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ZOZOタウン賃上げから見えてくるもの、編集後記、まんが

月刊『労働運動』34頁(0352号17/01)(2019/07/01)


ZOZOタウン賃上げから見えてくるもの、編集後記、まんが

ZOZOタウン賃上げから見えてくるもの


 何かと話題のアパレル業界のZOZOタウンが、アルバイトの時給を1300円にするニュースが話題になっています。
 ZOZOは千葉の湾岸地帯に巨大な物流倉庫を構え、そこから全国に発送する振興企業。ZOZOで働く67%がアルバイトや派遣の非正規労働者。毎朝、新習志野・津田沼・幕張本郷駅には、真っ黒な通称「ZOZOバス」が止まり、大勢の若者を乗せ、茜浜(京葉線・新習志野駅の海側)へ行き交う。ここ数年、千葉の湾岸の「見慣れた風景」になっていた。
 1300円アップのきっかけは、前澤社長の「月に行きたい」という発言。さらには「お年玉1億円プレゼント」と称して、リツィートした100人に100万円をばら撒いたイベント。
 「アルバイトや派遣から搾取したお金をばら撒き、月に行くのか」「月に行くなら、まず賃金を上げろ」という怒りが殺到し、ブランドイメージが急激に劣化したのです。見る見る株価が急落。撤退するアパレル企業も続出。
 追い詰められたZOZOは、1000円だった時給を一気に30%アップ。これを聞いた労働者の応募が殺到し、わずか2日間で2000人の募集枠が埋まり、大きなニュースになりました。
「人手不足」のウソ
 今回のことはZOZOにとどまらない問題になっています。時給1300円は、最低賃金が750円前後の鹿児島や青森の2倍近く。地方では「俺たち、こんな給料ではやっていけない!」「こんな開きがあるのなら、上京してZOZOでバイトしようか」と話題になっているそうです。
 〈「人手不足」のウソ〉が社会的に暴かれたのです。時給を上げれば、労働者はそこに殺到し、たちまち人手不足は解消されるのです。人手不足と言いながら、最低賃金の労働者に依存する日本企業。その典型がJRやJPです。人手不足だから「運転士道」、つまり「運転士にプライドを持て」と「やりがい搾取」を推奨しているのです。まず賃金を上げろです。
(ちば合同労組ニュース 第107号 2019年06月1日発行より転載)

編集後記


6・9コンビニ関連ユニオンの結成、1430人が結集した6・9国鉄集会は大きな展望を作り出した。決断した労働者を軸にした労働者の団結こそ、資本や政府の支配を打ち破る力だ。8月ヒロシマ、9月水戸の闘い、11・3労働者集会へ、仲間を組織する5か月間決戦に全力をあげよう。(AY)