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闘う合同一般労組 鈴コン分会は組合結成の原点に返り、職場全体の獲得に

月刊『労働運動』34頁(0351号17/01)(2019/06/01)


闘う合同一般労組
鈴コン分会は組合結成の原点に返り、職場全体の獲得に踏み出した

(写真 5・1東京メーデーで登壇した鈴コン分会)

吉本 伸幸(東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会書記長)

鈴木分会長への支援の御礼

 鈴木コンクリート工業分会(以下、鈴コン分会)三代目の鈴木善弘分会長(以下善分会長という)が、昨年8月から入退院を繰り返し、2019年4月に一旦は職場復帰しました。1か月間働きましたが、5月15日に三度目の入院・手術となりました。退院後も療養の日々となります。本人は早く職場復帰したいと言っていますが、治療に専念してほしいと考えています。
 全国の皆さんに多くのご支援と励ましをいただき、本当にありがとうございました。

SJKの内部崩壊

 鈴コン分会は、毎年春に36協定の代表者を巡って、「鈴木コンクリート工業従業員の会」(以下、SJK)と激闘しています。SJKは、(有)東豊商事(以下、会社)が鈴コン分会解体と職場分断・団結破壊のために作った組織です。SJKの会員は「会社を守り支える会」と言って威張っていました。当時は鈴木富美子社長から「あなただけ手当」なる実弾が出ていて、SJK会員は、鈴木社長の毒に犯され中毒症状が末期的となっていました。
 しかし、SJKの内部崩壊が始まっています。鈴木富美子社長の奴隷頭だったSJK代表の花石辰三が体調を崩し、職場でミキサー車に乗れなくなり、2018年11月に自己都合で退職しました。このことは、職場の同僚、事務所の管理側誰一人として知らず、鈴コン分会が団交の中で、仕事に出てこない花石代表のことを会社に追及してわかったことです。職場の仲間は、「鈴木富美子社長に捨てられた惨めな男の最後だ」と言っていました。
 続いて、SJK副代表の古川英代が、度重なる飲酒運転の末、警察に逮捕されて免許取り消しになり、2018年11月末で諭旨解雇で職場を去りました。後でわかったことですが、鈴コン分会の解雇者3人が解雇撤回で職場復帰した2014年11月以降、鈴木富美子社長のSJKに対する態度が冷たくなったようです。実は諭旨解雇になった古川と酒を飲んで話をしました。古川は「吉本ちゃんごめんな。鈴コン分会を潰す協力をしてくれたら面倒をみると鈴木富美子に言われて従った。しかし俺が間違っていた。全然面倒など見てくれなかった。仕舞いにはお払い箱だよ」と本音を言ってくれました。古川は鈴コン分会結成からのメンバーの1人でもありました。その古川を経営者が愚弄し金を使って騙し、人格を破壊して貶めていったことは許せなかった。本当に悔しかった。古川が本音を語ってくれて救われました。

SJKを使った職場支配破産

 鈴木富美子社長のSJK立て直しが始まっていきます。花石なき後のSJK代表を誰にするか。SJKの2人が鈴木富美子社長に「代表になってもよいが、月給35万円にして、有給は使い放題にしてくれ」と話して断られ、仕方なく代表が宮原に決まったそうです。宮原は、会社から「大型免許は持っているが、ミキサー車で出ると事故を起こすので、大型車には乗せられない」と言われ、信頼されていない男です。

職場全体の獲得へ!

 善分会長が二回目の手術に入る前に2人で話しました。「今までSJKと徹底的に闘ってきた。しかし、SJKと鈴コン分会が対立状態を続けていくと鈴木富美子社長の思う壺だ。これからは組合結成時の原点に返って職場全体の獲得に踏み出していこう」と意志一致しました。
 そして、第一弾としてSJKの宮原代表に「どうだろう宮原さん、賃上げの要求をお互い協力してやらないか。賃金が上がるのに反対する者はいないだろう」と持ちかけ、SJKと鈴コン分会の名前を使わず「東豊商事契約社員従業員一同」で賃上げの要求署名を行いました。これが見事にはまり、職場の契約社員運転手14人中13人が署名をしてくれました。賃上げ署名を宮原から会社に出させました。
 第二弾の仕掛けは「花見」です。宮原代表と話して、職場交流花見会を浮間公園でやろうとなりました。もちろん「花見」のビラは俺が作り、「職場花見の会有志一同」として職場の仲間全員に配りました。事務所内で社長が「宮原にこんなビラは書けない。裏で吉本が動いているのではないか」と怒っていたそうです。会社が動き出しました。「花見を会社主催でやる」となりました。職場の仲間や家族を含めて20人が集まり大成功でした。鈴木富美子社長が花見に来て「なぜ吉本と宮原が仲良くなったか」と、終始不機嫌な顔をしていました。
 第三弾の仕掛けは、連休の手当です。4月30日、5月1日、2日を天皇退位と即位で、なぜ休日にならなければならないのか。日給の契約社員は休みが多ければ給料は減るのです。宮原と話して「東豊商事契約社員従業員一同」で署名を行いました。その内容は、3日間の休みを「国の特別休日だから、会社は有給休暇か特別手当支給にしろ」です。この署名も14人中13人がしてくれて、宮原が会社に提出しました。会社も慌てたのでしょう。3日間の休みに、1日8000円の特別手当を支給すると言ってきました。3日間で2万4000円を出させました。大成功です。
 第四弾の仕掛けも開始しています。まだその内容は書けませんが、会社もかなりの危機感で宮原に話しているようです。
 この職場攻防の中で、SJK書記長がSJKを脱会し、会員1人も脱会しました。SJK書記長の脱会は会社に相当ダメージだったと事務所から聞こえてきました。
 職場からの闘いと組織化を、職場の仲間は本当によく見ているということです。誰が何をしているのか、仲間のこと、職場の労働条件改善のことを真剣に考え、動けば仲間は協力してくれます。仲間は必ず決起することに確信をもって、鈴コン分会の職場全員獲得の新たな闘いが始まっています。直ぐには結果は出ません。しかし、日々の小さな闘いが会社全体を根底から揺り動かすものになっていきます。

職場と地域全体の獲得へ

 鈴コン分会は、職場への分会ビラ配布と共に、今年から毎月一回の浮間舟渡駅前街頭宣伝を、北部ユニオンの協力のもと開始しました。組合の拠点建設と地域での仲間作りが目標です。ビラの受け取り、署名の反応も良いです。職場・地域に根を張り、徹底的に組織していきましょう。
 6月9日国鉄集会に全力結集し、11月3日比谷野音を1万人の労働者で埋め尽くしていきましょう!