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杉並区議選勝利の報告 ほらぐち ともこ

月刊『労働運動』34頁(0351号09/01)(2019/06/01)


杉並区議選勝利の報告 ほらぐち ともこ

阿佐ヶ谷再開発阻止へ全力で闘っていきます!

ほらぐち ともこ(杉並区議会議員)

お礼

 全国の仲間のみなさん! 杉並区議選への熱いご支援、本当にありがとうございました! 全国の労働者・学生の力と杉並区民の感動的決起の力で「ほらぐち当選」をかちとった! この勝利を出発点に、今年から来年に向けた「安倍打倒!改憲阻止!」の大決戦を闘いましょう。私は5月1日付で杉並区議会議員となりました。法大闘争と全学連運動で培った経験を活かし、杉並における長谷川ひでのりさん、北島くにひこさんの歴史を引き継ぎ、議会内外でみなさんとともに闘っていきます!

なぜ立候補したのか

 私が立候補を決断した最大の理由は、改憲・戦争阻止の闘いに勝利するために青年・女性の団結をつくりたいと思ったからです。私たちの世代は生まれた時から新自由主義です。弱肉強食の競争社会。仕事は非正規が当たり前。高い学費で入学と同時に貧困に突き落とされる。毎年2万~3万人の自殺者。過労死・過労自殺。こんな社会は腐っている。声を上げたい。変えたい。でも、どうやって―。 団結、未来、人生が徹底的に奪われてきた世代を獲得したかった。私たちの敵が誰なのかを示したかった。私たちが団結すれば社会を変えられることを伝えたかった。これが、私が立候補を決めた理由でした。演説や知識に自信があるわけでもない。肩書も知名度も何もない。それでも全国の仲間の支援によって学生運動を10年間貫いてきた一人として、日本階級闘争の命運をかけて挑戦しようという思いがありました。
 杉並区は23区の中でも高齢化している地域の一つですが、働き世代の方からも、そして高齢の方からも「ぜひ若者にがんばってほしい」という期待を多く寄せていただきました。
 そしてもう一つは、女性が声をあげる社会をつくりたいという思いです。とくに20代・30代の政治から最も疎外されている女性とつながりたかった。伝わる言葉で獲得したかった。私自身、学生運動の中でもっとも苦闘してきたテーマでした。選挙戦の過程でも最後まで同世代の女性と結びつくことに苦戦しました。仕事帰り、両手に子どもや買い物袋を抱えて帰宅する女性たち。ビラを受け取ることで精一杯。自分たちの日常とあまりにもかけ離れたこれまでの「選挙」にうんざりしている。そういう現実をひしひしと感じながら、「20代・30代の働く女性の4割がワーキングプア(年収200万円以下)」「過労死・過労自殺で多くの労働者の命が奪われる社会」への怒りを解き放つことに最後まで神経を集中させました。選挙戦最終盤の過程、区民の若い女性と爆発的に結びつきが始まりました。1時間立ち止まって最後まで演説を聞いてくれた20代女性は「医療の仕事をしている。改憲も絶対反対。ほらぐちさんに投票します」と言ってくれました。ツイッターで調べて仕事帰りにわざわざ街頭演説を聞きに来てくれた30代女性は「朝、駅前でチラシをもらって気になっていた。本人の話を聞いてみようと思った。やっと応援したいと思える人に出会えた」と涙ながらに声をかけてくれました。まったく新たな女性たちとつながることができた選挙戦だったと思います。そして若者・女性は心から闘う労働組合や居場所を求めているとあらためて確信をつかむことができました。

選挙戦を振り返って

 7か月の選挙戦をいま振り返ってみると、感動的なドラマの連続でした。初めてのことで日々七転八倒しながらも、仲間の支えのおかげで最後まで闘いぬくことができました。
 本格的な活動を始めたのは30歳の誕生日を迎えた11月30日。この日初めて朝の街頭に立ちました。荻窪駅・西口でした。道行く労働者に「ほらぐちともこです。よろしくお願いします。元杉並区議の北島くにひこさんを引き継ぎます」と挨拶をしました。北島さんの支持者が何人も足を止めて「えっ!替わるの。頑張ってね」と声をかけてくれました。長年、朝の荻窪駅に立ち続けた北島さんの知名度には驚きました。チラシを受けとり声をかけてくれる人のほとんどが北島さん自身も名前を知らない人ばかりだそうです。こういう一つひとつの積み重ねが本当に重要だということを学びました。この日を皮切りに選挙戦最終日まで朝のあいさつを継続しました。多くの労働者に顔と名前を覚えてもらうことができました。「継続は力なり」ということを本当に実感しました。
 そして、昼や夕方の街頭宣伝でも多くの出会いがありました。わずか1時間で三桁のビラが受け取られ、特に女性の受け取りのよさは最後まで続きました。「ポストに入ってたよ」「この前事務所の人から電話きたよ」という反応もたくさんありました。全体の粘り強い闘いの積み重ねが、知名度と支持者を広げていきました。
 選挙戦の過程で重要だったことは、阿佐ヶ谷駅前の再開発計画との闘いでした。阿佐ヶ谷再開発計画が田中区長や河北病院、そしてJRなどのおぞましい利権が絡んだものであること、しかもほとんどの住民にこの計画が知らされていないということ、そして「再開発を止める力は地元住民・労働者の団結にある!」ことを訴えました。 再開発白紙撤回を求める署名はわずか1週間で500筆以上集まりました。杉並は、高円寺で再開発計画を地元住民の闘いで止めてきた歴史があります。「再開発」で街を壊され、商店街が潰されることは絶対に許せない!「住民と共に闘ってくれる議員がほしい」という区民の心からの思いがありました。再開発との闘いはこれからが本番です。田中区長は地元住民を対象にした説明会を開き、反対の声を叩き潰そうとしています。田中区長の下でオール与党化した杉並区議会の中で地元住民・全国の仲間と共に再開発絶対阻止へ全力で闘っていきます。
 そして、この一連の過程を通して無実の政治犯・星野文昭さんの絵画展や要望書運動を一体で取り組んだことも決定的でした。星野文昭さんの仮釈放不許可を徹底弾劾し、杉並区民であるお連れ合いの暁子さんや救援会の仲間と共に選挙戦を闘いぬきました。今後、杉並区議会議員として星野解放闘争の先頭に立つ決意です。必ず星野さんを取り戻しましょう!
 私は、労働者民衆が生み出した議員としてこれからみなさんに育ててもらいながら、全力でがんばっていきます! 本当にありがとうございました!