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労働者は一つ、敵も一つ◆№45 移住労働者たちが移住労働者証言大会

月刊『労働運動』34頁(0349号19/01)(2019/04/01)


Workers of the world Unite
労働者は一つ、敵も一つ ◆№45
移住労働者たちが移住労働者証言大会

移住労働者たちが移住労働者証言大会

 移住労働者たちと市民社会団体等は、国連の「世界人種差別撤廃の日」の4日前の17日、ソウル中区ファイネンシャルビルディング前で「2019世界人種差別撤廃の日を迎えて移住労働者証言大会」を開催し、移住労働団体と全体移住民たちに対する人種主義的法・制度の撤廃を要求した。
 ウダヤライ移住労組委員長は、開会の辞で、「韓国社会は移住労働者の権利よりも事業主の権利の方を優先している。法で保障される移住労働者の権利を韓国政府は認定せずにいる。事業場移動の自由がなく、移住労働者たちの体と心が壊れており、産業災害が増えるのに治療保障はされずにいる。30日きちんと長時間働いても、きちんとした賃金も貰えず、最低賃金も差別されている。女性移住労働者たちは性暴行にさらされ、強制取締で多くの移住労働者が殺されている」と批判した。
「今こそ法制度をきちんと変えて移住労働者たちの犠牲をなくさなければならない。移住労働者が韓国に入って30年を超えているが、韓国政府の移住労働者たちに対する態度は変わらずにいる。移住労働者たちのすべての権利保障のために、差別のない社会のために闘わなければならない」と声を高めた。
 マスクとサングラスで顔を隠した移住労働者たち、各現場で差別を受けている移住労働者たちが舞台に上がり、未登録滞留の取締、事業場変更制限、賃金遅配、産業災害事故等の様々な事例について証言した。
 移住労働者たちは自分の境遇を証言した。バングラディシュ労働者パルク(28)氏は、「京畿道ファソンにあるプラスティック工場で働いて指を折る事故に遭った。業務時間中に働いて発生した事故で、産業災害は明らかだった。けれど『韓国にまた来たければ産業災害の話をするな』と言う社長の言葉に口を塞ぐしかなかった」と言う。
 雇用労働部は、「誠実勤労者再入国就業制度」を定めている。国内修業活動の最大期間4年10か月を勤めた労働者たちが、韓国語試験を通過すれば、本国に帰って再入国しても働く機会を与えるというものだ。4年6か月韓国で働いたパルク氏は、非専門就業ビザ(E―9)を更新して「誠実勤労者」になることを望んでいる。彼は「誠実勤労者制度は、社長が許してくれなければできないから、工場で事故に遭ったが産業災害申請をすることができなかった」と自分の状況を説明した。
 集会参加者たちは「NO! RACISM」「移住労働者に対するすべての人種差別を中断せよ」を叫んだ。一方、3月15日ニュージーランドのクライストチャーチのイスラム寺院で発生した銃撃テロの犠牲者たちを追悼した。
 同日午後2時30分頃には、普信閣で、市民団体の難民人権ネットワークと外国人移住・労働運動協議会、差別禁止法制定連帯が「2019世界人種差別撤廃の日共同行動」を行った。

漆崎 英一(動労千葉国際連帯委員会)