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労組交流センター第26回定期全国総会の報告

月刊『労働運動』34頁(0348号02/01)(2019/03/18)


全国労組交流センター第26回定期全国総会の報告


改憲・戦争の時代に立ち向かう労働運動の再生にむけて新たな闘いへ!

 2月2~3日千葉市内で、全国労組交流センター第26回定期全国総会を開催しました。各地区・地方、産別の代議員と傍聴者が参加しました。最初に、田中康宏代表から挨拶(別掲)があり、飯田英貴事務局長から議案提起がありました。その後の活発な討論を紹介します。

●神奈川 9回目の役員選挙の渦中で激しく闘っています。戦争情勢の中で教育労働者が立ち上がらなければなりません。横須賀は軍都です。最初は寒い中で顔を晒してPTA会長に会ったらどうしようと緊張し、街宣、デモに出ました。デモを重ねる毎に反応が良くわかりました。改憲阻止大行進運動を地域の団結の力で闘います。「沈黙」の上映会に右翼が来たが、右翼と闘う労働者と結びつきました。重要なのは地域との連帯です。

●千葉 今、10大拠点建設に取り組んでいます。動労千葉、ちば合同労組、ユニオン習志野、医療、教労、内房線・外房線と地域を守る会運動、三里塚闘争などです。労働組合が先頭で闘うことでチャレンジしてきました。当面の闘いは、第一に、動労千葉を先頭に、今、教育労働者と一体となって改憲・戦争阻止運動に取り組んでいます。第二に、ちば合同労組での京成バス労働者の雇止めとの闘いです。学習会もやっています。

●北摂 高槻医療福祉労組が学習会、講演会を明日やります。郵政でのスキル評価は不当労働行為で、中労委で闘っています。19春闘は扶養手当廃止をめぐる闘いで、JP労組との闘いです。
 関西の「改憲・戦争阻止!大行進」運動は、高槻医療福祉労組、植木団地と関西生コン支部と共に闘って前進しています。

●新潟 新潟県労委は、動労総連合新潟の雇止めで証拠の一切を否定し、反動命令を下しました。中労委に上げて闘います。2・17に国鉄集会を行います。JR貨物で新人事賃金制度を導入しています。全産別、職種への攻撃です。闘っていきます。

●広島 昨年の8・6広島大行動は素晴らしい集会でした。その後、自治労・教労・JRの仲間が呼びかけ人になり「改憲・戦争阻止!大行進」運動を立ち上げました。「改憲・戦争阻止!教え子を再び戦場に送らない!広島教職員100人声明」運動は大きく広がり、2月10日に集会を設定しています。
 自治体労働者は、会計年度任用職員という働き方改革攻撃と闘っています。高陽病院では理事会が6億円の借金をして病院をつぶそうとしていますが、これと闘っています。今年の8・6広島の闘いはデモ規制との闘いも含めて重大な闘いです。

●大阪 まず1千万労働者を獲得する情勢に入ったことを確認したい。先週職場にガサが入りましたが、これからあらゆる形で攻撃がかかると思います。その前哨戦として関生弾圧があったのです。日教組奈良市などから新しい仲間が決起しています。民営化の提案があり、地域住民を組織して闘い、団結した保育労働者の闘いが生み出されてきました。大阪では吉村市長の学力テストを使った攻撃と闘っていきます。

●東京東部 私は結成時から参加しています。89年に日教組葛飾を立ち上げました。昨年は、「改憲・戦争阻止!大行進」運動・東京東部を立ち上げました。動労千葉新小岩地域班と一緒に、国鉄の地域共闘の闘いを継続してきました。UTLAの闘いと共に闘っていきたい。

●八尾北 大行進八尾を結成し、近隣の中国の人たちとの交流のために日本語学校などの取り組みも行ってきました。八尾北労組の旗開きに100人を超えて近隣の労働者が参加し、青年労働者も決起しています。

●関西(女性部代表) 神戸市職の闇専従問題があり、仲間をつくる闘いを行っています。

●群馬 星野集会で角田儀一さんがいい発言をしてくれました。彼が星野文昭さんの弁護人になるのは凄いことです。

●埼玉 さいたまの病院のセラムでは最低賃金+1円で働いています。連合の30年が作り出したものが我々の目の前にあります。2019年は激動の年になりますが、共に闘い勝利したい。

●北海道 北海道の「改憲・戦争阻止!大行進」運動では古典の学習会を行っています。二度ストライキを行ってきたタクシーの仲間が、組合で改憲阻止の決議を上げました。闘う労組が軸になって大行進運動を作っていきます。札幌で天皇代替わり儀式粉砕の集会を行いたい。2・16国鉄集会を開催します。

●神奈川 三浦の闘いを軸に、神奈川では五つのブロックで大行進を進めてきました。県全体の集会をかちとり、自治体OBも参加しました。新たな教育労働者の決起も始まり、野本さんが大行進運動に命を懸けるという決起が生まれた。動労神奈川とも連帯して進んでいきたい。

●福島 3・11福島原発事故との闘いを考える時、動労水戸の被曝労働拒否の闘いは世界に類を見ない闘いです。3・10診療所のシンポジウムと3・11反原発集会への参加を訴えます。

●奈良 7労組が奈良の大行進に結集しました。闘う労働組合の呼び掛けで始まり、フリートークで6労組9人の発言があり、日教組奈良市の前委員長は「投獄されても闘いはやめない」と発言しました。日教組奈良市では40日間の座り込みも含めて闘ってきました。

●沖縄 田中代表が荒々しい階級闘争の復権と言っているが、今年の5・15沖縄闘争は荒々しい闘いになると思います。基地労働者の水島さんは人生を語ってきた。自分の言うことは一生ものなんだと。階級的労働運動の原則は曲げられないです。

●自治体 動労水戸の被曝労働拒否の闘いは重要です。東京では全港湾、清掃労働者と結びついて闘っています。職場から動労千葉労働学校に参加したい、自治体学習会に参加したいという人が出てきました。

●東交 東交の民営化反対の闘いが更に進みました。1月29日東交本部主催で水道の民営化反対の学習会があり、『最後の一滴まで』という水道の民営化反対の映画をやりました。職場で新年会を行い、その中で「お前は全否定しないで話してくれるのが良い」と言われました。

●南大阪 泉佐野選挙を春闘集会から始めました。選挙戦と春闘を一体で闘うことが必要です。労働組合を労働組合として作ることが重要。大行進も大きな階級闘争として発展していくことができる。人間と人間の団結をつくる。そのもとが労働組合の中にある。

●広島 学校業務員が退職したら会計年度任用職員と入れ替えていくという攻撃が来ました。退職後も正規職員を入れろと要求しています。非正規化を阻止する闘いをやっていきます。

★田中康宏代表挨拶


 今日と明日、十分な討論をして歴史的な闘いに踏み出しましょう。全国労組交流センターを結成し、今回は30周年という節目の総会です。動労千葉は結成してから40年になります。組織をあげて日本の労働運動の先頭の位置に立つことは、組合員にとっても当たり前ではありませんでした。国鉄分割・民営化の中で動労千葉が生きていく道は、全国労組交流センターを全国の仲間と共に結成するしかないと決断したのです。
 1番目に確認したいことは、
決断と30年の闘いです。
 1989年連合結成に対して、ここで踏み切って良かったと思います。私たちの運動はかけがえのない位置を占めています。全国労組交流センターの存在がないと今の我々はありません。11月集会も国際連帯の闘いもなかった。労働運動として統一して貫くことはできなかったと思います。お互いに泣きたくなるような困難の中で生き残ってきました。よく頑張ってきたとお互いに拍手したい。
 しかし自己満足してはなりません。実は去年、「改憲・戦争阻止!大行進」運動を呼びかけ新しい踏み出しをしました。僕たちが立ち向かってきた位置を確認したいと思います。総評は39年で潰れるべくして潰れました。連合は30年です。総評には歴史に残る闘いが数多くありますが、連合は何も歴史に残していません。連合は産別的にも政策的にも歴史を作ったものが何もありません。生命力が尽きています。今、資本主義が戦争に踏み切る以外にない段階に来て、連合は現代の産業報国会に踏み出す以外にないのです。
 30年前、交流センターの生みの親となった国鉄分割・民営化攻撃は新自由主義を導入する攻撃でした。今は新自由主義が崩壊する中での攻撃です。今度こそ逆転させて、新しい階級的労働運動を創り出す時です。今回の総会をそういうものとして勝ち取りましょう。
 2番目です。情勢についてはきりがないので絞りたい。 
 米中の貿易通商戦争。中国企業ファーウェイの中心的人物を拘束・逮捕し、起訴する段階に来ました。これは戦争です。中国の製品に25%の関税をかける。世界の50億の貿易が収縮する。かつて来た道と同じです。世界経済が収縮し、資本主義のシステムが崩壊を開始し、アメリカでは社会が全面的に崩壊し支配ができなくなっています。
 そして日韓関係です。慰安婦問題からレーダー照射事件に至るまで、かつての盧溝橋事件に等しい事件をつくりあげる、支配が崩壊する中でのやり方です。日本は戦争責任を頬かむりして帝国主義として再建してきた。韓国の軍事独裁体制の中でそれができた。しかし韓国の労働者は1987年に労働者大闘争に打って出た。全ての責任を取っていなかった日本の責任が問われている。戦争責任、軍事独裁政権を支持してきた天皇制の問題です。辺野古新基地建設の土砂投入も戦争の問題です。
 EUもドイツを封じ込める体制でしたが、仏・独・伊の体制が崩壊しています。
 ホンジュラスからの難民はアメリカ帝国主義の崩壊を意味します。CIA要員を送りこみ、反革命の拠点を作った。これから矛盾が爆発的に噴出します。
 こういう世界の状況の中で、日本だけが異質の状況にある。非正規が4割で、これが日本における新自由主義の現実です。しかし、世界を見ても日本ほど労働運動がつぶされた国はない。これに立ち向かうのが全国労組交流センターです。一旦火が着いたら爆発します。それを行うのが交流センターです。
 3番目。安倍が攻撃をかけてきた改憲と戦争に対して人生をかけて闘うことです。様々な諸条件の中で違いはありますが、今までと違う繋がりができました。これから地力が問われます。簡単には前進できないと思いますが、ここが勝負です。今の日本の多くの労働者の意識はどうなのかを考え抜くことです。自分の地域の問題に大行進運動が入らなければなりません。
 アメリカのUTLAの闘いから学び尽さなければなりません。ロサンゼルス統一教組の闘いですが、我々と会う前は代表のアーリーンさんは絶望していました。軍の募兵官を学校から叩き出す闘いを行っていました。市民運動のような闘いでしたが、何年もかかって労働者の組織を作ったのです。契機は僕たちとの交流でした。
 今回のストライキはアーリーンさんが交渉団の責任者で、歴史的な勝利を勝ちとりました。「専門職を常時学校に置け」という要求も貫徹しました。ロサンゼルスだけで2000年から始まり270校あるチャータースクールを止める闘いに勝利しました。本当に目的意識的に組織された闘いです。21カ月労働協約闘争を行ってきたのです。7人の執行委員が先頭に立ち、900以上ある公立学校を頻繁に訪れ、組合員との直接対話を重ねてきました。昨年8月のスト権投票で98%の賛成を得たが、組合員の100%でストに突入したいと考え、100%まで組織した。「財政が必要だ」と組合費の値上げをした。これに対して罵詈雑言が浴びせられたが、これも貫徹して1年がかりで闘いストライキに入ったのです。初日に5万人が集まり、妥結する時は7万人になりました。当局はスト破りの教師を導入し、二倍の給与を出したのですが、それができなくなりました。街は喜びにあふれていました。1週間を通して、ストライキを最後の手段ではなく、闘いの継続のために行ったのです。権力問題になっていませんが、韓国のロウソク革命のようなことを行ったのです。
 我々ができないわけがありません。「改憲・戦争阻止!大行進」運動の中でこれができると思います。大阪で初めて公設民営化学校が作られようとしています。国家主義と民営化が行われるのです。熱い気持ちで闘いましょう。
 今年は大きな勝負の年です。一番恐ろしいのが「働き方改革」の同一労働同一賃金で、施行は2020年4月です。最低賃金の同一で、年功制を全部破壊するのです。生活給的なものは全部つぶす。賃金で支配する。全面的な評価制度が始まります。
 公務員法を変えて、国家公務員の賃金を3割下げようとしています。特区連のマイナス人事委員会勧告の攻撃がこれです。会計年度任用職員も攻撃です。「自治体戦略2040年」では自治体職員を半分にしようとしていて、今年は勝負をかける年です。
 国鉄闘争が先頭に立つことです。今、JRで起きていることは国鉄分割・民営化に続く大攻撃で、立ち向かわなければなりません。会社は東労組を潰し、これに代わる労働組合を作らせず、労働組合がない会社を作ろうとしている。幕張車両センターには人の動きを追跡できる監視カメラを設置しました。東労組関連の労働組合を解体しましたが、この攻撃は必ず破綻します。京都のバス会社が民営化したが撤退しています。神戸でも同じです。鉄道部門の外注化も全部破綻します。自動運転などAIの神話も崩壊します。
 新自由主義の崩壊過程で階級的労働運動を復権するために、本総会を勝ち取りましょう。