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地平線 外登法・入管法と民族差別を撃つ全国交流集会

月刊『労働運動』34頁(0351号20/01)(2019/06/01)


地平線 外登法・入管法と民族差別を撃つ全国交流集会

(写真 入管集会で発言する韓国民主労総)

地平線

外登法・入管法と民族差別を撃つ全国交流集会は改憲・戦争阻止!大行進運動と一体で連帯が拡大

上田 豊(全国実行委員会、神奈川労働組合交流センター)

 5月5日神奈川で開催された「外登法・入管法と民族差別を撃つ全国交流集会」(主催・全国実)には350人が集まりました。1990年5月関西大学で開催されて以降、今年30回目を迎えました。
 全国実は「80年代指紋押捺拒否闘争を継承し、入管法・入管体制と闘う在日朝鮮人との共同闘争として始まった全国交流集会の意義」を明らかにしました。 80年代の国鉄分割・民営化攻撃から本格化する新自由主義攻撃と対決し、「民族・国籍・国境を越えて団結しよう」と闘ってきた全国実の歴史は、国鉄闘争と連帯しながら進んできた重要さも感じました。
 書籍『祖国が棄てた人々』を紹介された金元重さん(千葉商科大学教授)は、国鉄闘争全国運動呼びかけ人でもあります。
 30年を経過して、在日、滞日労働者をめぐる現実はより一層厳しいものになっています。しかし30年の中で資本主義・新自由主義が労働者民衆を食わすこともできなくなり、社会は終わっています。この現実に全世界での労働者民衆の決起が始まっています。
 昨年6月以降、「改憲・戦争阻止!大行進」運動の結成が各地で勝ち取られ、職場・地域での実践がより広範な労働者民衆との出会いと結合をつくり出していることが、在日・滞日との連帯にとっても大きな力になっていると感じました。
 朝鮮学校の現場からの「朝鮮学校の過去・現在・未来」と題した講演で、朝鮮学校の現状がわかりやすく報告されました。共に生き生活する在日の仲間との生きた交流と支援・連帯の一歩が進んだと思います。
 牛久入管収容所問題を考える会の田中喜美子さんは基調報告で「入管に収容されている人は、すさまじい労働現場、搾取労働の中から逃げた人、自分の命のために逃げ出した被害者でしょ!被害者が収容されている。これが入管です」と怒りを込め報告しました。
 クルドの子ども達の演劇のテーマは学校でのいじめ問題。全員いじめを受けた経験があり、日本社会の矛盾を告発する主体となって生きる姿は感動的でした。
 集会の最後に発言した動労千葉の田中康宏委員長は、昨年12月末の東京入管行動に触れ「デモが近づいたら、どこからか叫び声がわーっと聞こえてくる。指笛で必死になって訴える……あの建物全体が震えて叫んでいるという感じでした」と語りました。
 集会直後の5月9日、牛久入管に収容されていたトルコ国籍のクルド人が強制送還されたことが明らかになりました。2年以上収容され、難民申請中にもかかわらず、難民申請却下をもって代理人である弁護人にも連絡せず、無理やり暴力的に強行しました。
 本当にこんな現実をひっくり返したい。行動方針として提起された6・20世界難民デーに取り組まれる東京入管包囲デモに全力で立ち上がろう!
 民主労総ソウル地域本部との国際連帯、在日・滞日外国人労働者との連帯という点でも重要な発展を開いたと思います。職場・地域における真剣な具体的な連帯と実践に踏み出したい。