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地平線 2019年「改憲・戦争阻止!大行進」運動で星野奪還、改憲阻止を

月刊『労働運動』34頁(0346号13/01)(2019/01/01)

地平線
2019年「改憲・戦争阻止!大行進」運動で団結し、星野奪還、改憲阻止を実現しよう!

(写真 「星野さんを自由に」を掲げ高松市内パレード)

高橋 敦(香川労組交流センター・教育労働者)

星野さんを取り戻す団結した力


 11月25日、高松市で「沖縄闘争を闘い獄中44年 星野文昭さん絶対解放 全国集会in高松」が開催され、全国から650人が集まりました。無実の星野さんを取り戻すために、今年2回目となる高松での集会とパレードでした。「44年の拘束の上での懲罰は、拷問だ。星野君の健康のことを、更正保護委員会はどう考えているのか、説明しなさい」という元参議院副議長の角田義一氏(11月14日の申し入れ)の言葉に端的に示されているように、「星野さんを解放せよ」という声は、今や高松市民、香川県民、そして全国・全世界から続々と四国更正保護委員会に届けられています。
 労働組合は、労働者階級の生活を向上させ生命を守るために存在する組織です。権力からの仲間への暴力や弾圧を絶対に許しません。関生弾圧も学生弾圧も絶対に許せません。
 私は、学生の時から現在に至るまでの44年間、無実にもかかわらず獄中生活を強制されるすさまじい暴力に対して、星野さんを絶対に取り戻す闘いを、地元香川で全力をあげて取り組んできました。超長期の拘束や懲罰はまさしく拷問です。しかも刑務所が恣意的・計画的に受刑者の健康を奪うことは絶対にあってはなりません。
 だから私たちは「高松市民のみんなに、星野さんのこと(無実・懲罰・健康など)を知ってもらうようにしよう」「高松市民・香川県民から、一人でも多くの要望書を集めよう」「とりわけ労働組合の力、団結の力で、星野さんを取り戻そう」という思いで一致しました。その思いを四国更正保護委員会に伝えるべく、まず日教組香川三観地区と香川連帯ユニオンが団結し、県内の労働組合にも呼びかけて、何度もの星野絵画展を開催し、星野奪還の6・3集会、11・25集会に取り組んできました。
 今では、高松市民の多くが星野さんのことを知るようになっています。要望書もたくさん集まっています。また、多くの人々は「四国更正保護委員会」という組織が高松市内のすぐそこにあること、ここが星野さんの解放を審理する組織であることも知るようになりました。

一人ひとりが星野として生きる


 星野さんの絵を見て、いつも思います。「生きるとはどういうことなのか。この社会の中で自分は何をしていけばいいのか」。私は労働者階級の一員として、教育労働に携わってきました。私のこの社会の中での役割は、仲間と団結して子どもたちを守ること、子どもたちに身をもって生きる展望を示すことだと思って働いてきました。戦争やそれを推し進める改憲などもってのほか、絶対に許すことはできません! 「教え子を再び戦場に送るな!」は教育労働者としてきわめて自然な当然のことです。そして、心の底からの叫びがなければ、仲間にも子どもたちにも伝わりません。喜び・悲しみ・怒り・楽しさなどの心の通い合いが、人と人とのつながりになり、団結が作られていくのだとつくづく思います。
 絵画展を見に来たある人が「星野さんの心は自由。獄中にいるにもかかわらず、心は世界中を飛び回っている」と言っていました。もちろんその人も、11・25集会に来てくれました。団結は始まっているのです。
 職場の仲間も子どもたちも、すべての人々は今、人間と人間の本来的なふれあいを希求しています。つながろうとしている、団結を求めているのです。ここをはっきりとさせることが、全国集会を成功させ、星野さんを取り戻すための基本軸であることが、本当によくわかりました。
 集会・パレードに向けていろいろと計画的に進めていても、現実はそれよりもっと複雑です。準備不十分や不測の事態もたくさん起こります。でも、一人ひとりが星野さんを取り戻すことで一致する、一人ひとりが星野さんになることで、集会成功に向けて仲間がどこかで気がついてそれを果たしている。問題はそこで解決し、全体はまるで一つの巨大な生き物となってこの社会に登場し、熱いアピール、心を揺り動かすような集団としてその姿を現す。みんなで感じる熱い思い、人間を取り戻す強烈な思い、これが団結した力となるとき、星野さんを取り戻すことができるし、人間らしい社会を実現することができる。「一人ひとりが星野になる」とはそういうことです。

(写真 星野さん解放に向け650人が結集!)

階級的労働運動の力で、星野さんを取り戻し改憲阻止へ!


 地元として集会・パレードの準備などを行ったことによって、私たち香川の中での課題も明らかになってきました。自分たちの熱い思いや意気込み、その時の気持ち・気分を、まだまだ率直に出し合っていない、言い合っていないのです。社会の変化に応じて私たち自身もまた、日々変化しています。だからこそ、激論し、腹の底からわかり合う努力、どんな社会を建設していきたいのか、それに向けての労働組合の役割は何なのか、今、ここでの条件で、できることは何なのか、そういったことについて、もっともっと話し合いたい。世代・職種などあらゆる困難を超えて、分かり合いたい。とりわけ、年を取るとそれだけ長い人生を歩んできたが故に、現実とずれることも多々あり得る。だからこそ、議論すること、それを可能にする時間を確保するために努力することが決定的に大切だと痛感しています。
 11月25日は、かの「バーゼル宣言」が出された日です。だから、集会・パレードはこの宣言に貫かれています。戦争に反対することと人間を取り戻すことは一つのことです。
 2019年は、改憲・戦争攻撃との大決戦の年です。人間としての根源的な力を発揮して人間を取り戻す時代が、いよいよやってきました。「星野奪還、改憲阻止、沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒!」を実現しうる時代の到来です。大行進運動の力、国鉄闘争の力、国際連帯の力、階級的労働運動の力、全労働者の団結で、星野さんを取り戻し、腐りきった社会を変えよう!