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地平線 6・3高松闘争を成功させよう! 星野さんを取り戻そう

月刊『労働運動』34頁(0337号15/01)(2018/04/01)


地平線 6・3高松闘争を成功させよう! 星野さんを取り戻そう

6・3高松闘争を成功させよう! 星野さんを取り戻そう!

狩野 満男(全国再審連絡会議共同代表)
 星野闘争はかつてない重要な局面を迎えました。無実獄中43年の不屈の闘いは、そのあまりの理不尽に全人民の良心を揺さぶり燃え広がっています。「無実の獄死攻撃を許さない! 即時釈放せよ!」の声は幾重にも広がり、四国更生保護委員会を取り囲み、ついに「予備審理」に動き出しました。
 いまここに星野さんの身柄そのものを現実に「解放」する初挑戦の「要望書運動」が強力に突きつけられているのです。それは星野再審・大坂裁判闘争の前進を飛躍的に押し上げる起爆剤そのものです。本年7月の審理期限をものともせず絵画展、職場、街頭あらゆる場に分け入り渾身の力で要望書を集めましょう。更生保護委員会を丸ごと獲得し星野さんを必ず奪還しよう。6月3日の高松闘争に総結集しよう。
 現在、2000通を超え加速する「星野さんの解放を求める要望書」は、「司法改革」下での刑事司法の重刑・重罰化体制が行きついた無期の終身刑化のむごさを暴露し、弾劾しています。この人道に反する実態が、「星野さんの解放を求める要望書」の圧力で「更生保護委員会」の存在自体を根底から直撃し、刑務所当局共に動揺を隠せない事態を生みだしています。そもそも法務省国家権力が自ら招いた「30年問題」の矛先を、「更生保護委員会」への通達一つで解決を図った中にこそ最大の矛盾があります。本来、治安維持の別動隊としての歴史をもつ「更生保護委員会」は、一方で「仮釈放審理・決定」に独立権限を持つ組織です。その「独立性」故に、審理の条件が充分に満たされれば仮釈放を決定しなければならないのです。つまり30年の懲役を超えた星野さんの審理をせざるを得ないこと自体が、獄死を狙う国家意思を根底からぐらつかせているのです。ここに立場を超えた無数の「要望書」が、審理の要件である「社会的判断」の強力な後押しとなって更生保護委員会に肉迫し、「星野さんは無実。即時釈放」を迫っています。全国から寄せられる要望書は、これまでの「再審署名」にとどまらない「生身の主体的意思」として絶大な力を生んでいます。この「主体的意思」は星野奪還運動の飛躍そのものに直結する力を秘めるものです。
 私たちは、かつて星野闘争を更生保護委員会そのものを自己目的化し「仮釈放」のみに特化する運動と徹底討論し、決別した歴史を持ちます。そこには、この「主体的意思」を同情の枠のみに歪める利用主義と、星野さんの不屈の闘いを貶める運動破壊がありました。いまや猛然とこれを乗り越えた星野闘争の地平が切り開かれています。「更生保護委員会闘争」は非妥協・絶対反対の闘いであり、私たちは「星野さんの解放を求める要望書」の一筆一筆に責任をもって組織化を急務としなければなりません。運動の拠点=絵画展を、反戦・改憲阻止、さらにあらゆる可能性を創造する拠点としてさらに追求しましょう。