浜は9月16日にデモをやる。安倍は暴力的なやり方をしてくるが、改憲攻撃を粉砕していこう。憲法問題についてあまり知らないでは、職場や地域で語れない。
 郵政の新一般職の労働条件の低下は、本来は本人の同意がなければできない。それを労働組合が呑むことで賃下げになっている。労働条件を引き下げられる当該の立場になって闘うことが大事だ。教師は「勤評の時には袋叩きにあっても闘った」歴史がある。職場にこだわり、労働組合を甦らせよう。11月労働者集会に1万人を集めよう。

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●田中康宏代表の提起

「改憲・戦争阻止!大行進」運動は労働組合を再建する闘いだ! 11・4集会1万人結集へ総決起を!


 改憲・戦争と立ち向かおうと討論してきた。安倍が昨年5月に2020年改憲を打ち出し、戦後73年で改憲を初めて政治日程に載せた。
 その時に、既成の改憲反対運動が事実上崩壊した。民主党が一夜で崩壊し、立憲民主党や国民民主党などが全部改憲勢力になり、「安倍政権による改憲反対」と言い出した。野党共闘が分裂するから「改憲反対は持ち出さない」となった。総がかり行動は、国会の3分1の議席を取れば改憲を止められると考えていた。しかし無理だった。
 私たちの力で改憲を止める闘いを作らなければならない。30年にわたって全国の仲間が労働組合を守り抜く涙ぐましい努力をしてきたから訴えることができた。全ての戦線の力と一体で闘っていこう。戦争を止める力は僕らの中にしかない。
 労働組合を解体することが改憲攻撃だ。僕らの「改憲・戦争阻止!大行進」運動は、労働組合を再建する闘いだ。韓国の民主労総の闘いも同じだ。
 アメリカでは働く権利法が制定されている。教育労働者の賃金はロサンゼルスの場合は3分の1で、ダブルジョブをしないと食えない。立ち上がったのは教育の崩壊に対してだ。「助けてください」というプラカードは、州財政が崩壊して教材を買えない、学校が週4日しか開かなくてご飯が食べられない子どもたちが出てきたからだ。
 日本で労働運動を再生するには社会を変える以外にない。労働運動は人生をかけるに値するものではないか。
 改憲阻止闘争には、教労部会の仲間が最初に応えてくれた。全産別で取り組んでほしい。
 関東では沖縄戦のことを授業でやろうとした教師が処分されるという事態が起きた。これが戦争の現実だと地域で立ち上がろうと呼びかけた。どこにでも労働運動を再生する芽はある。
 東京では、保育園を民営化した結果、7人もの保育士が職場を辞めて保育園が崩壊した。今、闘えば民営化は止められる。
 8月自治労大会では「安倍首相の改憲絶対阻止」の大会宣言が採択された。自治労本部がつぶされるという危機感の表れだ。しかし、会計年度任用職員制度については同一労働同一賃金を推進するものと書いている。会場前で、倉敷市職の仲間がアピールして全体を獲得した。集中豪雨の災害は、自治体丸ごと民営化・解体の中で引き起こされた。僕らの改憲反対運動はそういう闘いだ。 
 安倍は8月12日の講演で、総裁選後、「今秋臨時国会で、自民党改憲案を出す」と打ち出した。9月19、20日はUAゼンセン大会で「9条2項を削除し、自衛隊を明記する」という「国の基本問題に関する方針」を決定しようとしている。9月30日沖縄知事選の直後に、辺野古に土砂を投入しようとしている。
 改憲は労働運動つぶしと一体だ。国鉄・JRで起きていることを見据えよう。今年2月に首相官邸にJR東日本の冨田社長が呼びつけられ、2020年までに組合をつぶせと指示された。東労組解体攻撃が始まり、わずか1か月で3万人強が脱退した。資本と癒着(ゆちゃく)した組合も解体する攻撃で、これが改憲攻撃だ。職場の意識は激変している。乗務員勤務制度改悪は職場の激変を突き付けている。
 関西生コン支部の闘いは凄(すご)い闘いだ。中小零細企業も含めて組織し闘っている。しかし4人の暴力団や在特会と一体になった企業が反旗を翻した。今回の弾圧は武委員長を逮捕するだけでなく、組合側の中小企業経営者も逮捕された。安倍政権は、労働組合の無い社会をつくろうとしている。これが改憲攻撃だ。
 働き方改革法案が通った後の反撃の闘いが重要だ。法案が通る前から現実は進行している。ヤフーニュースでは「非正規職のジェノサイド(皆殺し)」と書かれている。改憲攻撃そのものだ。過労死を強制し、同一労働同一賃金で労働者を全部個人請負にしようとしている。労基法も、労組法も、最低賃金も適用されない。そして金銭解雇法が出てくる。職場から闘いを作らなければならない。
 国鉄闘争で反撃が始まっている。幕張の千葉鉄道サービス(CTS)では職場代表選挙で勝った。CTS労組委員長との闘いになり、動労千葉は50人だが、信任投票で147票が入った。
36協定を結ぶ時に、熱中症指針計測器とクーラーボックスを職場に導入させた。
 国鉄1047名解雇撤回闘争は、労働委員会に申し立てた。最高裁では、解雇撤回はかちとれなかったが、不採用基準を示したのがJR設立委員会だと認めさせた。しかし、千葉県労働委員会の公益委員は「最高裁判決に反した命令は書けません」と言った。「最高裁判決文を読んでいるのか」と言いたい。闘いはこれからだ。
 その上で、情勢について述べたい。最大の焦点はアメリカと中国の関税戦争だ。戦争になる可能性がある。だから安倍は改憲しようとしている。中国との戦争は北朝鮮で戦争になるということだ。安倍の危機意識がブルジョアジーの中にある。
 日経ビジネスが安倍と葛西を批判して「リニアは第3のモリカケ問題」と書いている。財界の中に、「安倍に任せていいのか」という危機感がある。しかし、支配者階級内部の対立は、2・26事件がそうだったように戦争に突き進む過程の表れだ。
 「改憲・戦争阻止!大行進」運動を今までの枠組を越えて作り出してほしい。人生をかける真剣さが必要だ。野党共闘ではだめだと分かっている。総がかり行動や9条の会に参加している人に、私たちの運動を呼びかけていこう。
 職場の闘いはそう簡単には進まない。2倍も3倍も闘いぬく中で改憲・戦争に反対して闘う。職場の闘いと戦争に反対する闘いは一つだ。職場で起きた一つひとつの闘いを大事にしよう。
 各地方、各地区での議論は進んでいる。これからは産別の議論が必要だ。
 全逓で勝負するのは重要だ。住宅手当の廃止はJP労組から申し入れた。労働組合の犯罪だ。怒りの声の噴出は不可避だ。
 東交の民営化はすでに現実が進行している。今までの延長線上ではない闘いが必要で、交流センター全体の闘いだ。
 自治体では非正規職の雇い止め阻止の闘いが始まっている。
 沖縄の闘いは、なぜオール沖縄ではだめなのか。オール沖縄は労働組合解体攻撃だからだ。名護市職は民営化され、市職労は30人くらいになってしまった。労働組合の力を甦らせることなしに戦争に反対できない。オール沖縄に対抗する闘いを小さくても作らねばならない。労働運動は社会的存在だ。戦争に反対し、雇用を守るのは労働者の闘いしかない。
 各産別で、改憲と戦争に立ち向かうと声明を上げてほしい。自治体、教労、医療、合同一般全国協が声明を上げ、職場から闘いを開始してほしい。各戦線の闘いと一体で「改憲・戦争阻止!大行進」運動を作り出していこう。そして、11・4労働者集会の1万人結集に向けて全国労組交流センターの全会員の決起を呼びかけたい。