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●郵政労働者の愛媛労働委員会闘争報告

月刊『労働運動』34頁(0346号07/01)(2019/01/01)


●郵政労働者の愛媛労働委員会闘争の報告

(写真 労働委員会闘争に結集した仲間たち)

3つの評価制度を廃止しよう!

日野 亮(愛媛労組交流センター全逓部会)

 2018年2月14日、愛媛県労働委員会に、「スキル評価制度」「郵政版無期転換制度」「人事・給与制度」の廃止を申し立てました。以来5回の調査、2回の審問を終え、3月に「決定」が出る予定です。
 3つの評価制度は、会社の「儲け」への貢献度が唯一の評価基準です。労働者の価値観と絶対的に対立します。非正規労働者のスキル評価も、正規労働者の人事評価も、第1次評価者は多くが労働組合員です。同じ組合員に高評価をつけても、第2次評価者(部長)、最終評価者(局長)の基準で評価がくつがえります。「儲けのため」と自爆営業がはびこる原因になっています。制度自体も、組合員同士に評価させあうことも、団結破壊の不当労働行為です。 
 2017年9月以降3回の交流会と、勉強と支援を兼ねて大阪府労働委闘争に5人で傍聴参加し団結を固め正規・非正規6人の申し立てを実現しました。
 2018年11月6日開催の第一回審問は、申立人、補佐人計10人、現場、関西の応援含め傍聴9人の参加のもとに、申立人が堂々と証言を行い、会社を圧倒しました。
 日本郵政・日本郵便は、3つの評価制度を使い、安倍内閣の「働き方改革」の最先頭で、労働者の団結破壊、権利剥奪を行い、現場から労働組合を一掃しようとしています。
 JP労組は、日本郵政・日本郵便の全面的支配を受け入れ、会社と一体で労働者の首切り、合理化に全面協力しています。私たちは17本の準備書面、81個の証拠を提出し、証言と合わせて不当労働行為を暴きました。

現場から闘いを巻き起こそう


 陳述書の提出協力をしてくれた仲間は、怒りの代弁に感謝した上で、「紙上では語り口、表情がわからず、パワハラが十分伝わらない。直接証言したかった」と話し、傍聴の仲間からも「まだまだ生ぬるい」という声が上がりました。
 大阪から始まった労働委員会闘争は、新たな闘い方を示し、画期的でした。また拠点化には、職場闘争が不可欠だということも突き出しました。
 私たちは「ハンドル」という機関紙を定期的に局前配布し、労働委の中身を職場に返しました。しかし第三者機関である裁判や、労働委員会の中のやり取りは、現場の闘争にはかないません。傍聴に来てくれた仲間は「もの足りない」と感じました。
労働委員会闘争を通して、申立人、補佐人、傍聴、交流会参加の仲間の団結は飛躍的に固まりました。
 日本郵便は総務省とともに、「土曜休配と夜間仕分けを中止したい」と公表しました。
 3つの評価制度を使った数万人規模の首切り攻撃が現実になろうとしています。労働委員会闘争で獲得した力を、現場の闘争に生かす時です。宅配統合を破綻させたように、土曜休配を断念させましょう。今回の労働委員会闘争には愛媛県職労から3人が補佐人に加わってくれました。郵政、県職一体となって愛媛の拠点建設を前進させませます。19春闘勝利に向かってともに頑張りましょう。