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産別・戦線の闘い 第20回入管法改悪との闘い

月刊『労働運動』34頁(0347号14/01)(2019/02/01)


産別・戦線の闘い 第20回
入管法改悪との闘い

(写真 交流センターを先頭に東京入管包囲デモ)

 12月23日午後、「入管法改悪弾劾! 難民・仮放免者を収容するな! 被収容者を解放せよ!」をスローガンに東京入管包囲デモが闘われた。全国労組交流センター、合同・一般労組全国協議会、外登法・入管法と民族差別を撃つ全国実行委員会の呼びかけで、品川駅近くの東八ツ山公園に100人が集まった。
 小雨降る中、デモに先立ち合同・一般労組全国協の小泉義秀事務局長が闘いの意義を訴えた。安倍政権による12月8日未明の改悪入管法強行成立を弾劾し、新たな在留資格として来年4月スタートをもくろむ「特定技能1号・2号」が、現代の奴隷制、現代の徴用工そのものであり、安倍政権の働き方改革の切っ先であること、だからこそ「改悪入管法との闘いは労働運動の課題だ。東京入管には技能実習生も収容されている。ともに闘う日本の労働者として入管包囲デモに打って出よう!」と呼びかけた。

東京入管を何度も、そして万余で包囲しよう

 (参加者の感想)

 初めてデモに参加してからウン十年、数限りないデモをやってきました。その体験の中でも、昨年12月23日の東京入管抱囲デモはこれまで体験したことのない、心から魂が揺さぶられるデモとなったのでした。
 2012年に始まった徳島刑務所抱囲デモも、確かに心が震えるデモであった。けれど、それは刑務所のこと、声は届き、「静かな支持」はあっても、一方的な訴えでした。
 東京入管包囲デモは、そうではなかった。大きく湾曲した港南大橋を越えて、正面に巨大な東京入管ビルが姿を見せるとほとんど同時に、デモ隊の進行方向から何かしら地鳴りのようなものが響いてくる。それが東京入管のビルからのものだと気づくのにちょっとした時間差があった。けれど、それは本当にビルから轟く地鳴りだったのでした。入管に近づくにつれそれが歓声であり、同調であり、指笛であり、シュプレヒコールであることがだんだんわかってきました。巨大なビルのどこから声が発せられるのか、その声は一周する間中、途切れることがありませんでした。それはデモが真に魂の交歓を生みだすものであり、人の心を底から揺さぶる力をもっていることを改めて体感させるものでした。
 「たった100人」のデモが、中には数年も理不尽な収監生活を強制されている人たちには、「異国」での唯一の味方として歓迎されたのだと思います。けれども、このデモの後にも自殺をはかる人が後を絶たなかったという現実も思い知らされた。励まされたけれども、現実は何一つ変わらない、余計に落ち込む、そういうことなのか。
 そうであるならば、何度も何度も東京入管に向かってデモをしなければならない。それだけではなく、万余の労働者で身動きできないほど包囲するようなデモをやらなければならない。強くそう思うのでした。
 (多摩連帯ユニオン 佐藤らて)